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BL版権物の二次創作ブログです。現在『メイド*はじめました』で活動中です。
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  名前:うさこ
  萌属性:血縁、年の差、アホ子受、ワンコ攻
  好き:甘々、主人公総受け
  嫌い:イタい子
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天国屋本店は、JRと私鉄合わせて7線が乗り入れる、池袋のターミナルデパートだ。
年間来客数7千万人、営業利益率10%と、名実共に国内百貨店業界のトップを走る、天国屋の旗艦店である。
当然ながら、その店内は、平日の昼間でも人の波が途切れることはない。
従業員用のエレベーターから下りた周平は、歩きながら混雑するフロアをゆっくりと見渡した。
レストラン街のある8階は、近くのオフィスからランチを取りに来るサラリーマンと、買い物途中に立ち寄った子連れの主婦で、この時間帯はいっぱいになる。
やはり昼のサービスを充実させると集客力が……と、考えてから周平は思わず苦笑した。
市場調査に来たわけでもないのに、無意識のうちに客層や各店の入りをチェックしていた自分が、おかしかったのだ。
仕方がない、自分がこういう思考から開放されるのは、裕太と一緒にいるときだけだと、周平は軽く頭を振った。
手首の時計を確認すると、時間は約束5分前。
そろそろかと視線を向けると、まさに中央のエスカレーターから、祖父のトレードマークといっていい中折れ帽が、ゆっくりと持ち上がって来る所だった。
周平はIDカードを胸にしまうと、祖父に向かって軽く手を上げた。
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「すいません、坊ちゃん、若いのがちっとやりすぎちまって」
鬼瓦顔の大男が、肩を縮込ませて畳みに手を付いた。
短く刈り込んだ後頭部に、派手な古傷が見える。
僕は写真をめくりながら、ゆっくりと足を組み替えた。
「これ……殺しては、ないんだよね」
「は、はい、もちろん。騒いだもんで、二、三発殴ったら、すぐ気を失ったんで」
「顔も、見られてない」
「はい」
「ふーん、じゃあ、まあいいよ」
僕はバサリと写真を放ると、その脇にある茶封筒を手に取った。
「とりあえず目的は達成されたし、これ持ってって。ご苦労様」
「ありがとうございます!」
組員の男は両手で押し頂くように、分厚い封筒を受け取った。
このお話は、「なんで満足にご飯が食べられないほどの極貧品生活の中で、裕太が携帯を使い続けていられたんだろう」という、疑問から生まれました。
高校生の中には「携帯ないと死んじゃ~う」なんて子もいるそうですが、裕太はやっぱり「ご飯食べないと死んじゃう~」ってタイプだと思うのです。
だから、裕太が携帯を解約してないとしたら、その理由はやっぱり「自分で払ってない」しかないんじゃないかと思ったのです。
でもまあよく考えたら、携帯料金を自分で稼いで払ってる、なんていう高校生のほうがむしろ珍しいんでしょう。
こういうのって、普通は親が払ってくれるんですよね。
……そう、「普通」はw
裕太はちょっとばかし「普通じゃない」兄がいるので、事情が少し違って、携帯代は親じゃなくて、周平が払ってくれてるんですよ、きっと!(←妄想)
広いリビングの隅に置かれた小さなラブソファは、裕太と周平が二人暮らしを始める際に買い揃えた家具の一つだ。
黄色とオレンジの格子柄という、かなり子供っぽいデザインで、素材は本皮でもなんでもなく、ただのコットン。
高級マンションの一室にはずいぶんと不釣合だが、周平は「裕太が好きならそれでいいよ」と、自分の趣味とはかけ離れた、そのおもちゃのようなソファを、個室ではなく、リビングに置いた。
裕太は今日もそのお気に入りの上で、膝を立てて座っている。
腿の上には広げた英語のテキスト。
しかし手元にはテレビのリモコンがあり、さらに視線はバルコニーの向こう側に注がれている。
これで本人は英単語の暗記中のつもりだから、裕太の成績が芳しくないのも仕方がない。
諒がいたなら、ピシャリと厳しい小言の一つでも食らっているだろうが、いま室内には裕太一人きりだ。
そのとき、ぼんやりと夕焼け空を眺めているかに見えた裕太が、ふいに顔を上げた。
小鹿のような仕草で小首をかしげると、次の瞬間、ポンッと跳ねて立ち上がる。
勢いのまま、リビングからキッチンの脇を駆け抜け、廊下の角を曲がって玄関に立つ――と、ちょうどのタイミングで扉が開いた。
「兄ちゃん、おかえりなさい」
仕事から戻った周平を、裕太は笑顔で出迎えた。
「裕太が好きなの選んでいいから。よく考えてな」
「う、ん……」
さあ、と背中を押されて送り出されたものの、目の前にずらりと並んだ携帯電話の、あまりの種類の多さに、裕太は呆然と立ち尽くすしかなかった。
上を見れば、大きなパネルと手書きのPOPが、下を見れば、持ちきれないほどのチラシとパンフレットが、それぞれの価格と性能を競い合って主張している。
店内に流れる大音量の音楽と、膨大な情報が合わさって、裕太はくらくらとめまいを起こしそうだった。
「画素? インチ? Kbps?」
どれも、小学校では教わらない単位ばかりだ。
徒手空拳でコロッセウムに放り込まれたローマ兵のように、裕太は途方にくれていた。
「数が大きいほうが、いいってこと……?」
裕太はとりあえず正面にあった一台と、その隣の一台を手にとって比べてみた。
ブラックとシルバー、折りたたみとスライド、それ以外の違いは裕太には見分けることが出来なかった。
「ヤだな、こんなの。兄ちゃんが選んでくれればいいのに……」
裕太はそっとサンプルを棚に戻した。
自分の能力を超える問題に行き当たったとき、その判断を周平に委ねるのは、裕太にとって一番楽で、また失敗しないために最も確実な方法だった。
裕太は難しいことや複雑なことを考えるのは大の苦手だったし、何より、周平が自分にとって最善の選択をしてくれるだろうことを、頭から信じ込んで、微塵も疑っていなかった。
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