BL版権物の二次創作ブログです。現在『メイド*はじめました』で活動中です。
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名前:うさこ
萌属性:血縁、年の差、アホ子受、ワンコ攻
好き:甘々、主人公総受け
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2007/12/13 (Thu)
中学三年の夏休み
自宅にて俺が楽才学園を受験すると決めたとき、中学の先生たちは全員それを止めた。
担任も進路指導主任も、最後には教頭や校長まで出てきて、考え直せ、一生の問題だぞ、なんて深刻ぶって忠告した。
まあ、俺だって先生たちがそう言いたくなる気持ちも分る。
自分で言うのもなんだけど、俺は裕太と違って勉強もそこそこ出来たから、遊んでたって楽才学園よりは「まし」な学校に入れただろうし、逆に三年の夏ぐらいから必死で勉強したら、それこそ都内一の進学校である、条南学園にだって入れたんじゃないかと思う。
おっと、念のために言っておくけど、別にこれは自惚れなんかじゃない。
何度も言うけど、それが本当だったから、周囲が必死になって止めたんだ、「楽才学園なんてやめろ」ってね。
*
何だかこういう言い方をすると、楽才学園が酷く程度の低い、不良や馬鹿ばかりが集まる三流学校みたいに聞こえるかもしれないけど、それは誤解だ。
楽才学園は条南学園よりも、はるかに「一流」の人間ばかりを集める、超難関校として有名なんだ……ただし、それは個人の才能が「一流」なのではなく、家柄や寄付金が「一流」という意味なんだけど……。
自宅にて俺が楽才学園を受験すると決めたとき、中学の先生たちは全員それを止めた。
担任も進路指導主任も、最後には教頭や校長まで出てきて、考え直せ、一生の問題だぞ、なんて深刻ぶって忠告した。
まあ、俺だって先生たちがそう言いたくなる気持ちも分る。
自分で言うのもなんだけど、俺は裕太と違って勉強もそこそこ出来たから、遊んでたって楽才学園よりは「まし」な学校に入れただろうし、逆に三年の夏ぐらいから必死で勉強したら、それこそ都内一の進学校である、条南学園にだって入れたんじゃないかと思う。
おっと、念のために言っておくけど、別にこれは自惚れなんかじゃない。
何度も言うけど、それが本当だったから、周囲が必死になって止めたんだ、「楽才学園なんてやめろ」ってね。
*
何だかこういう言い方をすると、楽才学園が酷く程度の低い、不良や馬鹿ばかりが集まる三流学校みたいに聞こえるかもしれないけど、それは誤解だ。
楽才学園は条南学園よりも、はるかに「一流」の人間ばかりを集める、超難関校として有名なんだ……ただし、それは個人の才能が「一流」なのではなく、家柄や寄付金が「一流」という意味なんだけど……。
そう、つまり楽才学園とはそういう学校なんだ。
条南学園に入学するために必要な条件はただ一つ、「試験でいい点を取る」それだけだれど、楽才学園に入学するためには、そういう客観的な数字は何一つ役に立たない。
例えば、入学試験が満点でも、高い入学金と授業料が払えなければ不合格だし、かといって、どんなに多額な寄付金を積んだって、家柄が悪ければ入学の許可は下りない。
これは聞いた話だけど、どこかのヤクザが億単位の金を積んで、自分の息子を入学させようとしたけど、学園側は「学園の気風と会わない」と言って、断わったそうだ。
だいたい生徒の募集要項に、受験必須資格として「卒業生又は関係者三名以上の推薦」と、はっきり書いてあるんだから、その一行だけ見たって、楽才学園のエリート主義というか、選民主義が感じ取れるのではないだろうか。
要するに「いちげんさんお断り」「紹介のない人は相手にしません」と言っているんだから、入学試験に「三代前まで審査される」なんて噂があるのもうなずける。
まあ、幸か不幸か、俺は金にも家柄にも不自由ない環境に生まれてきたから、そんな楽才学園の募集要項は十分満たしていたわけだけれども……。
*
とにかく、楽才学園と言うのはそういう学校だから、校風は競争とは無縁で至極大らか、生徒は折り紙つきのお坊ちゃん、お嬢ちゃんの集まりで、皆のんびりしてるから、裕太みたいな性格のヤツには、正にぴったりだと思う。
だから俺は、裕太が楽才学園に決めたと言ったときも驚かなかったし、むしろ納得した。
ただし、それは、俺にとって、人生の決断を迫る、一つの試練になったわけだけれど……。
*
「ねえねえ、諒! 諒も楽才学園受験するってホント?!」
「あ、うん、そう決めた」
「やったー! 嬉しいなー、高校も諒と一緒なんだ!」
「え、う、嬉しい……? ……俺と一緒だと、裕太……嬉しい、の、か?」
「うん! 嬉しいに決まってるじゃん! だって、俺と諒は、幼稚園からずっと一緒の、幼馴染なんだよ?」
「そ、そう? そうか……嬉しいのか……」
「うん! でさあ、諒、なんで楽才にしたの? 先生達すっごく反対してたじゃん、諒ならもっといい学校に行けるって」
「そんなの、関係ないよ。別に先生達のために進学する訳じゃないし、俺は自分でちゃんと考えて、行きたい学校を選んだんだから、文句は言わせない」
「うわー、さすが諒、強いなあー。俺なんかあんな風に取り囲まれて強く言われたら、すぐに負けちゃうよー」
「あは、うん、そうだろうな。裕太は、すぐに流されるから。俺がどんなに注意しても、なかなか直らないんだよな」
「うー、だからそれは性格だからしょうがない――って、ああもう、俺はそんなことじゃなくて、なんで諒も楽才にしたんだって聞いてるんだけど!」
「えーっと、だから、それは、その……校風が気に入ったし、設備も環境も良かったし、部活動も結構充実してそうだったし……それに、似たような境遇の生徒が集まるから、家のこととかで煩く騒がれたりしないで、落ち着いて勉強できそうかなって……そう、思ったからだよ」
「ああ、そっか、諒って、小父さんとか小母さんのことで、騒がれるの大っ嫌いだもんなー」
「別に父さん母さん以外のことでも、騒がれるのは嫌いだよ。注目されて煩わしい思いをするのはもうたくさんだ」
「うん、分ってる。大丈夫だよ諒、楽才でも、何かあったら俺がちゃんと庇ってあげるから、心配しなくていいよ」
「なっ、なんだよそれ、なんで俺が裕太に――」
「だってー、諒って、すぐにパニックになるから」
「そっ、それ、いつの話だよ! そんな子供の頃の……!」
「あはは、ごめん、ごめんってば、諒! もう言わないから、そんな顔真っ赤にして怒んないで」
「――ったく、冗談じゃないよ、心配なのはどっちだよ、人の気も知らないで……誰のために楽才なんかに決めたと思って……」
条南学園に入学するために必要な条件はただ一つ、「試験でいい点を取る」それだけだれど、楽才学園に入学するためには、そういう客観的な数字は何一つ役に立たない。
例えば、入学試験が満点でも、高い入学金と授業料が払えなければ不合格だし、かといって、どんなに多額な寄付金を積んだって、家柄が悪ければ入学の許可は下りない。
これは聞いた話だけど、どこかのヤクザが億単位の金を積んで、自分の息子を入学させようとしたけど、学園側は「学園の気風と会わない」と言って、断わったそうだ。
だいたい生徒の募集要項に、受験必須資格として「卒業生又は関係者三名以上の推薦」と、はっきり書いてあるんだから、その一行だけ見たって、楽才学園のエリート主義というか、選民主義が感じ取れるのではないだろうか。
要するに「いちげんさんお断り」「紹介のない人は相手にしません」と言っているんだから、入学試験に「三代前まで審査される」なんて噂があるのもうなずける。
まあ、幸か不幸か、俺は金にも家柄にも不自由ない環境に生まれてきたから、そんな楽才学園の募集要項は十分満たしていたわけだけれども……。
*
とにかく、楽才学園と言うのはそういう学校だから、校風は競争とは無縁で至極大らか、生徒は折り紙つきのお坊ちゃん、お嬢ちゃんの集まりで、皆のんびりしてるから、裕太みたいな性格のヤツには、正にぴったりだと思う。
だから俺は、裕太が楽才学園に決めたと言ったときも驚かなかったし、むしろ納得した。
ただし、それは、俺にとって、人生の決断を迫る、一つの試練になったわけだけれど……。
*
「ねえねえ、諒! 諒も楽才学園受験するってホント?!」
「あ、うん、そう決めた」
「やったー! 嬉しいなー、高校も諒と一緒なんだ!」
「え、う、嬉しい……? ……俺と一緒だと、裕太……嬉しい、の、か?」
「うん! 嬉しいに決まってるじゃん! だって、俺と諒は、幼稚園からずっと一緒の、幼馴染なんだよ?」
「そ、そう? そうか……嬉しいのか……」
「うん! でさあ、諒、なんで楽才にしたの? 先生達すっごく反対してたじゃん、諒ならもっといい学校に行けるって」
「そんなの、関係ないよ。別に先生達のために進学する訳じゃないし、俺は自分でちゃんと考えて、行きたい学校を選んだんだから、文句は言わせない」
「うわー、さすが諒、強いなあー。俺なんかあんな風に取り囲まれて強く言われたら、すぐに負けちゃうよー」
「あは、うん、そうだろうな。裕太は、すぐに流されるから。俺がどんなに注意しても、なかなか直らないんだよな」
「うー、だからそれは性格だからしょうがない――って、ああもう、俺はそんなことじゃなくて、なんで諒も楽才にしたんだって聞いてるんだけど!」
「えーっと、だから、それは、その……校風が気に入ったし、設備も環境も良かったし、部活動も結構充実してそうだったし……それに、似たような境遇の生徒が集まるから、家のこととかで煩く騒がれたりしないで、落ち着いて勉強できそうかなって……そう、思ったからだよ」
「ああ、そっか、諒って、小父さんとか小母さんのことで、騒がれるの大っ嫌いだもんなー」
「別に父さん母さん以外のことでも、騒がれるのは嫌いだよ。注目されて煩わしい思いをするのはもうたくさんだ」
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「なっ、なんだよそれ、なんで俺が裕太に――」
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