コイビト遊戯キャラクター考察（2）

第二回は私の一押しボイスの廣瀬諒と、滝沢蓮です。
（ネタバレ全開です。ゲーム未プレイの方は要注意！）

コイビト遊戯キャラクター考察（1）

コイビト遊戯キャラの私的解釈をつらつらと書いてみようと思います。
第一回は私の一押しカップル、藍川兄弟です。
（ネタバレ全開です。ゲーム未プレイの方は要注意！）

蛇の林檎（0）-周平×裕太-[前書と後書と解説に代えて]

このお話は、前作「一人墜落」の続きとして書きましたが、別に前を読んでいなくてもわかると思います、要するにゲームの大貴エンド「君を抱いてどこまでも」の裕太を、周平兄が助け出した……その後、という設定のお話だと思ってください。
この話は当初「指示された病」というタイトルで書き始めたのですが、最終話（10）を書き終えたところで題名を「蛇の林檎」に変えました。
でも話の趣旨は変更せずに、ちゃんと当初の意図通りに書き上げられたと思います。

蛇の林檎（10）-周平×裕太-[周平視点]

俺の表情から厳しさがなくなったことに安心したのだろう、裕太の体からホッと力が抜けるのが分かった。
「そうだね、兄ちゃんは嘘を付いたんじゃなくて。説明に時間がかかっただけなんだよね」
そういって裕太はクスクスと懐かしそうに笑った。
それは、今日俺が家に帰ってから始めてみる裕太の笑顔だった。
「そうだ、お前の準備が出来るまで待っていたんだ」
俺は至極真面目な顔で頷いて見せようとしたが、最後にはやはり裕太につられて笑ってしまった。

蛇の林檎（9）-周平×裕太-[裕太視点]

「裕太……あれは嘘じゃないだろう？」
苦笑を含んでそう言った兄ちゃんの声が、いつものような穏やかな調子に戻っているのが分かった。
「そうだろう、裕太？　あれは、嘘なんかじゃなかったはずだ」
もう一度そう俺に問いかけた声は、甘いといっても良いような囁きだった。
俺の肩を掴んでいた手の力が緩んだと思うと、兄ちゃんは俺の頭を優しく撫でた。
その温もりは、俺にもう一度あの遠い日を思い出させた。