BL版権物の二次創作ブログです。現在『メイド*はじめました』で活動中です。
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名前:うさこ
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好き:甘々、主人公総受け
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2008/05/15 (Thu)
「兄ちゃんが、いいって言ったら、オレ行くから――――ちょっとだけ、待ってください!」
本気で周平に連絡しようと携帯を開いた裕太の手を、男が押さえた。
「おぉっと、それだけは勘弁してよ、裕太君」
「え、なんで……あの、大丈夫です。兄ちゃん仕事中でも、オレからの着信は絶対取るから、すぐに……」
「いや、いや、いや、いや――だから、それがまずいんだって。あいつ、裕太君の事になると、ホント、頭おかしいから。こんなことバレたら、何されるかわからない」
降参するように軽く両手を広げた男を、裕太は驚いて見上げた。
「え? 兄ちゃん、知ってるんですか」
「そりゃー知ってるさ、同級生なんだから…………って、裕太くん。ひょっとして、まだ、俺が誰か分かってないの?」
じっと顔を覗きこまれた裕太は、子犬のような上目使いで、こくんと頷いた。
「えぇ!! ひっどいなー、それ! 裕太君って、意外と薄情なんだ。あんなに可愛がってあげた、おニイさんを忘れちゃうなんて、あぁ、もうがっかりだなぁ!」
大げさな仕草で額に手をあてた男に、裕太はびくっと肩を縮こませた。
「ご、ご、ごめんなさい……」
「なーんて――――――、うっそ」
「え……」
「カワイイ裕太君に忘れられてて、寂しかったから、ちょっとからかっただけ」
ぽかんと口をあけた裕太に、男はふざけた調子で方目をつぶった。
本気で周平に連絡しようと携帯を開いた裕太の手を、男が押さえた。
「おぉっと、それだけは勘弁してよ、裕太君」
「え、なんで……あの、大丈夫です。兄ちゃん仕事中でも、オレからの着信は絶対取るから、すぐに……」
「いや、いや、いや、いや――だから、それがまずいんだって。あいつ、裕太君の事になると、ホント、頭おかしいから。こんなことバレたら、何されるかわからない」
降参するように軽く両手を広げた男を、裕太は驚いて見上げた。
「え? 兄ちゃん、知ってるんですか」
「そりゃー知ってるさ、同級生なんだから…………って、裕太くん。ひょっとして、まだ、俺が誰か分かってないの?」
じっと顔を覗きこまれた裕太は、子犬のような上目使いで、こくんと頷いた。
「えぇ!! ひっどいなー、それ! 裕太君って、意外と薄情なんだ。あんなに可愛がってあげた、おニイさんを忘れちゃうなんて、あぁ、もうがっかりだなぁ!」
大げさな仕草で額に手をあてた男に、裕太はびくっと肩を縮こませた。
「ご、ご、ごめんなさい……」
「なーんて――――――、うっそ」
「え……」
「カワイイ裕太君に忘れられてて、寂しかったから、ちょっとからかっただけ」
ぽかんと口をあけた裕太に、男はふざけた調子で方目をつぶった。
「………………」
「あ! ちょっと、待ってよ! ごめん、ごめん、悪かった!」
くるりと踵を返して歩き出した裕太の背中に、男が張り付いた。
「ね、ね? 謝るからさ、今から何処行くの? 一緒に行ってあげる」
「一人で行けます」
「そんな冷たいこと言わないでよ、ね? 何処行くの?」
「……兄ちゃんのとこ」
「へ?」
「オレ、兄ちゃんのところに、行くんです!」
頭のうえから覆いかぶさるようにして話しかけてきた男は、その一言でぴたりと動きを止めた。
「え、なに……あいつ、東京(こっち)帰ってきてるの?」
「そっ、そうです」
「どこ? あそこ?」
くいっと背後にそびえる扇形のビル――天国屋池袋店を肩越しに指さされ、裕太は首を振った。
「違います、あっち……本社……」
「へぇー、本社?! 部署は? 事業部? 販促かな?」
「営業企画……」
「まだ営業やらされてんのか……肩書きは? 課長? 係長?」
「……主任」
「主任?! なんだ……、天国屋は身内にも厳しいな……」
矢継ぎ早に繰り出される質問に困惑気味の裕太をよそに、男は感心したように頷いた。
「いや……やっぱり、天国屋ぐらい大きくなると、身内こそ厳しくしないと持たないんだろうな……ウチも見習わないとなぁ」
「あの……」
「うん?」
「オレ、ホントに行きますから、兄ちゃんとこ」
だからもう付いて来ないで、という意志を込めた裕太の言葉に、男は白い歯をにっとむき出しにして笑った。
「いいよ、行こう」
「えぇ?!」
「俺も久しぶりに、周平に会いたくなった」
「で、でも……」
「天国屋の本社でいいんだろ」
「ちょ、ちょっと……」
「近いし、歩いていこう。車は後で取りに来ればいいから」
「あの…………」
「よし、じゃ行こうか」
気勢を上げて歩き出した男にがっちりと手を握られ、裕太はとうとう、抵抗を諦めた。
「あ! ちょっと、待ってよ! ごめん、ごめん、悪かった!」
くるりと踵を返して歩き出した裕太の背中に、男が張り付いた。
「ね、ね? 謝るからさ、今から何処行くの? 一緒に行ってあげる」
「一人で行けます」
「そんな冷たいこと言わないでよ、ね? 何処行くの?」
「……兄ちゃんのとこ」
「へ?」
「オレ、兄ちゃんのところに、行くんです!」
頭のうえから覆いかぶさるようにして話しかけてきた男は、その一言でぴたりと動きを止めた。
「え、なに……あいつ、東京(こっち)帰ってきてるの?」
「そっ、そうです」
「どこ? あそこ?」
くいっと背後にそびえる扇形のビル――天国屋池袋店を肩越しに指さされ、裕太は首を振った。
「違います、あっち……本社……」
「へぇー、本社?! 部署は? 事業部? 販促かな?」
「営業企画……」
「まだ営業やらされてんのか……肩書きは? 課長? 係長?」
「……主任」
「主任?! なんだ……、天国屋は身内にも厳しいな……」
矢継ぎ早に繰り出される質問に困惑気味の裕太をよそに、男は感心したように頷いた。
「いや……やっぱり、天国屋ぐらい大きくなると、身内こそ厳しくしないと持たないんだろうな……ウチも見習わないとなぁ」
「あの……」
「うん?」
「オレ、ホントに行きますから、兄ちゃんとこ」
だからもう付いて来ないで、という意志を込めた裕太の言葉に、男は白い歯をにっとむき出しにして笑った。
「いいよ、行こう」
「えぇ?!」
「俺も久しぶりに、周平に会いたくなった」
「で、でも……」
「天国屋の本社でいいんだろ」
「ちょ、ちょっと……」
「近いし、歩いていこう。車は後で取りに来ればいいから」
「あの…………」
「よし、じゃ行こうか」
気勢を上げて歩き出した男にがっちりと手を握られ、裕太はとうとう、抵抗を諦めた。
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