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BL版権物の二次創作ブログです。現在『メイド*はじめました』で活動中です。
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自己紹介

  名前:うさこ
  萌属性:血縁、年の差、アホ子受、ワンコ攻
  好き:甘々、主人公総受け
  嫌い:イタい子
  イチオシ:安元洋貴ボイズ

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兄の周平と、親友の諒。
この両者の対立が、一体いつごろから始まったのか、それは裕太は知らない。
裕太が最初にそうと気がついたのが、高校一年の秋、周平が札幌の転勤から戻ってきた直後だったから、少なくともそれ以前から、二人の争いは始まっていたのだろうと、ただなんとなくそう思っているだけだ。
*
諒は裕太の幼馴染で、同じ楽才学園にかよう高校一年生だが、同時に「永抄流廣瀬次期家元」という肩書きを持つ、茶道の師範でもある。
子供の頃から、お茶と同時に華道や書道もたしなんできた諒は、いつもは本当に穏やかで、上品な優等生だ。
なのに、こと周平に関することになると、まるで人が変わったかのように目を吊り上げてヒステリックになる。
だから裕太は、普段からあまりその話題に触れないように、注意していた。
争いごとが苦手で、口も上手くない裕太は、そうなったら黙って諒の小言を聞くしかなくなるからだ。
*
だから、それを最初に言い出したのは裕太ではない。
裕太はいつも通り、購買の自販機で買った紙パックのレモンティーを、ストローでちゅうちゅう吸い上げていただけだった。
ゴクリゴクリと美味しそうに喉を鳴らす様子を、諒がなんだかずいぶんと物言いたげな目で、じっと見つめてくるから、単純な裕太は「諒も飲みたいの」と、ただ無邪気にそう聞いただけだった。
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みなさま、ご訪問いただき、まことにありがとうございます。m(_ _)m
おかげさまをもちまして、訪問者3500人突破となりました。
*
ららら~、今日はステキなバレンタインデー ヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ  
なんて、お菓子メーカーの思惑に、みごとに乗せられている私ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
でもまあ、難しいことは抜きにして、所詮祭り好きな日本人ってことで、ノリで楽しんでればいいんですよね。
宗教クサいより、商業クサいほうが、素直に「踊らにゃソンソン」って思えますから、いいじゃないですか、こういう罪のないイベントは、かわいくてww
*
だいたい、好きな食べ物「チョコレート」という裕太の為にあるようなイベントですよね、このバレンタインはw
裕太だったら、女子から沢山の「友チョコ」貰えそうですが、本命は……どうでしょうねえ?
15、6の女の子に、裕太みたいな「アホっ子」の魅力が分るでしょうかw
どっちかっていうと、やっぱり「異性」と言うよりも、「お友達」として好かれてると思います。
「藍川君はお友達、恋人なら滝沢君、結婚するなら廣瀬クンかな~」とか言われてそうですw
ついでに、櫻井と芳賀は、「なんかコワイよねー」って言われてると思うw
*
上のチョコリップは、わたしから裕太へのバレンタインのプレゼントです。
裕太、受け取ってね。( あ、でも、周平には見せないでね、なんか、捨てられそうだからw)
そして、そのチョコリップをつけたスウィートな裕太の唇が、周平へのプレゼントですw
裕太の甘い唇で、癒されてくださいw
*
さて今回のおまけ話は、「ダークな兄ちゃんが見たい」というリクエストにお答えして、ちょっぴりビターなバレンタイン物です。
わたしも、甘々な兄ちゃんも好きですが、鬼畜な兄ちゃんも大好きですw
*
それでは、キリバン3500おまけ話、「CACAO99%」です。
お楽しみいただければ幸いです。
信号が青に変わった。
一斉に動き出した人の波に押されるように、ズイと一歩踏み出した周平の指を、斜め後ろにいた裕太が不意に握ってきた。
思いがけないサインに、周平がはっと振り返ると、裕太は手を握ったまま、二人の横を早足にすり抜けてゆく人たちを、面白そうに、けれどとこかぼんやりとした風情で眺めていた。
自分のとった行動に、まったく気が付いていないようだった。
*
こういうふとした瞬間に、周平は自分の弟、裕太の事が、たまらなく愛おしいのだと、心の底から愛しているのだと、再確認する。
おそらく裕太は、雑踏の中、人の波に押されて一足先に出た周平が、自分の事を忘れてしまっているように感じて、不安になったのだ。
そして、親からはぐれそうになった子供がそうするように、置いて行かれないようにと、周平の手を握ったのだ。
それも、無意識に。
*
こういった無意識の甘え、無自覚な依存に、周平は、自分がいないと生きていけないのだと、言われているようで恍惚となる。
本人に自覚はないだろうけれど、その小さな仕草ひとつ、目線ひとつで、裕太はいつも周平を世界で一番、幸福な男に仕立て上げるのだった。
*
「兄ちゃん、どうしたの?」
立ち止まったまま、いつまでも歩き出そうとしない周平を、裕太が不思議そうに見上げてきた。
周平は蕩けそうなほど緩んだ頬を、更ににっこりと微笑ませた。
「別に、何もないよ」
周平は静かに答えた。
そして、裕太の手が離れてしまわないように、今度はゆったりと、次の一歩を踏み出した。
休日明けの月曜日。
和やかに挨拶を交わすクラスメイトの輪に、例のごとくニヤニヤと性質の悪い笑みを浮かべた滝沢が割り込んできた。
「よお、藍川。お前、昨日池袋の天国屋の前、兄貴と手ェ繋いで歩いてただろ」
「え? あ、うん、ウチ目白だし、兄ちゃん天国屋の本社で働いてるから、オレ池袋しょっちゅう居るよ?」
だからどうしたのと、滝沢の質問の意図がわからず裕太は首をかしげた。
隣でそれを聞いていた諒の額に、ぴしっと音がしそうなほどくっきりと青筋が浮く。
「裕太、お前…………」
「な、何? 諒?」
地の底から響いてくるような声に、裕太は思わずびくりと肩をすくめた。
おそるおそる諒を振り返ろうとした裕太の肩を、滝沢がくっと掴んで引き止めた。
「兄貴が天国屋本社? 百貨店勤務って、天国屋のことかよ…………じゃあお前、ひょっとしてアレか、「藍川」ってあの、天国屋グループの「藍川」か、オーナー一族の」
裕太を問い詰めるように、滝沢が額を近づけた。
「うえ? 「あの藍川」とかって言われても、俺良く分んないけど、一応、じいちゃんが今、天国屋のオーナーやってる……よ?」
そういうことが聞きたいのなら、といつになく真剣な様子の滝沢に、裕太はどぎまぎしながら答えた。
「あ、なんか、この曲好きかも」
店内に流れてきた音楽に、裕太はふと視線を上げた。
それは電子的な――しかしどこか霞がかかったような、ぼんやりとした柔らかさを持つ、不思議なメロディーだった。
裕太は、ティーカップから立ち上る暖かな湯気の揺らめきを見つめながら、数瞬その歌に耳を澄ませた。
「買っていこうか?」
テーブルの向こう側で、そんな裕太の様子を見ていた周平が、さらりと言った。
「え?」
「好きなんだろう? だったら、いま店の人に曲名を聞いて、後で買って帰ろう」
そう言うが早いか、周平はさっと手を上げて、店員を呼んだ。
「すみません、いまかかっている曲、名前分りますか?」
「あ、はい。細井聡司のツナグミライですね」
群青色のギャルソンエプロンを付けたウェイトレスは、にっこりと、迷うことなく答えた。
周平は、ありがとう、と店員に軽い会釈を返すと、くるりと裕太に向き直った。
「――だ、そうだ、裕太」
裕太は周平の相変わらずの行動力にあっけにとられて、一連の動きを、ただぽかんと口を空けて見ているしかできなかった。
「直ぐに答えたところを見ると、人気がある歌なのかもしれないな」
周平はそう言いながら、ジャケットの内側へ手を入れた。
聞いた内容をさっそく確認しようと、携帯を探っているのだ。
「ちょ、ちょっとまってよ、兄ちゃん! 好きって、そういう意味じゃないよ――」
裕太は慌てて、周平の手を押さえた。
「えーっと、なんか、今この瞬間が気持ち良かったって言うか……この場所の雰囲気にあってるって言うか……なんか、そういう感じで……だから別に、欲しいとか、手に入れたいとか、そういう意味じゃないんだよ」
自分の気持ちを何とか説明しようと、必死で言葉を探す裕太に、周平は呆れたような、諦めたような、微妙な表情でため息を付いた。
「……普通の高校生なら、服とか、音楽とか、ゲームとか、そういうものに、夢中になって、あれこれ欲しがるものだろうに……どうしてお前は何も欲しがらないんだ」
「だって俺、そういうの興味ないんだもん、しょうがないじゃんか」
周平の言葉に、裕太はぷーっと頬を膨らませた。
実際、今日着ている服も、靴も、全て周平が見立てたものだったが、ファッションに全くこだわりのない裕太は、それで十分満足だった。
「あー、わかったよ、裕太。そんな顔するな」
周平はテーブルから身を乗り出して、すねてしまった裕太の頭をぐりぐりと撫でた。
「別に責めてる訳じゃない……ただ、お前は、本当に昔と変わらないなって、そう思っただけだよ」
そう言って周平は、懐かしい思い出に浸るように、目を細めて笑った。
「ほら、スコーン、兄ちゃんの分も、食べて良いから」
つっと差し出された、たっぷりのジャムとクロテッドクリームが乗った焼きたてのスコーンに、裕太の機嫌はたちまち直った。
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