BL版権物の二次創作ブログです。現在『メイド*はじめました』で活動中です。
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2008/03/07 (Fri)
「裕太、そんなに怒るなよ。兄ちゃんが悪かったから」
腕を掴んで先を行く裕太に大人しくつき従いながら、周平は謝罪を繰り返した。
最初のうちは、弟に手を引かれて歩くという珍しい状況を楽しんでいた周平だったが、しかし今は、自分の声など聞こえないと言う風に俯いたまま、ずんずんと必死になって前を歩く裕太が、かわいそうに思えてきた。
裕太の手のひらは、掴んだ周平の手首を一回りもできないほど、小さかった。
夜になって眩しいほどに輝く繁華街の中、喧騒を楽しむ人々の波を掻き分ける裕太の背中は、その圧力に押しつぶされそうなほど頼りなく見えた。
腕を掴んで先を行く裕太に大人しくつき従いながら、周平は謝罪を繰り返した。
最初のうちは、弟に手を引かれて歩くという珍しい状況を楽しんでいた周平だったが、しかし今は、自分の声など聞こえないと言う風に俯いたまま、ずんずんと必死になって前を歩く裕太が、かわいそうに思えてきた。
裕太の手のひらは、掴んだ周平の手首を一回りもできないほど、小さかった。
夜になって眩しいほどに輝く繁華街の中、喧騒を楽しむ人々の波を掻き分ける裕太の背中は、その圧力に押しつぶされそうなほど頼りなく見えた。
「な、裕太……謝るから、機嫌直して」
不意に真摯な声を出した周平に、裕太はぴたりと足を止めた。
「…………怒ってない……」
「うん?」
裕太の背中に胸をくっつけるようにして、周平も止まった。
「怒ってるんじゃない……恥ずかしいのっ!」
下を向いて叫んだ裕太の耳は、ゆだったように真っ赤だった。
周平は握られている反対側の手で、裕太の髪をそっと撫でた。
「そうか、恥ずかしかったのか。ゴメンな、裕太に恥ずかしい思いさせて」
耳元でささやくように、周平は謝った。
瞬間、硬く握られていた手が離れ、ぱっと裕太が後ろを振り返った。
「だからっ違うってばっ! 俺じゃなくって、恥ずかしいのは兄ちゃんでしょ?! 会社のみんなが見てたのに、あんな子供みたいなことして、笑われちゃったよ?」
どうするのと、切迫した面持ちで詰め寄った裕太に、周平は破顔した。
「なんだ、裕太……そんなこと、俺は全然恥ずかしく無いよ。皆が笑ってたのは、裕太がかわいいからなんだから。むしろもっと自慢して、見せびらかしたいぐらいだよ」
「――な、何を……」
周平の思わぬ切り替えしに、裕太は面食らった。
「なんなら、今ここで大声で発表しようか。俺の弟がどんなにかわいいかって」
そういい終わるが早いか、周平は路上を行く人たちに向かって、すうっと息を吸い込んだ。
「やっ、やめてよっ、兄ちゃん。馬鹿なことしないで!」
裕太は飛びつくようにして周平の口を塞いだ。
そして、ぐいぐいと全身を押し付けるようにして、ビルの隙間へ押し込んだ。
途中、肩がぶつかった人が、何人か迷惑そうに振り返ったが、とにかく周平を黙らせようと一生懸命な裕太は、そんなことにまで、気が回っていなかった。
雑踏を行く人たちは皆、何か揉め事らしいと察知すると、視線を逸らして行ってしまった。
裕太の両手で口を押さえられた周平は、何故かとても嬉しそうだった。
不意に真摯な声を出した周平に、裕太はぴたりと足を止めた。
「…………怒ってない……」
「うん?」
裕太の背中に胸をくっつけるようにして、周平も止まった。
「怒ってるんじゃない……恥ずかしいのっ!」
下を向いて叫んだ裕太の耳は、ゆだったように真っ赤だった。
周平は握られている反対側の手で、裕太の髪をそっと撫でた。
「そうか、恥ずかしかったのか。ゴメンな、裕太に恥ずかしい思いさせて」
耳元でささやくように、周平は謝った。
瞬間、硬く握られていた手が離れ、ぱっと裕太が後ろを振り返った。
「だからっ違うってばっ! 俺じゃなくって、恥ずかしいのは兄ちゃんでしょ?! 会社のみんなが見てたのに、あんな子供みたいなことして、笑われちゃったよ?」
どうするのと、切迫した面持ちで詰め寄った裕太に、周平は破顔した。
「なんだ、裕太……そんなこと、俺は全然恥ずかしく無いよ。皆が笑ってたのは、裕太がかわいいからなんだから。むしろもっと自慢して、見せびらかしたいぐらいだよ」
「――な、何を……」
周平の思わぬ切り替えしに、裕太は面食らった。
「なんなら、今ここで大声で発表しようか。俺の弟がどんなにかわいいかって」
そういい終わるが早いか、周平は路上を行く人たちに向かって、すうっと息を吸い込んだ。
「やっ、やめてよっ、兄ちゃん。馬鹿なことしないで!」
裕太は飛びつくようにして周平の口を塞いだ。
そして、ぐいぐいと全身を押し付けるようにして、ビルの隙間へ押し込んだ。
途中、肩がぶつかった人が、何人か迷惑そうに振り返ったが、とにかく周平を黙らせようと一生懸命な裕太は、そんなことにまで、気が回っていなかった。
雑踏を行く人たちは皆、何か揉め事らしいと察知すると、視線を逸らして行ってしまった。
裕太の両手で口を押さえられた周平は、何故かとても嬉しそうだった。
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