BL版権物の二次創作ブログです。現在『メイド*はじめました』で活動中です。
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名前:うさこ
萌属性:血縁、年の差、アホ子受、ワンコ攻
好き:甘々、主人公総受け
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2008/04/30 (Wed)
僕は、弱いもの虐めが好きだ。
強いものを虐めるのは、もっと好きだ。
けれども、やっぱり一番好きなのは、美しいものを汚くヨゴして、地獄の底に引き摺り下ろしてやることだ。
そう、僕の立っている――――この、場所まで…………。
*
「やあ、今日はまた、ずいぶんと気持ちのいい天気だね」
朝の光を柔らかく透かす障子戸を開けて、僕は藍川くんを振り返った。
彼は寝床の上に身を起こした姿勢のまま、ぼんやりと前を見つめていた。
相変わらず光のない目をして。
強いものを虐めるのは、もっと好きだ。
けれども、やっぱり一番好きなのは、美しいものを汚くヨゴして、地獄の底に引き摺り下ろしてやることだ。
そう、僕の立っている――――この、場所まで…………。
*
「やあ、今日はまた、ずいぶんと気持ちのいい天気だね」
朝の光を柔らかく透かす障子戸を開けて、僕は藍川くんを振り返った。
彼は寝床の上に身を起こした姿勢のまま、ぼんやりと前を見つめていた。
相変わらず光のない目をして。
「見てみなよ、朝露に濡れた飛び石が黒く光って、いい、風情だろ?」
僕は藍川くんの腕を掴んで強引に立たせると、広縁に連れ出した。
熱心に話しかける僕を完全に無視して、藍川くんは一人、自分の世界に閉じこもっている。
決して僕を映さない、この大きな瞳を、抉り取ってやりたい――――。
なんて、衝動に駆られるときもあるけれど、そういうとき僕は、ことさら穏やかに笑うことにしている。
何しろ僕は、こういう風にツンと澄まして、自分は何も知らないんです、と気取っている人間に、世間ってものの現実を教えてやるのが、何よりも大好きなんだから。
*
「ほら、庭に下りてごらん」
僕は、縁側から沓脱石に向かって、ドンと藍川くんの背を押した。
よろりと揺らめくようにして、冷たい御影石の上に素足で降りた藍川くんは、そのままフラフラと数歩、厚い苔が覆った地面の上に進み出た。
「いいね……」
藍川くんの真白な足が、濡れた土によって黒くけがされるのを見て、僕はほうっとため息をついた。
このまま、髪を掴んで地面にねじ伏せ、全身泥まみれにして汚してやったら、どんなにか気持ちいいだろう――――。
僕はそんな想像に浸って、ふふふと一人悦に入った。
*
藍川くんは不思議だ。
僕がどんなに彼をおとしめ、穢し、汚しても、翌朝には又最初に出会ったときのように、何も知らない清廉な顔をして、そこにいる。
犬にヤらせても、下衆にヤらせても、何度ヤらせても、何をヤらせても…………それは、いつも変わらない。
「何故なのか」と、聞いてみたい気もするけど、多分それはもう無理だろう。
彼はもう、永遠に僕に答えないのだから。
*
「君は本当に不思議だよね」
僕は藍川くんの瞳を覗き込んだ。
春の日差しをキラリと受けて、美しく澄んで見える、その遠い眼差し。
その向こう側に、君は一体何を見ているんだろう…………。
知ることは出来ないと分りきっているそれを、僕はいま渇望している。
何度隣に引き摺り下ろしても、また一人、あの遠く高い場所へ帰ってしまう君の秘密が、そこにあるんじゃないか……と、僕は疑っているんだ。
*
「ねえ、藍川くん、どうなんだい?」
そうして僕は今日も又、決して答えない彼に語りかける。
虚空に向かってボールを投げるような、むなしい独り言だと、わかりきってはいるけれど、僕には止めることが出来ない。
君が、この場所に、降りて来るまでは……決して、止めることは、出来ない。
「ねえ、藍川くん、そうなんだろう?」
僕は藍川くんの腕を掴んで強引に立たせると、広縁に連れ出した。
熱心に話しかける僕を完全に無視して、藍川くんは一人、自分の世界に閉じこもっている。
決して僕を映さない、この大きな瞳を、抉り取ってやりたい――――。
なんて、衝動に駆られるときもあるけれど、そういうとき僕は、ことさら穏やかに笑うことにしている。
何しろ僕は、こういう風にツンと澄まして、自分は何も知らないんです、と気取っている人間に、世間ってものの現実を教えてやるのが、何よりも大好きなんだから。
*
「ほら、庭に下りてごらん」
僕は、縁側から沓脱石に向かって、ドンと藍川くんの背を押した。
よろりと揺らめくようにして、冷たい御影石の上に素足で降りた藍川くんは、そのままフラフラと数歩、厚い苔が覆った地面の上に進み出た。
「いいね……」
藍川くんの真白な足が、濡れた土によって黒くけがされるのを見て、僕はほうっとため息をついた。
このまま、髪を掴んで地面にねじ伏せ、全身泥まみれにして汚してやったら、どんなにか気持ちいいだろう――――。
僕はそんな想像に浸って、ふふふと一人悦に入った。
*
藍川くんは不思議だ。
僕がどんなに彼をおとしめ、穢し、汚しても、翌朝には又最初に出会ったときのように、何も知らない清廉な顔をして、そこにいる。
犬にヤらせても、下衆にヤらせても、何度ヤらせても、何をヤらせても…………それは、いつも変わらない。
「何故なのか」と、聞いてみたい気もするけど、多分それはもう無理だろう。
彼はもう、永遠に僕に答えないのだから。
*
「君は本当に不思議だよね」
僕は藍川くんの瞳を覗き込んだ。
春の日差しをキラリと受けて、美しく澄んで見える、その遠い眼差し。
その向こう側に、君は一体何を見ているんだろう…………。
知ることは出来ないと分りきっているそれを、僕はいま渇望している。
何度隣に引き摺り下ろしても、また一人、あの遠く高い場所へ帰ってしまう君の秘密が、そこにあるんじゃないか……と、僕は疑っているんだ。
*
「ねえ、藍川くん、どうなんだい?」
そうして僕は今日も又、決して答えない彼に語りかける。
虚空に向かってボールを投げるような、むなしい独り言だと、わかりきってはいるけれど、僕には止めることが出来ない。
君が、この場所に、降りて来るまでは……決して、止めることは、出来ない。
「ねえ、藍川くん、そうなんだろう?」
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