BL版権物の二次創作ブログです。現在『メイド*はじめました』で活動中です。
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名前:うさこ
萌属性:血縁、年の差、アホ子受、ワンコ攻
好き:甘々、主人公総受け
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2008/02/21 (Thu)
「それで、裕太は俺に何が聞きたいんだ?」
足の間に座らせた裕太を、周平は背後から覗き込んだ。
この姿勢は裕太がほんの子供だった頃から、話を聞いて欲しいとき、絵本を読んで欲しいとき、あるいは単に甘えたい気持ちになったとき、「お膝に座らせて」と言って、自ら周平にねだった体勢だったが、しかし、本人だけはすっかりそのことを忘れていた。
「あのさあ……兄ちゃんって、諒を怖がらせるようなこと、何かしたことある……?」
背中に感じる温もりをくすぐったく思いながら、裕太はおもむろにそう切り出した。
周平の前で「諒」の名前を出すのは、ずいぶんと勇気が言ったが、こうして背中を預けていれば、顔を見なくて済むぶん、いくらか気持ちが楽になるような気がした。
「諒を怖がらせる? なんだそれは」
案の定、「諒」の名前が出た瞬間、周平の顔から、すっと微笑みが消えた。
しかし裕太にわかったのは、耳元で響く声が、ほんの少し低くなったことだけだったから、それにひるむことはなかった。
「うーんと……じゃあ、怒らせるようなことでも良いんだけど……」
裕太は少し考えてから、そう言い直した。
ぞっと凍りつくような目を向ける周平に対して、諒はいつも、怒りに燃えた憎悪の視線で睨み返す。
そして、そんな二人の間に挟まれた裕太は、竜虎の争いに巻き込まれた、場違いなウサギのように、仲裁することもできず、すくんで固まっているしか出来ないのだ。
足の間に座らせた裕太を、周平は背後から覗き込んだ。
この姿勢は裕太がほんの子供だった頃から、話を聞いて欲しいとき、絵本を読んで欲しいとき、あるいは単に甘えたい気持ちになったとき、「お膝に座らせて」と言って、自ら周平にねだった体勢だったが、しかし、本人だけはすっかりそのことを忘れていた。
「あのさあ……兄ちゃんって、諒を怖がらせるようなこと、何かしたことある……?」
背中に感じる温もりをくすぐったく思いながら、裕太はおもむろにそう切り出した。
周平の前で「諒」の名前を出すのは、ずいぶんと勇気が言ったが、こうして背中を預けていれば、顔を見なくて済むぶん、いくらか気持ちが楽になるような気がした。
「諒を怖がらせる? なんだそれは」
案の定、「諒」の名前が出た瞬間、周平の顔から、すっと微笑みが消えた。
しかし裕太にわかったのは、耳元で響く声が、ほんの少し低くなったことだけだったから、それにひるむことはなかった。
「うーんと……じゃあ、怒らせるようなことでも良いんだけど……」
裕太は少し考えてから、そう言い直した。
ぞっと凍りつくような目を向ける周平に対して、諒はいつも、怒りに燃えた憎悪の視線で睨み返す。
そして、そんな二人の間に挟まれた裕太は、竜虎の争いに巻き込まれた、場違いなウサギのように、仲裁することもできず、すくんで固まっているしか出来ないのだ。
「さあ、そんなどうでもいいこと、気にしたことないから、分らないな」
あっさりと周平は言った。
「え、分んないって……そんな…………」
あまりにも堂々と、「諒のことなど眼中にない」と言ってのけた周平に、裕太は一瞬、返す言葉を失った。
「アレが俺のことをどう思っているかなんて、興味もないし、関心もないな……まあ、俺は元々、裕太以外のことはどうでもいいんだけど」
お前も知ってるよなと、周平は裕太の肩越しに顔を覗きこんだ。
「それってもう、兄ちゃんの口癖じゃんか――――……じゃなくって!」
耳にかかる息に、思わず笑いかけた裕太だったが、自分が周平のペースに乗せられそうになっていることに気が付いて、慌てて頭を振った。
「えーっと、えーっとね……それじゃあさあ、兄ちゃんは、何で諒が嫌いなの?」
裕太は頭を絞って、質問の仕方を変えてみた。
周平が、「諒に嫌われる理由」なんか知らないというのならば、逆に「諒を嫌う理由」を聞いてみよう。
それならばさしもの周平も「知らない」とは言えないはずだ。
裕太はそう考えた。
*
「それは…………」
直球で来た裕太の質問に、周平は少し言いよどんだ。
――お前に付きまとって、ちょっかいを出すから。
――俺から引き離そうと、余計な知恵を付けるから。
――お前がこうして、諒のことを何かと気にかけるから。
だから気に入らないんだと、理由なら幾らでもあげることが出来た。
しかしこのままではあまりに直接的過ぎて、とても裕太に聞かせることはできない。
裕太が怖がらないように、受け入れやすいように、周平は慎重に言葉を選んだ。
「それは…………アレがお前を、良くない事に巻き込もうとするからだよ」
周平はゆっくりと注意深く答えた。
「えぇ? 諒は、そんなことしないよ、すっごい真面目なんだから」
裕太は、周平の言葉に噴出した。
諒は「不良」な滝沢と、裕太が口を利くのも禁じようとするぐらい、石頭の優等生なのだ。
その諒が何か悪い事に誘うなんて、到底ありえることではなかった。
「逆にもっとしっかりしろって、俺、怒られてるぐらいだよ」
裕太は、周平が何か酷い勘違いをしているらしいと、おかしそうに笑った。
あっさりと周平は言った。
「え、分んないって……そんな…………」
あまりにも堂々と、「諒のことなど眼中にない」と言ってのけた周平に、裕太は一瞬、返す言葉を失った。
「アレが俺のことをどう思っているかなんて、興味もないし、関心もないな……まあ、俺は元々、裕太以外のことはどうでもいいんだけど」
お前も知ってるよなと、周平は裕太の肩越しに顔を覗きこんだ。
「それってもう、兄ちゃんの口癖じゃんか――――……じゃなくって!」
耳にかかる息に、思わず笑いかけた裕太だったが、自分が周平のペースに乗せられそうになっていることに気が付いて、慌てて頭を振った。
「えーっと、えーっとね……それじゃあさあ、兄ちゃんは、何で諒が嫌いなの?」
裕太は頭を絞って、質問の仕方を変えてみた。
周平が、「諒に嫌われる理由」なんか知らないというのならば、逆に「諒を嫌う理由」を聞いてみよう。
それならばさしもの周平も「知らない」とは言えないはずだ。
裕太はそう考えた。
*
「それは…………」
直球で来た裕太の質問に、周平は少し言いよどんだ。
――お前に付きまとって、ちょっかいを出すから。
――俺から引き離そうと、余計な知恵を付けるから。
――お前がこうして、諒のことを何かと気にかけるから。
だから気に入らないんだと、理由なら幾らでもあげることが出来た。
しかしこのままではあまりに直接的過ぎて、とても裕太に聞かせることはできない。
裕太が怖がらないように、受け入れやすいように、周平は慎重に言葉を選んだ。
「それは…………アレがお前を、良くない事に巻き込もうとするからだよ」
周平はゆっくりと注意深く答えた。
「えぇ? 諒は、そんなことしないよ、すっごい真面目なんだから」
裕太は、周平の言葉に噴出した。
諒は「不良」な滝沢と、裕太が口を利くのも禁じようとするぐらい、石頭の優等生なのだ。
その諒が何か悪い事に誘うなんて、到底ありえることではなかった。
「逆にもっとしっかりしろって、俺、怒られてるぐらいだよ」
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