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BL版権物の二次創作ブログです。現在『メイド*はじめました』で活動中です。
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自己紹介

  名前:うさこ
  萌属性:血縁、年の差、アホ子受、ワンコ攻
  好き:甘々、主人公総受け
  嫌い:イタい子
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「藍川君、この間撮った君の新作、大好評だよ。もう、次はまだかなんて、催促されるぐらいなんだ。藍川君も嬉しいだろ、自分みたいなゴミがそれほど期待されてるなんてさ」
焦点の合わない虚ろな目を熱に潤ませて床に就いている藍川君の髪を撫でながら、僕は優しく語り掛けた。
「あの撮影はちょっと大変だったね。終わったとき息をしてなかったから、少しびっくりしたよ」
彼はあまり体が丈夫じゃないみたいで、一本撮るごとに一週間以上寝込むから、その度に僕は彼が死んでしまうんじゃないかとちょっと心配になる。
「駄目だよ勝手に死んじゃ、君は僕が殺すと決めてあるんだからね」
あれから三ヶ月。藍川君主演の大人気シリーズもこれで三本目になる。
一ヶ月に一本というペースだけど、彼の体力的にこれぐらいが限界だろう。
「さあ藍川君、早く元気になろうね」
僕は熱に乾いた彼の唇に、水を含ませた脱脂綿をそっと押し当てる。
吸のみだと気管に詰まらせるので、こうやって水を飲ませるのだ。
「分かってるよ、君は底なしの淫乱で狂った変態だから、次の撮影が待ち遠しくて仕方が無いんだろう? でも、この状態でやったら本当に死んでしまうからね。我慢して」
荒い息をつく藍川君の唇から、飲み込みきれなかった水が零れる。
僕はそれを舌でべろりと舐め取った。
「僕も君が回復するまでに次回作のアイデアを練っておくから、君をもっともっと最低のクズに仕立てられるようにね」

「大貴、こんなことを続ければ、何れ何処かから秘密が漏れることになるぞ」
出来たばかりの藍川君の新作を手に部屋を訪ねた僕に、啓寿は大きなため息をついた。
「どうしたの急に。そう言えば近頃自分の周りをうろちょろして、色々嗅ぎ回ってる連中がいるって言ってたね、それで神経質になってるの?」
僕は啓寿のそんな心配には取り合わず、焼き上がったばかりのDVDをデスクトップにセットした。
「俺が神経質なんじゃない、お前が鈍感すぎるんだ。お前の支配下に移った以上、藍川をどう扱おうとお前の勝手だが、その映像を流通させるのは止めろ。釣堀に針を垂らす様なもんだぞ」
啓寿の妙な例えに僕は声を出して笑ってしまった。
「面白い表現だね。でも流通って言ったって、別に町のレンタル屋に並んでいるわけじゃないんだから。ウチの特別な客に、そっと裏で回してるだけだよ」
「最近は海外からも注文が来ると言っていただろ」
「ああ、そうなんだよ。藍川君の容姿って、向こうじゃずいぶんと子供っぽく見えるらしいね。その手の変態にも大うけだよ」
「大貴、分かってると思うが、動いてるのは警察だけじゃないんだ。藍川の兄さんなんか半狂乱になって血眼で捜してるし、学校にだってそういうのがいるんだ。何処で誰の目に触れるとも知れないんだぞ」
普段無表情な啓寿が珍しくも、苦虫を潰したような顔をして、僕にそう警告した。
「心配のしすぎだよ啓寿は。それで、何処かで誰かの目に触れたからってどうだって言うの? 変態趣味で集めた違法ビデオに、行方不明の男の子が出てましたって、その誰かが通報するって言う訳?」
笑ってそう答えた僕に、啓寿は不満げに押し黙ると、机の上にあったファイルから一枚のチラシを取り出して僕に見せた。
「これを見ろ、藍川の家が失踪の情報提供に懸賞金を付けたんだ」
その予想外の展開に、僕は思わず歓声を上げた。
「へえ、懸賞金かあ! なるほどなあ、なかなか面白いことを考えるもんだね」
「感心している場合か、お前が相手にしている変態共の中に、金に目が眩んで通報するヤツが出ないとも限らないんだぞ」
僕は啓寿の手からそのチラシを取ると、内容にざっと目を通した。
「さあて、それはどうかなあ。こう見えても僕はちゃんと売る相手を選んでるからね、客筋は良んだよ。こんな端金でウチを売るような連中は相手にしてない」
「だから、お前が相手にしなくても一旦外に出れば、どんなルートを通るか予想出ないだろうと言っているんだ」
まだ不満そうな様子の啓寿を無視して、僕は画面の中でのた打ち回っている藍川君に目線をやった。
「大丈夫だってば、いざとなったらバラして犬にでも食べさせればいいんだから。そうすれば骨も残らない。取り越し苦労だってば」
「……」
僕の返答をどう受け止めたのか、啓寿はようやく沈黙した。
「ほら、啓寿もみなよ、面白いよ。そういえば、社会的地位が高い人間ほどこういう変態物好きが多いんだ、不思議だね」
ソファにゆったりと腰掛け、供された紅茶を楽しみながら僕は藍川君の狂乱を堪能する。
「あ、そう言えば外国からの注文はキリスト教圏ばかりだな。やっぱり、普段抑圧の多い生活をしてるとこういうので発散したくなるのかな、ちょっと研究してみようか」
そんな僕の態度に、啓寿は諦めた様に深く息をつくと、僕の隣にどっかりと腰を掛けた。
「大貴、何度も言うが、俺はお前の破滅嗜好に付き合うつもりは無い。巻き込まれるのはゴメンだからな」
断末魔の叫びにも似た声で『殺して』と悲鳴を上げる藍川君にうっとりしながら、僕は呟いた。
「大丈夫だよ、僕の地獄への道連れは藍川君一人と、もう決めているんだから」
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