BL版権物の二次創作ブログです。現在『メイド*はじめました』で活動中です。
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名前:うさこ
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好き:甘々、主人公総受け
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2008/08/31 (Sun)
「うん? それでも、少しは背が伸びたか」
周平は笑いながら、裕太の頭をくるりと一撫でした。
大きな手ひらは、そのまま肩から腕、背中へと、離れていた間の成長を確認するように、ゆっくりと滑ってゆく。
発展途上にある体は、まだ肉が乗らず薄っぺらいが、それでも、ただふにゃりと頼りないだけだった幼児の頃に比べたら、ずいぶんとしっかりしてきた。
欠けた月が満ちるように、刻々と変化し、充実しつつある裕太の姿を見下ろして、周平は眩しそうに目を細めた。
「どれ、体重はどうかな」
周平は裕太の腰に手を添えると、よっという軽い掛け声と共に持ち上げた。
「ぅわ……!」
「こっちはあんまり増えてないな、ちゃんと食べてるか?」
「に、兄ちゃんってば!」
裕太は突然の抱っこに、バタバタと足を動かして抵抗した。
家の中ならともかく、こんなに人の目がある場所で抱き上げられるのは、さすがの裕太でも、もう恥ずかしいと感じる年頃だった。
「こら、裕太。暴れたら危ないだろ」
「だって、だって、こんなの赤ちゃんにすることだもん!」
「裕太は、赤ちゃんじゃないのか?」
「ち、違うよっ! オレ六年生なんだからね!」
「そうか、じゃあ、兄ちゃんにおかえりぐらい言えるよな?」
「あっ――」
裕太は言葉に詰まった。
周平の首にしがみついて、赤くなった頬を肩口に埋めた。
「裕太? ほら、ちゃんと言ってごらん?」
周平は相変わらず笑ったまま、裕太の体を軽く揺すった。
「お、おかえりなさい……」
「よし、いいこだ」
周平は裕太をトンと地面に下ろすと、もう一度、優しい手つきで頭を撫でた。
周平は笑いながら、裕太の頭をくるりと一撫でした。
大きな手ひらは、そのまま肩から腕、背中へと、離れていた間の成長を確認するように、ゆっくりと滑ってゆく。
発展途上にある体は、まだ肉が乗らず薄っぺらいが、それでも、ただふにゃりと頼りないだけだった幼児の頃に比べたら、ずいぶんとしっかりしてきた。
欠けた月が満ちるように、刻々と変化し、充実しつつある裕太の姿を見下ろして、周平は眩しそうに目を細めた。
「どれ、体重はどうかな」
周平は裕太の腰に手を添えると、よっという軽い掛け声と共に持ち上げた。
「ぅわ……!」
「こっちはあんまり増えてないな、ちゃんと食べてるか?」
「に、兄ちゃんってば!」
裕太は突然の抱っこに、バタバタと足を動かして抵抗した。
家の中ならともかく、こんなに人の目がある場所で抱き上げられるのは、さすがの裕太でも、もう恥ずかしいと感じる年頃だった。
「こら、裕太。暴れたら危ないだろ」
「だって、だって、こんなの赤ちゃんにすることだもん!」
「裕太は、赤ちゃんじゃないのか?」
「ち、違うよっ! オレ六年生なんだからね!」
「そうか、じゃあ、兄ちゃんにおかえりぐらい言えるよな?」
「あっ――」
裕太は言葉に詰まった。
周平の首にしがみついて、赤くなった頬を肩口に埋めた。
「裕太? ほら、ちゃんと言ってごらん?」
周平は相変わらず笑ったまま、裕太の体を軽く揺すった。
「お、おかえりなさい……」
「よし、いいこだ」
周平は裕太をトンと地面に下ろすと、もう一度、優しい手つきで頭を撫でた。
「ところで……」
周平は裕太の手を取ると、少し困ったような顔で周囲を見渡した。
「母さんはどこに行ったんだ、お前一人こんなところに立たせておいて」
「お母さん、いないよ」
「なんだ、また道に迷ってるのか?」
まったくしょうがないな、と周平はため息をついた。
過保護と過干渉では周平に引けを取らない母親だったが、そのぼんやりした性格が災いして、時々こういう失敗を犯すことがある。
はぐれた裕太を探して、全く見当違いの方向を歩き回った挙句、父親や周平に泣きの電話を入れてくるようなことが、しばしばあるのだ。
「大丈夫だよ」
周平は裕太を安心させるように頷くと、上着の胸元を探って携帯電話を取り出した。
「ちょっと待ってな裕太、いま呼び出すから」
「え? あ、違うよ兄ちゃん、ホントにいないんだよ」
ぐいぐいと袖を引っ張られて、周平は番号を押す手を止めた。
「なに?」
「最初からいないの、オレ一人なの、だから探さなくていいの」
「一人? お前一人? 裕太が一人でここまで来たのか?」
「うん、そう、一人」
裕太は嬉しそうに周平を見上げた。
周平の驚く顔があまりに新鮮で、本当は諒が一緒だったことを、裕太に沈黙させた。
周平は裕太の手を取ると、少し困ったような顔で周囲を見渡した。
「母さんはどこに行ったんだ、お前一人こんなところに立たせておいて」
「お母さん、いないよ」
「なんだ、また道に迷ってるのか?」
まったくしょうがないな、と周平はため息をついた。
過保護と過干渉では周平に引けを取らない母親だったが、そのぼんやりした性格が災いして、時々こういう失敗を犯すことがある。
はぐれた裕太を探して、全く見当違いの方向を歩き回った挙句、父親や周平に泣きの電話を入れてくるようなことが、しばしばあるのだ。
「大丈夫だよ」
周平は裕太を安心させるように頷くと、上着の胸元を探って携帯電話を取り出した。
「ちょっと待ってな裕太、いま呼び出すから」
「え? あ、違うよ兄ちゃん、ホントにいないんだよ」
ぐいぐいと袖を引っ張られて、周平は番号を押す手を止めた。
「なに?」
「最初からいないの、オレ一人なの、だから探さなくていいの」
「一人? お前一人? 裕太が一人でここまで来たのか?」
「うん、そう、一人」
裕太は嬉しそうに周平を見上げた。
周平の驚く顔があまりに新鮮で、本当は諒が一緒だったことを、裕太に沈黙させた。
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