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BL版権物の二次創作ブログです。現在『メイド*はじめました』で活動中です。
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自己紹介

  名前:うさこ
  萌属性:血縁、年の差、アホ子受、ワンコ攻
  好き:甘々、主人公総受け
  嫌い:イタい子
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後ろからそっと抱き込まれて、「今日はいいか」と囁かれた。
一回も「ヤだ」なんて言ったことないのに、「いいよ」って……「いつでもしていいよ」って、何度も言ってるのに、それでも兄ちゃんは毎回、同じ事を繰り返すんだ。
オレは理由が分らなくって、「どうして毎日同じこと聞くの」って質問したら、笑われた。
「裕太と、心も繋がりたいからだよ」って頭を撫でられて、オレはなんだか恥ずかしくなった。
「オレだって高校生なんだから、そんなことぐらいもうわかってる」って、ちょっとむきになって反論したら、兄ちゃんは、やっぱりおかしそうに笑った。
まるで「子供でしょうがないな」って言われてるみたいな気がして、ぷうっと膨れると、兄ちゃんは黙ってオレの手を取った。
そうして、手のひらから肘の内側に向かって、ベロって、アイスクリームを舐めるみたいに、舐め上げた。
オレが思わず「くすぐったい」って身をよじっると、兄ちゃんは優しい目をして、「やっと笑ったな」って言った。
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肌を合わせることの、意味が分らないほど、もう子供ではないと、裕太は頬を膨らませた。
そういう所が、子供なんだと、俺は思わず微笑んだが、口に出しては何も言わなかった。
だだ、そうかと頷いて、差し伸ばされた手を引いた。
薄い皮膚から透けて見える血管を、戯れに舌でたどると、くすぐったいと声を上げて笑った。
乳白色の甘い香りがする肌は、その体がまだ幼さないことの証明だった。
*
何も知らない……おそらくは、人を愛することの意味も、まだ本当には理解できていない年少の弟に、自分好みのやり方を躾けることは、俺の――、とうの昔に失くしてしまった良心の、残り滓を、それでも僅かに刺激した。
自分が今、何をしているのか、何をされているのか、お前は何もわかっていないんだと言えば、裕太はまた強がって、「そんなことはない」と唇を尖らせるだろう。
*
柔らかく体を開らかれ、俺の形を覚え込まされ、それでも……「いいのか」と問えば、「いいよ」と答える迷いの無さこそ、何も知らない者の強みなのだろう。
そんな裕太のいとけなさを、哀れと思う優しさは、もう捨てた。
実の弟の肉を食む、気の狂った男でかまわないと開き直れば、是非も分らない裕太の純白は、ただひたすらに、愛おしいだけだ。
永遠に咲かない花のように、無明の眠りにたゆとう弟を、蕾のまま、この手のひらに包んで、二人きりどこまでも行こうと、俺は決めたのだから。
女が多すぎるから――と、推薦が決まっていた条南を蹴って入った楽才学園で、俺は面白い観察対象を発見した。
それは、名を藍川裕太という、人間の、男だったが、どうやら癖らしい上目使いと、いつでも軽く開いている物欲しげな唇は、俺の、あの遠い昔に失ってしまった、懐かしい「友達」を思い出させた。
俺がまだ中学に上がる前、兄ちゃんは就職して、家を出て行った。
「どうして、オレを置いていくの」なんて、膝にすがって泣いた様な気もするけど……、あんまり良くは覚えてない。
オレって、嫌なこととか直ぐ忘れちゃう性格だから、きっとそれも忘れちゃったんだと思う。
だから、オレが覚えているのは、兄ちゃんが出て行ったときのことじゃなくて、その後の、どこか、ちょっとだけ寂しくなった、特別な家の空気なんだ。
*
兄ちゃんは騒がしいタイプじゃないし、オレと一緒になってふざけたり、はしゃいだりなんかもしない……、どっちかっていうと、余裕のある落ち着いた感じの人間だから、それで突然家が静かになったって言うのは、変だなぁって思うかもしれない。
だけど、本当にそうだったんだ。
だってオレ、それだけは良く覚えてるもん。
いつもと同じ、何一つ変わってないはずの家が、兄ちゃんがいなくなっただけで、ちょっとだけ静かになって、ちょっとだけ暗くなって、ちょっとだけ……ひんやりと、冷たくなったんだ。
本当だって。
子供心にも、「ああ、人がいなくなるって言うのは、こういうことなのかな」って、そんなふうに思ったのを、よく覚えてるんだから。
僕は、弱いもの虐めが好きだ。
強いものを虐めるのは、もっと好きだ。
けれども、やっぱり一番好きなのは、美しいものを汚くヨゴして、地獄の底に引き摺り下ろしてやることだ。
そう、僕の立っている――――この、場所まで…………。
*
「やあ、今日はまた、ずいぶんと気持ちのいい天気だね」
朝の光を柔らかく透かす障子戸を開けて、僕は藍川くんを振り返った。
彼は寝床の上に身を起こした姿勢のまま、ぼんやりと前を見つめていた。
相変わらず光のない目をして。
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