BL版権物の二次創作ブログです。現在『メイド*はじめました』で活動中です。
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名前:うさこ
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好き:甘々、主人公総受け
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2007/12/09 (Sun)
俺と裕太は赤ちゃんの時から、ずっと一緒だった。
家は隣同士だったし、学校だって幼稚園からずっと一緒で……まあ、いわゆる「幼馴染」というやつだ。
幼稚園の頃なんか、裕太は何かに夢中になると、すぐに周りが見えなくなって、道路に飛び出したり、知らない人に付いていったりする、注意力散漫な子供だったから、毎日俺がしっかり手を繋いでやってたんだから。
もちろん、園の行き返りは親が一緒だったけど、藍川のおばさんは、裕太と同じでどこかぼんやりしたところがあるから、子供心に「これは、任せておけないぞ」なんて、生意気なことを考えて、張り切っていたんだと思う。
家は隣同士だったし、学校だって幼稚園からずっと一緒で……まあ、いわゆる「幼馴染」というやつだ。
幼稚園の頃なんか、裕太は何かに夢中になると、すぐに周りが見えなくなって、道路に飛び出したり、知らない人に付いていったりする、注意力散漫な子供だったから、毎日俺がしっかり手を繋いでやってたんだから。
もちろん、園の行き返りは親が一緒だったけど、藍川のおばさんは、裕太と同じでどこかぼんやりしたところがあるから、子供心に「これは、任せておけないぞ」なんて、生意気なことを考えて、張り切っていたんだと思う。
とにかく、俺たちは本当の兄弟みたいに仲が良くて、幼稚園から帰った後だって、ずっと二人で遊んでたんだ。
とは言っても、裕太はちょっとしたことですぐに熱を出す虚弱体質だったから、あんまり外で元気に駆け回るって訳には行かなかったけど……。
でも、別に俺はそれが不満だなんて思ったことはなかった。
裕太を置いて、別の友達と外で遊んでこようなんて考えもしなかった。
だって、俺たちには二人でやる、大好きな遊びがあったから。
*
それは絵本を一行ずつ交互に読んでいく遊びで、俺たちは「読み合いっこする」という意味で「よみっこ」と呼んでいたんだけど……本当は何と言うのかな、それともそんな遊びは存在しないのかな。
まあ、とにかくその「よみっこ」は俺たちの、お気に入りの遊びだった。
もちろんそれは、俺と裕太が絵本が好きだった、という単純な理由もあるけど、本当のところ、俺たちが一番面白いと思っていたのは、そういう点じゃなかった。
俺たちにとって一番面白かったのは、読めない字があったり、良く分からない文章があったりしたら、そのページの絵を見て、自分たちで自由に話を作っていいという、勝手なルールを決めてたことだったんだ。
*
俺は当時、既に習字を習い始めてたこともあって、数字、ひらがな、カタカナはもちろん、簡単な漢字ぐらいはもう読めたし、書けたんだけど、裕太はそうじゃなかった。
早生まれと言うこともあったんだろうし、体が弱くて発達が遅かったのもあるんだろうけど……とにかく、裕太は小学校に上がるまで、ほとんど読み書きが出来なかった。
だけど、俺たちが決めた例の「勝手なルール」があったから、それでもちっとも困らなかったんだ。
逆に俺なんか、わざと読めない振りをして、めちゃくちゃな話を作って、裕太を笑わせるのを楽しんでたぐらいなんだから。
もちろん、裕太の作る話だって、いつも俺を楽しませてくれたんだけど、裕太にはちょっと困った癖があって……いや、癖と言うのは違うのかな……。
まあ、それは今思い返せば、裕太の性格は昔から変わってないんだなあ、なんて笑い話になるようなエピソードなんだけど、子供の俺はいつもその小さなわがままに、少しだけ困らされていたんだ。
*
「ねーえ、りょう。それから? それから、どうなったの?」
「うーんとね……そうだ『おひめさまは、カエルにたべられてしまいました』」
「え、たべられちゃったの?」
「うん。だって、カエルについていっちゃた、おひめさまがわるいんだもん」
「やだ、りょう。だめだよ、たべないで。おひめさまがかわいそうだよ」
「えー、じゃあ、ゆうたが、つづき、かんがえて」
「いいよ、それじゃあねえ……えっとねえ……あ、わかった!」
「うん。どうなるの、ゆうた?」
「『りょうしがカエルのおなかをきって、おひめさまをたすけました』」
「……あは! あははは、ゆうたったら、それじゃあ『あかずきん』だよ」
「そうだよ。それでね、カエルもごめんなさいして、みんなでなかよくくらすの」
「またー、ゆうたのおはなしは、みんな、それなんだから」
「それでいいんだもん。みんなで、なかよくするのは、いいんだもん」
「ふーん、それじゃあ、つばめのおうじさまは、どうなるの?」
「おうじさまは、おひめさまと、けっこんするの」
「それじゃあ、カエルはどうなるの?」
「カエルと、おうじさまと、おひめさまで、なかよくするの」
「じゃあ、モグラは?」
「モグラと、カエルと、おうじさまと、おひめさまで、なかよくするの」
「もー、そんなのだめだよ」
「どうしてー?」
「だって、そんなの…………あ、いいことかんがえた」
「なあに?」
「カエルとモグラがけっこんして、おうじさまとおひめさまがけっこんすればいいんだ」
「そっか!」
「うん、それでみんな、めでたしめでたし」
「わーい、りょう、ありがとう」
「ゆうたは、ほんとに、みんな、なかよくがすきなんだから」
「うん、だーいすき」
「もう、しょうがないなあ」
とは言っても、裕太はちょっとしたことですぐに熱を出す虚弱体質だったから、あんまり外で元気に駆け回るって訳には行かなかったけど……。
でも、別に俺はそれが不満だなんて思ったことはなかった。
裕太を置いて、別の友達と外で遊んでこようなんて考えもしなかった。
だって、俺たちには二人でやる、大好きな遊びがあったから。
*
それは絵本を一行ずつ交互に読んでいく遊びで、俺たちは「読み合いっこする」という意味で「よみっこ」と呼んでいたんだけど……本当は何と言うのかな、それともそんな遊びは存在しないのかな。
まあ、とにかくその「よみっこ」は俺たちの、お気に入りの遊びだった。
もちろんそれは、俺と裕太が絵本が好きだった、という単純な理由もあるけど、本当のところ、俺たちが一番面白いと思っていたのは、そういう点じゃなかった。
俺たちにとって一番面白かったのは、読めない字があったり、良く分からない文章があったりしたら、そのページの絵を見て、自分たちで自由に話を作っていいという、勝手なルールを決めてたことだったんだ。
*
俺は当時、既に習字を習い始めてたこともあって、数字、ひらがな、カタカナはもちろん、簡単な漢字ぐらいはもう読めたし、書けたんだけど、裕太はそうじゃなかった。
早生まれと言うこともあったんだろうし、体が弱くて発達が遅かったのもあるんだろうけど……とにかく、裕太は小学校に上がるまで、ほとんど読み書きが出来なかった。
だけど、俺たちが決めた例の「勝手なルール」があったから、それでもちっとも困らなかったんだ。
逆に俺なんか、わざと読めない振りをして、めちゃくちゃな話を作って、裕太を笑わせるのを楽しんでたぐらいなんだから。
もちろん、裕太の作る話だって、いつも俺を楽しませてくれたんだけど、裕太にはちょっと困った癖があって……いや、癖と言うのは違うのかな……。
まあ、それは今思い返せば、裕太の性格は昔から変わってないんだなあ、なんて笑い話になるようなエピソードなんだけど、子供の俺はいつもその小さなわがままに、少しだけ困らされていたんだ。
*
「ねーえ、りょう。それから? それから、どうなったの?」
「うーんとね……そうだ『おひめさまは、カエルにたべられてしまいました』」
「え、たべられちゃったの?」
「うん。だって、カエルについていっちゃた、おひめさまがわるいんだもん」
「やだ、りょう。だめだよ、たべないで。おひめさまがかわいそうだよ」
「えー、じゃあ、ゆうたが、つづき、かんがえて」
「いいよ、それじゃあねえ……えっとねえ……あ、わかった!」
「うん。どうなるの、ゆうた?」
「『りょうしがカエルのおなかをきって、おひめさまをたすけました』」
「……あは! あははは、ゆうたったら、それじゃあ『あかずきん』だよ」
「そうだよ。それでね、カエルもごめんなさいして、みんなでなかよくくらすの」
「またー、ゆうたのおはなしは、みんな、それなんだから」
「それでいいんだもん。みんなで、なかよくするのは、いいんだもん」
「ふーん、それじゃあ、つばめのおうじさまは、どうなるの?」
「おうじさまは、おひめさまと、けっこんするの」
「それじゃあ、カエルはどうなるの?」
「カエルと、おうじさまと、おひめさまで、なかよくするの」
「じゃあ、モグラは?」
「モグラと、カエルと、おうじさまと、おひめさまで、なかよくするの」
「もー、そんなのだめだよ」
「どうしてー?」
「だって、そんなの…………あ、いいことかんがえた」
「なあに?」
「カエルとモグラがけっこんして、おうじさまとおひめさまがけっこんすればいいんだ」
「そっか!」
「うん、それでみんな、めでたしめでたし」
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「もう、しょうがないなあ」
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