BL版権物の二次創作ブログです。現在『メイド*はじめました』で活動中です。
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2008/02/10 (Sun)
休日明けの月曜日。
和やかに挨拶を交わすクラスメイトの輪に、例のごとくニヤニヤと性質の悪い笑みを浮かべた滝沢が割り込んできた。
「よお、藍川。お前、昨日池袋の天国屋の前、兄貴と手ェ繋いで歩いてただろ」
「え? あ、うん、ウチ目白だし、兄ちゃん天国屋の本社で働いてるから、オレ池袋しょっちゅう居るよ?」
だからどうしたのと、滝沢の質問の意図がわからず裕太は首をかしげた。
隣でそれを聞いていた諒の額に、ぴしっと音がしそうなほどくっきりと青筋が浮く。
「裕太、お前…………」
「な、何? 諒?」
地の底から響いてくるような声に、裕太は思わずびくりと肩をすくめた。
おそるおそる諒を振り返ろうとした裕太の肩を、滝沢がくっと掴んで引き止めた。
「兄貴が天国屋本社? 百貨店勤務って、天国屋のことかよ…………じゃあお前、ひょっとしてアレか、「藍川」ってあの、天国屋グループの「藍川」か、オーナー一族の」
裕太を問い詰めるように、滝沢が額を近づけた。
「うえ? 「あの藍川」とかって言われても、俺良く分んないけど、一応、じいちゃんが今、天国屋のオーナーやってる……よ?」
そういうことが聞きたいのなら、といつになく真剣な様子の滝沢に、裕太はどぎまぎしながら答えた。
和やかに挨拶を交わすクラスメイトの輪に、例のごとくニヤニヤと性質の悪い笑みを浮かべた滝沢が割り込んできた。
「よお、藍川。お前、昨日池袋の天国屋の前、兄貴と手ェ繋いで歩いてただろ」
「え? あ、うん、ウチ目白だし、兄ちゃん天国屋の本社で働いてるから、オレ池袋しょっちゅう居るよ?」
だからどうしたのと、滝沢の質問の意図がわからず裕太は首をかしげた。
隣でそれを聞いていた諒の額に、ぴしっと音がしそうなほどくっきりと青筋が浮く。
「裕太、お前…………」
「な、何? 諒?」
地の底から響いてくるような声に、裕太は思わずびくりと肩をすくめた。
おそるおそる諒を振り返ろうとした裕太の肩を、滝沢がくっと掴んで引き止めた。
「兄貴が天国屋本社? 百貨店勤務って、天国屋のことかよ…………じゃあお前、ひょっとしてアレか、「藍川」ってあの、天国屋グループの「藍川」か、オーナー一族の」
裕太を問い詰めるように、滝沢が額を近づけた。
「うえ? 「あの藍川」とかって言われても、俺良く分んないけど、一応、じいちゃんが今、天国屋のオーナーやってる……よ?」
そういうことが聞きたいのなら、といつになく真剣な様子の滝沢に、裕太はどぎまぎしながら答えた。
「ふっざけんなよっ!」
滝沢は吐き捨てるようにいった。
トヨタ自動車の豊田家、松下電器の松下家、天国屋百貨店の藍川家……多少世間を知っている者なら、知らぬはずがない名前だった。
滝沢は自分の間抜けさを呪って、同時に、それを隠していた裕太にもまた怒りを覚えた。
「弁当分けてくれ」「飯おごってくれ」と、自分にまとわりついていたのはなんだったのかと、裕太に裏切られたような気持ちがしたのだ。
「お前、どういうつもりなんだよっ!」
ドンと机を叩いた滝沢のこぶしに、裕太はぽかんと口をあけた。
乱暴な振る舞いに驚いたのではなく、ただ意味が分らないという顔だった。
「なに? 滝沢、なんで怒ってんの?」
「なんでじゃねえよ。お前、めちゃくちゃ金持ちなんだろっ、だったらそれらしくしろよ、人に飯なんかたかってんじゃねえよ」
滝沢は受けた衝撃を怒りに変換して、裕太にぶつけた。
「金持ちって……それは、じいちゃんはそうなんだろうけど、俺は別に……」
「何言ってんだよ、天国屋っていったら、ガチガチの同族経営で有名じゃねえか」
「ど……どう、ぞく? 何、それ、どういう意味?」
眉を寄せた裕太に、諒が横から口を出した。
「同族経営って言うのは、つまり会社の株を家族で持ち合ってるってことだよ」
「株を、持ち合う?」
「そう、俺も経済のことはあんまり詳しくないけど、天国屋は、裕太のお祖父さんがオーナーやってるんだろ?」
「そうだけど……あれ、でも良く考えたら、オーナーってなんだろ……じいちゃんって、何の仕事してるのかな……?」
うーんと、首をひねった裕太に、滝沢がははっと、乾いた笑い声を上げた。
「お前、マジで、馬鹿なんだな」
滝沢は、いっそ感心たように大きく頷いた。
裕太はむっとした顔になり、何か反論しようと口を開きかけた。
だが、結局それに続く言葉が見つからなかったようだ。
悔しそうに唇を噛むと、俯いて黙り込んでしまった。
滝沢は吐き捨てるようにいった。
トヨタ自動車の豊田家、松下電器の松下家、天国屋百貨店の藍川家……多少世間を知っている者なら、知らぬはずがない名前だった。
滝沢は自分の間抜けさを呪って、同時に、それを隠していた裕太にもまた怒りを覚えた。
「弁当分けてくれ」「飯おごってくれ」と、自分にまとわりついていたのはなんだったのかと、裕太に裏切られたような気持ちがしたのだ。
「お前、どういうつもりなんだよっ!」
ドンと机を叩いた滝沢のこぶしに、裕太はぽかんと口をあけた。
乱暴な振る舞いに驚いたのではなく、ただ意味が分らないという顔だった。
「なに? 滝沢、なんで怒ってんの?」
「なんでじゃねえよ。お前、めちゃくちゃ金持ちなんだろっ、だったらそれらしくしろよ、人に飯なんかたかってんじゃねえよ」
滝沢は受けた衝撃を怒りに変換して、裕太にぶつけた。
「金持ちって……それは、じいちゃんはそうなんだろうけど、俺は別に……」
「何言ってんだよ、天国屋っていったら、ガチガチの同族経営で有名じゃねえか」
「ど……どう、ぞく? 何、それ、どういう意味?」
眉を寄せた裕太に、諒が横から口を出した。
「同族経営って言うのは、つまり会社の株を家族で持ち合ってるってことだよ」
「株を、持ち合う?」
「そう、俺も経済のことはあんまり詳しくないけど、天国屋は、裕太のお祖父さんがオーナーやってるんだろ?」
「そうだけど……あれ、でも良く考えたら、オーナーってなんだろ……じいちゃんって、何の仕事してるのかな……?」
うーんと、首をひねった裕太に、滝沢がははっと、乾いた笑い声を上げた。
「お前、マジで、馬鹿なんだな」
滝沢は、いっそ感心たように大きく頷いた。
裕太はむっとした顔になり、何か反論しようと口を開きかけた。
だが、結局それに続く言葉が見つからなかったようだ。
悔しそうに唇を噛むと、俯いて黙り込んでしまった。
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