BL版権物の二次創作ブログです。現在『メイド*はじめました』で活動中です。
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2007/12/14 (Fri)
「兄ちゃん、タバコ止めたの?」
朝食の席で、裕太から唐突にそう質問されて、周平は、思わず、飲みかけたコーヒーを噴出しそうになった。
別に深い考えもなく、何気ない日常会話のつもりでそう尋ねた裕太は、突然むせて激しく咳き込んだ周平に、驚いて目をぱちくりさせた。
「ど、どうしたの、兄ちゃん? 大丈夫?」
そう言って、慌てて椅子から立ち上がろうとした裕太を、周平は片手を挙げて制した。
「大丈夫、なんでもない、ちょっと、コーヒーが熱過ぎただけだ」
周平はそう弁解すると、裕太を安心させるために、少しだけ唇の端を持ち上げて見せた。
裕太は、そんな兄の笑顔を見て、ほっと胸をなで下ろすと、今度は、それにしても、と不思議そうに首をひねった。
「コーヒー、そんなに熱かった? 俺のは、ちょうどいいけど……」
これも、裕太にとっては他意のない、素朴な疑問に過ぎなかったが、また図らずも、兄の発言の矛盾を突く、鋭い突込みとなって、再び周平を狼狽させた。
「それは……お前のには、ミルクと砂糖が、たっぷり入れてあるからな」
裕太が今飲んでいるカフェオレは、周平と同じ、入れたてのコーヒーに、暖めた牛乳を加えたものだから、それほど温度が違うはずがなかったが、素直な裕太は、その苦しい弁明にすっかり納得した。
「あ、そっか、そうだね、兄ちゃんは、ブラックだからね」
裕太はそう言って、コクコクと小刻みに頭を上下させると、そういえば、と思いついたように来月行われる学園祭について話し出した。
今のちょっとした騒動で、裕太の頭からタバコの話は、すっかり消し飛んでしまったようだった。
周平は裕太の話に相槌を打ちながら、内心でその愛すべき単純さに感謝した。
朝食の席で、裕太から唐突にそう質問されて、周平は、思わず、飲みかけたコーヒーを噴出しそうになった。
別に深い考えもなく、何気ない日常会話のつもりでそう尋ねた裕太は、突然むせて激しく咳き込んだ周平に、驚いて目をぱちくりさせた。
「ど、どうしたの、兄ちゃん? 大丈夫?」
そう言って、慌てて椅子から立ち上がろうとした裕太を、周平は片手を挙げて制した。
「大丈夫、なんでもない、ちょっと、コーヒーが熱過ぎただけだ」
周平はそう弁解すると、裕太を安心させるために、少しだけ唇の端を持ち上げて見せた。
裕太は、そんな兄の笑顔を見て、ほっと胸をなで下ろすと、今度は、それにしても、と不思議そうに首をひねった。
「コーヒー、そんなに熱かった? 俺のは、ちょうどいいけど……」
これも、裕太にとっては他意のない、素朴な疑問に過ぎなかったが、また図らずも、兄の発言の矛盾を突く、鋭い突込みとなって、再び周平を狼狽させた。
「それは……お前のには、ミルクと砂糖が、たっぷり入れてあるからな」
裕太が今飲んでいるカフェオレは、周平と同じ、入れたてのコーヒーに、暖めた牛乳を加えたものだから、それほど温度が違うはずがなかったが、素直な裕太は、その苦しい弁明にすっかり納得した。
「あ、そっか、そうだね、兄ちゃんは、ブラックだからね」
裕太はそう言って、コクコクと小刻みに頭を上下させると、そういえば、と思いついたように来月行われる学園祭について話し出した。
今のちょっとした騒動で、裕太の頭からタバコの話は、すっかり消し飛んでしまったようだった。
周平は裕太の話に相槌を打ちながら、内心でその愛すべき単純さに感謝した。
周平がタバコを吸い始めたのは、天国屋百貨店に入社して、名古屋に転勤になった後だ。
「暗闇が怖いから」と、毎晩ベットに潜り込んで来た裕太を、もう抱いて眠ることが出来ないとうのは、周平にとって、それほどストレスが溜まることだった。
裕太の髪をなでながら、その肌の香りを嗅ぎ、柔らかな頬から唇へと、そっと口付けを滑らせる。
それは、裕太の眠りが深いことを確認して行う、周平の「夜の秘密」だったが、どんなにイイ女を抱いても、何度射精しても、そのささやかな儀式ほど、周平を満足させてくれはしなかった。
そうして女を抱きながらも、それが裕太とどんな風に違っているかと比較してしまう自分を、周平はタバコの煙を吸うことで誤魔化したのだ。
*
しかし、裕太を完全に手に入れた今、周平にそんな誤魔化しは必要なかった。
むしろタバコは、裕太の香りを堪能するのに、邪魔にしかならかった。
だから周平は、裕太と二人で暮らし始めてから、タバコを吸うことを止めたのだ。
裕太が石鹸やシャンプーの香りを漂わせていることすら、好ましく思わない周平が、ましてやタバコの臭いを付けたいなどと、思うはずがなかった。
*
……とはいっても、さすがの周平も、自分のそんな性癖を裕太に告白する勇気は、まだ持てなかった。
だから、先ほどの裕太の何気ない質問に、不自然なほど動揺してしまったのだ。
「――っと、いけない! 遅刻しちゃうよ」
テレビが元気よく告げた「八時」の声に、裕太は慌てて立ち上がった。
話に夢中になりすぎて、いつも家を出る時間を十分も、過ぎてしまったのだ。
大変だ、大変だ、と繰り返しながら、鞄と上着を引っつかんで、玄関を飛び出そうとする裕太の腕を、周平が後ろからぱっと掴んだ。
「裕太」
そうして名前を呼んで裕太を振り向かせると、周平は盗むように唇を触れ合わせた。
裕太は周平の突然の振る舞いに、一瞬棒立ちになったが、頬をうっすらと染めただけで、特別抵抗はしなかった。
周平は、そんな裕太に更に深く口付けながら、深呼吸するように、鼻から大きく息を吸い込んだ。
裕太の味と香りが、周平の体内にじわりと広がった。
「暗闇が怖いから」と、毎晩ベットに潜り込んで来た裕太を、もう抱いて眠ることが出来ないとうのは、周平にとって、それほどストレスが溜まることだった。
裕太の髪をなでながら、その肌の香りを嗅ぎ、柔らかな頬から唇へと、そっと口付けを滑らせる。
それは、裕太の眠りが深いことを確認して行う、周平の「夜の秘密」だったが、どんなにイイ女を抱いても、何度射精しても、そのささやかな儀式ほど、周平を満足させてくれはしなかった。
そうして女を抱きながらも、それが裕太とどんな風に違っているかと比較してしまう自分を、周平はタバコの煙を吸うことで誤魔化したのだ。
*
しかし、裕太を完全に手に入れた今、周平にそんな誤魔化しは必要なかった。
むしろタバコは、裕太の香りを堪能するのに、邪魔にしかならかった。
だから周平は、裕太と二人で暮らし始めてから、タバコを吸うことを止めたのだ。
裕太が石鹸やシャンプーの香りを漂わせていることすら、好ましく思わない周平が、ましてやタバコの臭いを付けたいなどと、思うはずがなかった。
*
……とはいっても、さすがの周平も、自分のそんな性癖を裕太に告白する勇気は、まだ持てなかった。
だから、先ほどの裕太の何気ない質問に、不自然なほど動揺してしまったのだ。
「――っと、いけない! 遅刻しちゃうよ」
テレビが元気よく告げた「八時」の声に、裕太は慌てて立ち上がった。
話に夢中になりすぎて、いつも家を出る時間を十分も、過ぎてしまったのだ。
大変だ、大変だ、と繰り返しながら、鞄と上着を引っつかんで、玄関を飛び出そうとする裕太の腕を、周平が後ろからぱっと掴んだ。
「裕太」
そうして名前を呼んで裕太を振り向かせると、周平は盗むように唇を触れ合わせた。
裕太は周平の突然の振る舞いに、一瞬棒立ちになったが、頬をうっすらと染めただけで、特別抵抗はしなかった。
周平は、そんな裕太に更に深く口付けながら、深呼吸するように、鼻から大きく息を吸い込んだ。
裕太の味と香りが、周平の体内にじわりと広がった。
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