BL版権物の二次創作ブログです。現在『メイド*はじめました』で活動中です。
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名前:うさこ
萌属性:血縁、年の差、アホ子受、ワンコ攻
好き:甘々、主人公総受け
嫌い:イタい子
イチオシ:安元洋貴ボイズ
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2008/03/31 (Mon)
「裕太、もういいよ」
兄ちゃんに言われて、オレは目を開けた。
カーテンが閉められ、蛍光灯の眩しい光に照らされた室内からは、さっきのおどろおどろしい雰囲気が嘘みたいに消えていた。
「ありがと、兄ちゃん」
オレはほっとして笑った。
こういうとき兄ちゃんは、何にも聞かずにオレの気持ちを分ってくれる。
目を閉じておいで、と手のひらでさっとまぶたを撫でられたとき、一人じゃないってやっぱりいいな、とオレは改めて思った。
端から見たら、本当に小さくて、くだらないことなんだろうけど、兄ちゃんはそれを馬鹿にしたりしない。
いつも、オレを大切にしてくれる。
「兄ちゃん、大好き……」
無意識のうちに、ぽろりと口から出た言葉に、オレは自分で赤面した。
「あ……あの――――」
「ありがとう、裕太」
何て言って誤魔化そうかと、しどろもどろになっていると、兄ちゃんはふっと笑った。
「兄ちゃんも、裕太が大好きだよ」
その言いかたが、つんとオレの心臓を突っついた。
オレは決して感のいいほうじゃない。
自分で言うのもなんだけど、鈍いし、ぼんやりしてるから、諒や兄ちゃんみたいに、声のトーンや表情の変化から相手の心理を読み取るなんて、そういう繊細ことは本当に苦手なんだ。
でもどうしてだろう。
何故だかわからないけど、このときオレは兄ちゃんの気持ちがわかった。
兄ちゃんが何をしたいと思ってるのか、はっきりとわかった。
だからオレは兄ちゃんの目を見て、小さく……でも、しっかりと頷いた。
「いいよ」
兄ちゃんに言われて、オレは目を開けた。
カーテンが閉められ、蛍光灯の眩しい光に照らされた室内からは、さっきのおどろおどろしい雰囲気が嘘みたいに消えていた。
「ありがと、兄ちゃん」
オレはほっとして笑った。
こういうとき兄ちゃんは、何にも聞かずにオレの気持ちを分ってくれる。
目を閉じておいで、と手のひらでさっとまぶたを撫でられたとき、一人じゃないってやっぱりいいな、とオレは改めて思った。
端から見たら、本当に小さくて、くだらないことなんだろうけど、兄ちゃんはそれを馬鹿にしたりしない。
いつも、オレを大切にしてくれる。
「兄ちゃん、大好き……」
無意識のうちに、ぽろりと口から出た言葉に、オレは自分で赤面した。
「あ……あの――――」
「ありがとう、裕太」
何て言って誤魔化そうかと、しどろもどろになっていると、兄ちゃんはふっと笑った。
「兄ちゃんも、裕太が大好きだよ」
その言いかたが、つんとオレの心臓を突っついた。
オレは決して感のいいほうじゃない。
自分で言うのもなんだけど、鈍いし、ぼんやりしてるから、諒や兄ちゃんみたいに、声のトーンや表情の変化から相手の心理を読み取るなんて、そういう繊細ことは本当に苦手なんだ。
でもどうしてだろう。
何故だかわからないけど、このときオレは兄ちゃんの気持ちがわかった。
兄ちゃんが何をしたいと思ってるのか、はっきりとわかった。
だからオレは兄ちゃんの目を見て、小さく……でも、しっかりと頷いた。
「いいよ」
「え?」
「して、いいよ」
オレはそう言うと、戸惑った表情のまま動かない兄ちゃんに、自分から近付いた。
「駄目だよ裕太、お前がそんな事言ったら」
「なんで――――兄ちゃんしたいんでしょ?」
たじろいだように一歩下がった兄ちゃんに、オレは非難の視線を向けた。
「そういうことを言ってるんじゃない……お前、今日学校で倒れたんだぞ、覚えてないのか」
「そう……だったかな……? そうだったかも……でも、そんなの今どうでもいいよ」
オレは子供が抱っこをせがむように、兄ちゃんに向かって手を伸ばした。
こうすれば、兄ちゃんはいつでもオレを「ぎゅっ」としてくるはずだったから。
でも、このときだけは兄ちゃんはそうしなかった。
兄ちゃんはオレの指先をやんわりと掴むと、静かに下におろした。
「どうでもよくはない……俺が、お前のことも考えずに無理させたから、今日みたいなことになったんだ」
「え……なっ、何言ってるの、そんなわけないじゃんっ」
全然違う、と力いっぱい否定したけど、兄ちゃんは頑固だった。
「いや、お前のことは、俺が一番良く分ってる……お前自身よりも、良く分ってる。だから今日はちゃんと体を休ませ――――」
「ヤだ!」
優しく肩を撫でた兄ちゃんの腕を振り払って、俺は叫んだ。
「裕太――」
絶句して立ち尽くす兄ちゃんの目の前で、オレは見せ付けるようにパジャマを脱いだ。
兄ちゃんが買ってくれたカシミヤみたいに柔らかいパイル地が耳に引っ掛かったけど、勢いに任せて乱暴に引き抜いた。
「止めなさい、裕太」
「ヤだってば!」
止めようとする兄ちゃんに逆らってオレは暴れた。
兄ちゃんに拒否されたことが、とてつもなくショックだった。
オレがしてって言えば、兄ちゃんはいつだってその通りにしてくれるものだと思ってたのに、何でそうじゃないのか。
この悔しさと苛立ちを言葉にする代わりに、オレは暴れた。
「裕太……頼むから、落ち着いてくれ」
「う――――――――」
バタバタと抵抗するオレを、兄ちゃんはまるで片手であしらうみたいにして簡単に押さえ込んだ。
手首をつかまれ、壁際に追い込まれたオレは、ぎゅっと唇を噛んで兄ちゃんを睨んだ。
「な、いい子だから、裕太」
「いい子じゃない……っ!」
優しい声で懐柔しようとする兄ちゃんに、それでもオレは反抗した。
「いい子じゃないから、兄ちゃんの言うことも聞かない!」
「裕太…………」
「だって兄ちゃんは、オレに何かして欲しいって言わないじゃん。いつもオレにしてくれるばっかりで……そんなの嫌だから、だから、オレが言うんだよ」
オレは裸の胸を兄ちゃんに押し付けた。
本当はもっと上手いやり方があったのかもしれないけど、その時のオレにはそれ以上のどんな手段も思いつかなかった。
「ねえ、していいよ、兄ちゃんの好きにしてよ」
「っ――――裕太」
耐えるようにぐっと奥歯をかみ締めた兄ちゃんに、オレは更に身を寄せた。
「じゃないと、オレもう兄ちゃんの言うこと聞かないよ……?」
それでもいいの、と上目使いに見上げると、兄ちゃんは苦しそうな顔で笑った。
「…………ワガママだな、裕太は…………」
「そうだよ、ワガママだよ。だって兄ちゃんがそれでもいいって言ったんだから、兄ちゃんのせいだよ」
「そうか――――兄ちゃんのせいか」
「そうだよ、全部兄ちゃんが悪いんだから、兄ちゃんが責任とらなきゃいけないんだよ」
オレは強気で言い放ったつもりだったけど、ちょっとだけ語尾が震えた。
兄ちゃんの顔を見るのが怖くて、オレはたまらず目を伏せた。
「…………お前に、触ってもいいか?」
数瞬の沈黙の後、兄ちゃんはささやくように言った。
「いいよ、触って……兄ちゃんの好きにしていいよ」
オレも吐息のようにかすれる声で、そっと答えた。
兄ちゃんの大きな手のひらが、むき出しの背中を柔らかく包んだ。
「あったかい…………」
兄ちゃんの体温が嬉しくて、オレはふにゃりと笑った。
「して、いいよ」
オレはそう言うと、戸惑った表情のまま動かない兄ちゃんに、自分から近付いた。
「駄目だよ裕太、お前がそんな事言ったら」
「なんで――――兄ちゃんしたいんでしょ?」
たじろいだように一歩下がった兄ちゃんに、オレは非難の視線を向けた。
「そういうことを言ってるんじゃない……お前、今日学校で倒れたんだぞ、覚えてないのか」
「そう……だったかな……? そうだったかも……でも、そんなの今どうでもいいよ」
オレは子供が抱っこをせがむように、兄ちゃんに向かって手を伸ばした。
こうすれば、兄ちゃんはいつでもオレを「ぎゅっ」としてくるはずだったから。
でも、このときだけは兄ちゃんはそうしなかった。
兄ちゃんはオレの指先をやんわりと掴むと、静かに下におろした。
「どうでもよくはない……俺が、お前のことも考えずに無理させたから、今日みたいなことになったんだ」
「え……なっ、何言ってるの、そんなわけないじゃんっ」
全然違う、と力いっぱい否定したけど、兄ちゃんは頑固だった。
「いや、お前のことは、俺が一番良く分ってる……お前自身よりも、良く分ってる。だから今日はちゃんと体を休ませ――――」
「ヤだ!」
優しく肩を撫でた兄ちゃんの腕を振り払って、俺は叫んだ。
「裕太――」
絶句して立ち尽くす兄ちゃんの目の前で、オレは見せ付けるようにパジャマを脱いだ。
兄ちゃんが買ってくれたカシミヤみたいに柔らかいパイル地が耳に引っ掛かったけど、勢いに任せて乱暴に引き抜いた。
「止めなさい、裕太」
「ヤだってば!」
止めようとする兄ちゃんに逆らってオレは暴れた。
兄ちゃんに拒否されたことが、とてつもなくショックだった。
オレがしてって言えば、兄ちゃんはいつだってその通りにしてくれるものだと思ってたのに、何でそうじゃないのか。
この悔しさと苛立ちを言葉にする代わりに、オレは暴れた。
「裕太……頼むから、落ち着いてくれ」
「う――――――――」
バタバタと抵抗するオレを、兄ちゃんはまるで片手であしらうみたいにして簡単に押さえ込んだ。
手首をつかまれ、壁際に追い込まれたオレは、ぎゅっと唇を噛んで兄ちゃんを睨んだ。
「な、いい子だから、裕太」
「いい子じゃない……っ!」
優しい声で懐柔しようとする兄ちゃんに、それでもオレは反抗した。
「いい子じゃないから、兄ちゃんの言うことも聞かない!」
「裕太…………」
「だって兄ちゃんは、オレに何かして欲しいって言わないじゃん。いつもオレにしてくれるばっかりで……そんなの嫌だから、だから、オレが言うんだよ」
オレは裸の胸を兄ちゃんに押し付けた。
本当はもっと上手いやり方があったのかもしれないけど、その時のオレにはそれ以上のどんな手段も思いつかなかった。
「ねえ、していいよ、兄ちゃんの好きにしてよ」
「っ――――裕太」
耐えるようにぐっと奥歯をかみ締めた兄ちゃんに、オレは更に身を寄せた。
「じゃないと、オレもう兄ちゃんの言うこと聞かないよ……?」
それでもいいの、と上目使いに見上げると、兄ちゃんは苦しそうな顔で笑った。
「…………ワガママだな、裕太は…………」
「そうだよ、ワガママだよ。だって兄ちゃんがそれでもいいって言ったんだから、兄ちゃんのせいだよ」
「そうか――――兄ちゃんのせいか」
「そうだよ、全部兄ちゃんが悪いんだから、兄ちゃんが責任とらなきゃいけないんだよ」
オレは強気で言い放ったつもりだったけど、ちょっとだけ語尾が震えた。
兄ちゃんの顔を見るのが怖くて、オレはたまらず目を伏せた。
「…………お前に、触ってもいいか?」
数瞬の沈黙の後、兄ちゃんはささやくように言った。
「いいよ、触って……兄ちゃんの好きにしていいよ」
オレも吐息のようにかすれる声で、そっと答えた。
兄ちゃんの大きな手のひらが、むき出しの背中を柔らかく包んだ。
「あったかい…………」
兄ちゃんの体温が嬉しくて、オレはふにゃりと笑った。
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