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BL版権物の二次創作ブログです。現在『メイド*はじめました』で活動中です。
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自己紹介

  名前:うさこ
  萌属性:血縁、年の差、アホ子受、ワンコ攻
  好き:甘々、主人公総受け
  嫌い:イタい子
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syuuhei_and_yuuta_03.gif周平17才 裕太6才
自室にて

裕太は小さい頃から体が弱くて、ちょっと無理をしたり、ストレスが溜まったりすると、すぐに熱を出して寝込んでしまう、それは手のかかる子供だった。
だから、周りに居る大人は常に裕太を気にかけたし、裕太にとっても、そうやってあれこれと世話を焼かれるのは、ごく自然なことだったのだろうと思う。
*
例えば、普通の子供は二、三歳の頃、第一次反抗期……いわゆる「イヤイヤの時期」を迎えるはずなのに、裕太にはそれすらなくって、「反抗期は子供の正常な発達段階」なんて育児書を真に受けた母親は、逆にどこかおかしいんじゃないかと心配して、裕太を医者に連れて行ったぐらいだ。
もちろん医者は「子供の発達には個人差がある、性格だろうから気にする必要はない」という、至極真っ当な診断を下して、母親を落ち着かせたけど。
*
とにかく、一事が万事そんな具合で、裕太の体質と性格、そして、それを許す周囲の環境のおかげで、裕太は筋金入りの甘えん坊に育った。
もちろん裕太を誰よりも甘やかしていたのは、他ならぬこの俺だったわけだが……。
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諒5才 裕太5才
自宅にて

俺と裕太は赤ちゃんの時から、ずっと一緒だった。
家は隣同士だったし、学校だって幼稚園からずっと一緒で……まあ、いわゆる「幼馴染」というやつだ。
幼稚園の頃なんか、裕太は何かに夢中になると、すぐに周りが見えなくなって、道路に飛び出したり、知らない人に付いていったりする、注意力散漫な子供だったから、毎日俺がしっかり手を繋いでやってたんだから。
もちろん、園の行き返りは親が一緒だったけど、藍川のおばさんは、裕太と同じでどこかぼんやりしたところがあるから、子供心に「これは、任せておけないぞ」なんて、生意気なことを考えて、張り切っていたんだと思う。
syuuhei_and_yuuta_02.gifこのお話は、周平ベストエンド「永遠の月夜」後、を想定して書きました。
お話のオープニングは周平の人生を変えた、運命の一日。
そうです、あの「裕太公園置き去り事件(←勝手に命名w)」から始まります。
この出来事は、ゲーム中でも大変重要な位置付けとして語られていますから、周平好きなら、きっと一度は妄想したことがあると思いますw (・∀・)人(・∀・)ナカーマ
「……兄ちゃん。俺、変じゃなかった?」
風呂上りの裕太の髪を乾かしていた周平は、その不安げな声の調子に、おや、と手を止めた。
裕太は額に当たるドライヤーの風に目を瞑ったまま、周平にもう一度尋ねた。
「ねえ、ちゃんと普通に見えたかな?」
周平はドライヤーを切ると、手櫛で軽く裕太の髪を整え、最後の仕上げに、つむじへと唇を落とした。
「裕太は、何がそんなに心配なんだ?」
直接頭に吹き込むように、低く囁かれた言葉に、裕太は首をすくめた。
「あ、だって……こんなの、ホントはいけないこと、でしょ……?」
おびえた様子の裕太とは対照的に、周平は至って上機嫌だった。
「そうか、いけないのか」
おかしそうに笑った周平の唇が、つむじから、首筋へ、首筋から、耳の裏へと移動してゆくのを感じて、裕太は動揺した。
「だ、だって、そうでしょ……もし、こんなこと、母さんに知られたら……」
裕太のそんな動揺までも楽しみながら、周平は口付けを続けた。
「知られたら?」
周平の吐息が唇に届きそうになった瞬間、それまで大人しくされるがままになっていた裕太が、はっと体をひねって腕から逃れた。
仕事を終えて自宅マンションへ戻った周平を迎えたのは、裕太の楽しげな笑い声と、母親の心尽くしの手料理だった。
周平は、それを見た瞬間、裕太と二人だけで過ごすはずだった夜を、母親によって、完全に奪われてしまったことを悟った。
「おかえり! 兄ちゃん」
裕太がそう言って、周平を最高の笑顔で迎えても、それが自分のもたらしたものでないと思うと、周平の心はジリジリと焼けた。
いっそ、母親の目の前で裕太を抱きしめ、口付けてしまおうか。
そんな破滅的な衝動が周平を襲ったが、ぎっと奥歯をかみ締めて、自分を制御した。
(あのときから、自分は少しも変わっていないじゃないか)
こういうとき周平は、血を吐く思いで幼い裕太を探し回った、あの晩夏を思い出すことにしている。
そうすれば、自分の感情によって裕太を傷つける愚かさを、何度でも再確認することが出来た。
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