忍者ブログ
BL版権物の二次創作ブログです。現在『メイド*はじめました』で活動中です。
03≪ 2024.04|123456789101112131415161718192021222324252627282930 ≫05
自己紹介

  名前:うさこ
  萌属性:血縁、年の差、アホ子受、ワンコ攻
  好き:甘々、主人公総受け
  嫌い:イタい子
  イチオシ:安元洋貴ボイズ

  サイトバナー:リンクフリーです
↓ご自由にお使いください


↑姉妹サイトです(全年齢)

  メールフォーム
リンク

VividColor +メイド*はじめました+


PIL/SLASH +コイビト遊戯+


Spray ピヨたん


Wing Search
最新コメント
[04/05 khh]
[11/08 スガイ]
[02/05 晶 旭]
[01/02 佐倉。]
[12/28 これから買います]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「裕太、それじゃ何も出来ない」
耳元で兄ちゃんがクスッと笑った。
オレがあんまりぎゅうぎゅうしがみ付いてるのが、おかしかったらしい。
「裕太?」
もう一度甘い声で呼ばれたけど、オレは兄ちゃんのシャツに顔を埋めたまま、聞こえない振りをした。
今自分がどんな顔をしてるのか全然想像できなくて、それを兄ちゃんに見られるのが凄く恥ずかしかったから。
兄ちゃんはしばらくオレの返事を待っていたけど、いつまでも答えなでいると、そっとつむじにキスをした。
「いいよ、じゃあそうしておいで」

オレの背中を包んでいた温もりが滑って、背骨の付け根で止まった。
指先が下着のふちをゆっくりと潜って、尾てい骨の上を軽く押した。
「裕太の体は細いのに、どうしてこんなに柔らかいんだろうな」
兄ちゃんがほっと溜め息をつくようにしていった。
オレは何だか、ものすごく恥ずかしいことを言われた気がして、かぁっと頬が熱くなった。
「そんなのっ、オレが知るわけないよ」
「そうか、裕太も知らないのか」
兄ちゃんは笑った。
笑いながらオレのズボンと下着を一緒にずり下げて、むにっとお尻を握った。
「ひゃっ!」
「気持ちよくて、ずっとこうして触ってたくなる」
兄ちゃんはそう言いながらオレの体の柔らかい部分を、もにもにと揉んだ。
胸とか、わき腹とか、ももの裏側とか、皮膚の薄い部分ばかりを狙われて、オレはたまらず声を上げた。
「あっ、ちょ……兄ちゃん――――」
止めて、と喉まで出かかった言葉を、オレは何とか飲み込んだ。
嫌だとか、止めてとか言えば、兄ちゃんは本当に止めてしまうだろうと思ったから。
「く……くすぐったいよっ」
オレはかろうじてそういった。
「裕太は、兄ちゃんにくすぐられるの、好きだったろう?」
「そっ――――」
そうだけど、そうだけど、こんなのとは違う――――ってオレは抗議しようとした。
ふざけてくすぐりっこするのは子供がよくやる遊びで、そうやってじゃれついたオレを、兄ちゃんだって変な触り方なんかしなかったって、言おうとした。
言おうとしたけど、そのときオレの中で何か、はっと心付くものがあった。
「兄ちゃんは――――いつから、オレが好きだったの…………?」
オレは思わず兄ちゃんから体を離してそう聞いた。
肩先がトンと壁にあたって、その状態で背の高い兄ちゃんを見上げると、なんだか自分が追い詰められているような気分になった。
「俺が…………怖いか、裕太」
兄ちゃんの声は、すごく静かだった。
逆光で見下ろしてくる兄ちゃんの顔には深い影が射して、ひどく傷ついているように見えた。
「怖くない、怖くないよ…………」
オレは馬鹿な質問をしたことを後悔した。
ごめんなさい、と謝る代わりにオレはもう一度兄ちゃんにしがみついた。
「オレ、兄ちゃん好きだから、全然、なんにも怖くない」
*
「裕太……辛くないか……?」
兄ちゃんに掠れた声でささやかれて、オレはんっと息を詰めた。
唇を噛んでないと、変な声が出そうだった。
「無理するな、裕太」
「っぁ……へ、いき……」
体を起こしかけた兄ちゃんの腕をオレは下から掴んだ。
後ろからの方が楽だって言った兄ちゃんに、前からしてって無理に頼んだのはオレだった。
腰を高く抱え上げられたから、胸が圧迫されて苦しかったけど、二人の体が、まるで最初から一つだったみたいに、ぴったりとくっついて、なんだかすごく幸せだった。
「ぁ……にいちゃんっ……大好き……」
オレはたまらずそういった。
ちょっとだけ声が震えてたかもしれないけど、でもそれは怖かったからじゃない。
入ってるところは、まだ少しだけ痛かったけど、でも怖くはなかった。
それが兄ちゃんだと思えば、本当に全然怖くなかった。
だって、兄ちゃんがオレを傷つけたりするはずないって知ってるから。
「裕太……愛してる」
生理的に滲んだ涙を兄ちゃんの唇が吸い取った。
「お前が生まれた瞬間から……お前以外を、愛したことはない」
「ぁん…………」
それはものすごい告白だったけど、オレはもうちゃんと答えられなかった。
オレも、ずっと、ずっと……生まれたときから好きだったよ、と思いを込めて、兄ちゃんの肩にきゅっと噛み付いた。
*
――――そうしてオレは次の日、学校を休んだ。
PR
この記事にコメントする
NAME:
TITLE:
MAIL:
URL:
COMMENT:
PASS: Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
TRACKBACK URL :
ブログ内検索
注意事項
必ず最初にお読みください
  成人を対象とした作品の二次創作物を含みます。
  作中登場する組織名、人物名等は創作であり、実在のものとはいっさい関係ありません。
  オンラインのみで活動中です。オフラインで活動する予定はありません。
商品紹介

メイド*はじめました・しおり
  約束の場所[翡翠×琥珀]1/2/3/4/5/6/7/8/
コイビト遊戯・しおり-短編・他-
  感想
  キャラクター考察1/2/3/4(了)
  短編
  心のアルバム[オムニバス]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9
  [周平×裕太]1/2/3/4/5/6/
  [諒×裕太]1/
  [大貴×裕太]1/2/
コイビト遊戯・しおり-長編-
  長編
  一人墜落[大貴×裕太]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
  蛇の林檎[周平×裕太]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
  クリスマスの箱舟[周平×裕太]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
  深呼吸[周平×裕太]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
  ピーピング・トム[周平×裕太+諒]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
  日々是好日[周平×裕太]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
  災いの黒幕[周平×裕太]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
  ワガママ[周平×裕太]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
  プロメテウスの[周平×裕太]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
  携帯と夏休み[周平×裕太]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
  依存症[周平×裕太]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
PCゲーム・しおり
  「マギア・ミスティカ」プレイ感想1/2/3/4/5/6
  「Daylight」プレイ感想1/2/3/4
  「クレプシドラ」プレイ感想1/2/3/
バーコード
Copyright © BL二次創作ブログ -ののの- (18歳未満閲覧禁止)。。All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog / Template by Ninja☆BT
忍者ブログ [PR]