BL版権物の二次創作ブログです。現在『メイド*はじめました』で活動中です。
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名前:うさこ
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好き:甘々、主人公総受け
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2008/09/16 (Tue)
「すいません、坊ちゃん、若いのがちっとやりすぎちまって」
鬼瓦顔の大男が、肩を縮込ませて畳みに手を付いた。
短く刈り込んだ後頭部に、派手な古傷が見える。
僕は写真をめくりながら、ゆっくりと足を組み替えた。
「これ……殺しては、ないんだよね」
「は、はい、もちろん。騒いだもんで、二、三発殴ったら、すぐ気を失ったんで」
「顔も、見られてない」
「はい」
「ふーん、じゃあ、まあいいよ」
僕はバサリと写真を放ると、その脇にある茶封筒を手に取った。
「とりあえず目的は達成されたし、これ持ってって。ご苦労様」
「ありがとうございます!」
組員の男は両手で押し頂くように、分厚い封筒を受け取った。
鬼瓦顔の大男が、肩を縮込ませて畳みに手を付いた。
短く刈り込んだ後頭部に、派手な古傷が見える。
僕は写真をめくりながら、ゆっくりと足を組み替えた。
「これ……殺しては、ないんだよね」
「は、はい、もちろん。騒いだもんで、二、三発殴ったら、すぐ気を失ったんで」
「顔も、見られてない」
「はい」
「ふーん、じゃあ、まあいいよ」
僕はバサリと写真を放ると、その脇にある茶封筒を手に取った。
「とりあえず目的は達成されたし、これ持ってって。ご苦労様」
「ありがとうございます!」
組員の男は両手で押し頂くように、分厚い封筒を受け取った。
机の上に無造作に放り投げた写真には、一人の女が写っている。
殴られたせいだろう、頬が腫れ、唇の端から血が滲んでいるが、知っている人間が見れば、ああこれは、と顔が分かる程度の怪我だから、まあ問題はない。
問題なのは、大写しになった局部から零れる、白濁した液体だ。
「裸の写真を撮ってこい」と言っただけの命令が、少々行き過ぎて強姦になったのは許容してもいい。
しかし、それならばせめて「証拠を残さない」程度の知恵がなぜ働かないのか。
この女が、泣き寝入りするのはまず間違いないが、万が一にでも警察に飛び込まれたら、少々やっかいなことになるというのに。
こういう、後先が考えられない組員の馬鹿さ加減には、いつもうんざりさせられる。
「本当に、使えないヤツらだよね、藍川君」
僕は、隣に座る藍川君に向かって、優しく問いかけた。
もちろん、彼からの返事はない。
いつも通り、ぼんやりと焦点の定まらない目で、空を睨んでいるだけだ。
「どうせ使えない馬鹿なら、君みたいに――――」
と、僕が藍川君の顎に手をかけたとき、廊下側の障子戸が静かに開いた。
暗い庭を背に、長身の陰が浮かび上がる。
僕の部屋に断りも無く入ってくるような命知らずは、この世に弟の光貴と、あともう一人しか居ない。
横目でその姿を確認すると、僕は唇の端を吊り上げるようにして笑った。
「やあ、早かったね、啓寿」
「大貴……俺の前で、それは止めろ」
「止めろ? なにを?」
僕は華奢な顎を掴んだ手に力を込めると、啓寿に向けてぐいとひねった。
「コレは僕のモノなんだから、どうしようが、僕の勝手だろ?」
「っ…………」
藍川君の空虚な瞳に見つめられて、啓寿は怯んだように目をそらした。
その視線の先には僕の文机があり、先ほどの写真が広がっている。
啓寿は一目でそれが依頼の品だと気が付いたらしい、取り上げて手早くまとめた。
写った内容を確認する顔は、もういつもの無表情に戻っている。
「……犯したのか」
「ちょっと、若いのが暴走したらしくてね。でも、大して問題ないだろ」
「……まあそうだが」
啓寿はあっさりと納得した。
当然だ。ヤクザにものを頼むというのがどういうことか、十分わかった上で、僕に話を持ってきているのだ。
「今度何か言ってきたら、それ見せれば良いよ。どんな恥知らずな女でも、さすがに黙るだろ」
「ああ……助かった……」
「いいよ、お前は、僕の大切な幼馴染なんだから」
僕は薄く笑った。
普通の神経の持ち主だったら、それこそ、目を背けずには居られないだろう、かつて愛した女の無残な姿にも、啓寿は眉一つ動かさない。
にもかかわらず、藍川君の意思のない視線は、まともに受け止めることも出来ないのだ。
それが何故なのか、僕は理由を知らない。
興味もないし、聞く気もない。
僕はただ、何かあればすぐにピーピー泣き付いてくる弱虫の幼馴染をからかうのが、面白くて仕方がないだけだ。
「僕、これから暇つぶししようと思うんだけど……」
僕はゆっくりと立ち上がった。
藍川君の正面にまわると、シャツの襟に手をかける。
「よかったら、啓寿も付き合ってく?」
背後ではっと息を呑む気配がした。
僕はほくそ笑むと、力を込めた指先で一気に襟を割った。
ボタンが飛び、細く尖った肩が剥き出しになる。
さあ、いま啓寿がどんな顔をしているのか――。
見てやろうと振り返るよりも先に、パンッと大きな音を立てて、障子が閉められた。
乱暴な足音が、廊下の向こうに遠ざかっていく。
「あーあ、逃げちゃった」
僕は人形のように動かない藍川君に、にっこりと微笑みかけた。
「君が最低のゴミになる瞬間を見てもらえなくて、残念だったね……藍川君?」
殴られたせいだろう、頬が腫れ、唇の端から血が滲んでいるが、知っている人間が見れば、ああこれは、と顔が分かる程度の怪我だから、まあ問題はない。
問題なのは、大写しになった局部から零れる、白濁した液体だ。
「裸の写真を撮ってこい」と言っただけの命令が、少々行き過ぎて強姦になったのは許容してもいい。
しかし、それならばせめて「証拠を残さない」程度の知恵がなぜ働かないのか。
この女が、泣き寝入りするのはまず間違いないが、万が一にでも警察に飛び込まれたら、少々やっかいなことになるというのに。
こういう、後先が考えられない組員の馬鹿さ加減には、いつもうんざりさせられる。
「本当に、使えないヤツらだよね、藍川君」
僕は、隣に座る藍川君に向かって、優しく問いかけた。
もちろん、彼からの返事はない。
いつも通り、ぼんやりと焦点の定まらない目で、空を睨んでいるだけだ。
「どうせ使えない馬鹿なら、君みたいに――――」
と、僕が藍川君の顎に手をかけたとき、廊下側の障子戸が静かに開いた。
暗い庭を背に、長身の陰が浮かび上がる。
僕の部屋に断りも無く入ってくるような命知らずは、この世に弟の光貴と、あともう一人しか居ない。
横目でその姿を確認すると、僕は唇の端を吊り上げるようにして笑った。
「やあ、早かったね、啓寿」
「大貴……俺の前で、それは止めろ」
「止めろ? なにを?」
僕は華奢な顎を掴んだ手に力を込めると、啓寿に向けてぐいとひねった。
「コレは僕のモノなんだから、どうしようが、僕の勝手だろ?」
「っ…………」
藍川君の空虚な瞳に見つめられて、啓寿は怯んだように目をそらした。
その視線の先には僕の文机があり、先ほどの写真が広がっている。
啓寿は一目でそれが依頼の品だと気が付いたらしい、取り上げて手早くまとめた。
写った内容を確認する顔は、もういつもの無表情に戻っている。
「……犯したのか」
「ちょっと、若いのが暴走したらしくてね。でも、大して問題ないだろ」
「……まあそうだが」
啓寿はあっさりと納得した。
当然だ。ヤクザにものを頼むというのがどういうことか、十分わかった上で、僕に話を持ってきているのだ。
「今度何か言ってきたら、それ見せれば良いよ。どんな恥知らずな女でも、さすがに黙るだろ」
「ああ……助かった……」
「いいよ、お前は、僕の大切な幼馴染なんだから」
僕は薄く笑った。
普通の神経の持ち主だったら、それこそ、目を背けずには居られないだろう、かつて愛した女の無残な姿にも、啓寿は眉一つ動かさない。
にもかかわらず、藍川君の意思のない視線は、まともに受け止めることも出来ないのだ。
それが何故なのか、僕は理由を知らない。
興味もないし、聞く気もない。
僕はただ、何かあればすぐにピーピー泣き付いてくる弱虫の幼馴染をからかうのが、面白くて仕方がないだけだ。
「僕、これから暇つぶししようと思うんだけど……」
僕はゆっくりと立ち上がった。
藍川君の正面にまわると、シャツの襟に手をかける。
「よかったら、啓寿も付き合ってく?」
背後ではっと息を呑む気配がした。
僕はほくそ笑むと、力を込めた指先で一気に襟を割った。
ボタンが飛び、細く尖った肩が剥き出しになる。
さあ、いま啓寿がどんな顔をしているのか――。
見てやろうと振り返るよりも先に、パンッと大きな音を立てて、障子が閉められた。
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