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BL版権物の二次創作ブログです。現在『メイド*はじめました』で活動中です。
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自己紹介

  名前:うさこ
  萌属性:血縁、年の差、アホ子受、ワンコ攻
  好き:甘々、主人公総受け
  嫌い:イタい子
  イチオシ:安元洋貴ボイズ

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ryou_02.gif「へぇー、ああ、そう、それじゃあ、裕太が嘘付いたり、隠し事したりしたのは、全部、俺のせいって、ことなんだ。あっそう、ふーん、なるほどねっ」
裕太に向かって突き刺されとばかりに吐き出した、俺の神経質な台詞に、裕太は敏感に反応した。
「ええっ!? ち、違うよ、そういうことじゃなくって! ただ……諒に、嫌な思いさせたくなかったって言うか……」
急降下した俺の機嫌を取り持とうと、裕太はぎゅっと手を握ってきた。
裕太は、すぐにこういうことをするからずるい。
別に変なつもりはないって判ってるけど……誤解しそうになる。
「……裕太に隠し事されてるほうが、ずっと、嫌なんだけど」
ちょっと裕太に触られたぐらいで、途端に気持ちが上向く自分の現金さが恥ずかしくて、俺はわざと唇を尖らせて、不機嫌を装った。
「……ごめん、諒……」
そんな俺の打算になど、まったく気が付かないのだろう裕太は、俯いて手を握ったまま、やっぱりまた謝った。
「だから、謝ってなんか欲しくないの、理由を教えてって言ってるんだよ」
何をそこまで隠してるのか、隠さなきゃいけないのか。
単純な裕太らしくない、あまりにもかたくなな態度に、俺の気持ちは苛立ちから、次第に不安へと塗り変わっていった。
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『り、りょ、諒?! ど、ど、ど、どうしたの?!』
エントランスのインターフォン越しに聞こえた裕太の声は、完全に裏返っていた。
黙って引っ越したマンションに、俺が突然現れたことで、かなり動転しているらしかった。
「どうしたじゃないよ、裕太。お前こそ、どうして学校休んだよ、全然元気そうじゃんか」
俺は担任から預かったプリントを、カメラへ向かってちらちらと振って見せながら、そう答えた。
『あう……そ、れは、あの……』
おかしな具合に言いよどんだ裕太の様子に、俺はまさかずる休みじゃないだろうな、と眉をしかめた。
「……裕太、俺、こんな所で言い合いしたくないから、とりあえず、中、入れてくれる……?」
今日の欠席のことも、引っ越しを隠していたことも、俺が裕太に問い質したいことは山ほどあった。
だけど、こんな玄関ホールでヒステリー女みたいに、キーキー喚いて、衆目を集めるのはさすがに恥ずかしかったから、俺は冷静にそう要求した。
『えええっ!! な、な、中、入るの?!』
ところが、裕太の返事は、そんな俺の理性にヒビを入れる、予想外の拒否反応だった。
「なんだよ、それ……プリント、ポストに入れて帰れって言うわけ?」
我知らず、つんつんと尖がった声に、俺は自分がひどく傷ついているのを感じた。
『いや、いや、いや! そうじゃなくって、えーっと……そうだ、お、俺が、下に行くから……』
裕太が提案した、そんな妥協案にも、俺は納得しなかった。
「……俺に見られたら、なんかまずいことでもあるわけ?」
じっとりと低くなった俺の声は、まるで夫の浮気現場を押さえた鬼嫁のそれみたいに、恨みがましく聞こえただろう。
こんなの、自分でもみっともないと思ったが、裕太の拒否と狼狽が、俺の苛立ちに拍車をかけていた。
『う、う……わ、わかったよ……今、開けるから、上がってきて……』
いかにもしぶしぶと言った調子の裕太の口調から、俺に来て欲しくないと思っているのが、ありありと感じられた。
だけど俺は、絶対に許さないと、一人でこぶしを固めた。
「っ……こら、裕太暴れるな、ちゃんと謝っただろう」
派手な水飛沫を上げて、あたりを水浸しにしようとする裕太の手を、周平は強い力で抑え込んだ。
「ヤだ!」
後ろから抱きしめるようにして腕を封じ込まれた裕太は、今度は離せ離せと、足をばたつかせて抵抗した。
力比べになれば、体格的に劣る裕太には勝ち目はないが、それでももう小さな子供だった頃とは違って、全力で暴れれば、多少周平をてこずらせること位はできるのだ。
「裕太は小さい頃は素直ないい子だったのに……」
周平は聞き分けの無い子供にうんざりした大人がそうするように、裕太の耳元でふーっとわざとらしいため息を吐いた。
「いつのまに、兄ちゃんに反抗するような、悪い子になったんだろうな……?」
周平はそう言うと、裕太の胸の前で交差しさせていた手を、ゆっくりと下へ滑らせた。
「――そんでね、そこで諒ってば、急に青い顔して黙り込んじゃったんだよ」
変でしょう、と裕太は湯船の中で大きく反り上がって、後ろから背中を抱いている周平を仰ぎ見た。
温めに張ったお湯の中で周平の胸に寄りかかりながら、その日の出来事を報告するのが、裕太の日課だった。
「別にアレが変なのは今に始まったことじゃないさ、どうせ又ろくでもないことでも考えてたんだろう」
周平は肩に頭を乗せて胸をそらせた裕太の喉もとに、手のひらでお湯をかけながら、フンとはき捨てるように言った。
「うーん、でも諒って最近そんなこと多いんだよ、ボーっとしてたかと思うと、急に赤くなったり青くなったりしてさ、なんかイライラしてるみたいで……どっか体の具合でも悪いのかな」
裕太は周平の腕に心地よく身を任せながら、諒のことを思って静かに眼を閉じた。
「――そんなの、アイツが勝手に押し付けたルールだろ、なんでお前が従う必要あるんだよ」
俺の口から出たその声は、自分が予想した以上に尖っていた。
アイツの意志が裕太の行動を支配していることにも、その指示を裕太が何の疑問もなく受け入れていることにも、俺は苛立っていた。
しっかりしろよ、お前はアイツの人形じゃないんだぞと、裕太の肩を揺さぶって、目を覚まさせてやりたい気持ちだった。
「あ、あの、ゴメン……諒……」
俺が不機嫌になったのは、誘いを断られたからだと解釈したのだろう、裕太は下から見上げるようにして、顔色を伺ってきた。
何で謝るんだ、何を謝るんだと、俺は問い詰めたかったが、裕太の戸惑った様子を見て止めた。
俺は何も裕太を困らせたい訳じゃない。
ただ裕太が、アイツの言いなりになってるのが面白くないんだ。
何故って、それは……そう、多分……認めるのは嫌だけど、本当に嫌だけど……嫉妬、してるんだろうと思う。
兄貴だというだけで、裕太の「特別」な存在であることが許されているアイツに、俺は頭がおかしくなるぐらい、嫉妬してるんだ。
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