コイビト遊戯キャラクター考察（4）

ラスト第四回は秀才対お馬鹿ということで、眼鏡櫻井と、筋肉芳賀です。
（ネタバレ全開です。ゲーム未プレイの方は要注意！）

櫻井啓寿

---

鉄仮面のかわいい物好き、無口なロマンチスト、櫻井啓寿君です。
この子は他ではなかなか見ない、珍しいタイプのキャラだと思います。
実は私、ファーストプレイでこの子を選んだんですが、それは第一印象で、彼を「頭が良くてクールな二枚目」という、「学園ヘヴン」の中嶋に代表されるような、まあよくある眼鏡君キャラ、なんだろうな、と判断したからです。
ところが、それは全然違いました。
聞いてびっくり見てびっくり、なんと実際は「根暗な虐められっ子」でして、私はもうひっくり返りました。⊂⌒~⊃｡Д｡)⊃予想外…
*
まず声を充ててるのが富士爆発（小西克幸）さんなんですが、またこれが見事に、虐められっこのドンくさい話方を再現されていて、私は聞いてて本当にイライラしましたｗ
小西さんは、低くて響きに押しの強い感じがある声で、ヤンチャなガキ大将とか、喧嘩上等な親分タイプが似合うと思うんです。
でも逆に言えばそれは、洗練された二枚目タイプには向かないということで……まあはっきり言えば、この櫻井は「垢抜けない野暮ったいキャラ」として仕上がっていた訳で……もし、この櫻井の声をもっと繊細で神経質な声の人、例えば緑川光さんとかが演じていたらまったく違ったキャラクターになっていたと思います。
……となると、周平と櫻井を入れ替えてみると面白いかも。
緑川さんだったらきっと、櫻井を繊細で感受性の強いタイプに表現したと思うし、小西さんだったら周平をもっとドンと構えた揺るがないタイプとして表現したと思う……。
うーん、果たしてこれは制作側の意図通りだったのか、予想外だったのか……いや、たぶん意図通りなのでしょう。
ということは、やっぱり櫻井は「根暗でドンくさい虐められっ子キャラ」ということで決定ですねｗ
*
私が彼のことを「虐められっ子」「虐められっ子」というのは、なにも声だけを根拠としているのではありませんよ、だって「女系家族で意地悪な姉達に虐められ、学校には友達も無く、心許せるのはペットのウサギだけ」なんて、もう彼の人生そのものが「虐められっ子」じゃないですか。
作中ではそんな話は出てきませんが、この櫻井クンは絶対に小学校の頃とか、陰口叩かれたり、仲間はずれにされたりして、虐められてたと思う。
まあさすがに高校生ともなれば、虐めっ子だの虐められっ子だのという子供じみた関係性からは卒業して、櫻井クンは「大人しい優等生」として楽才学園に通学している訳ですが、やっぱりどこか「虐められっ子」臭が漂ってるんだよなあ。
例えばこの櫻井クン、関係を持った女性に脅迫されて、その後始末をヤクザの息子である幼馴染の大貴に頼むんですが、もうこの思考回路自体が「虐められっ子」のそれでしょう？
まさに「ジャイアンが虐めるよ～、ドラえもん助けて～」じゃないですか。
他にも裕太を手に入れるために、櫻井クンがやるあれこれの根回し、周平兄と裏で通じたり、音声を隠し撮りしたり、加工したエロ写真をばら撒いたりと、まあやることなすこと、まさに「根暗なオタク」という感じで、私はもうドン引きですよ。('A`)ｳﾜｱ…
まあ、元来流されやすい裕太ですから、この櫻井のどうしようもなさぶりに、結局ほだされてしまうんですが……（；^ω^）ｵｲｵｲ
とりあえず、BLでは滅多に見ない珍しいタイプの「攻め」キャラであることは間違いないです。
*
あ、そういえば彼の「変態」についてまだ語ってませんでしたね。
彼の性向を語る上での重要なエピソードとして「兎と裸で抱き合って転げ回っていた」というのがあるんですが、彼は別に獣姦の趣味があるわけではありません。
どうやらこれは「純粋で無垢」「従順で無抵抗」そういったものに対して愛着を持つという性癖を表しているようです。
私はこの櫻井の趣味について「一人墜落」で大貴に「純真無垢なのが好きって、そういうのは危ないよ。そのうち子供でも浚ってきちゃうんじゃないの」と言わせたんですが、結局櫻井が欲求を満たすためには、最終的にそこに行き着くしかなくなるのでは、と考えたからです。
彼が裕太に対して期待しているのもそういう部分なのでしょうが……宮崎勉の例もあって、どうもこういうのには乗り切れない気分です。(´･ω･`)ﾓｴﾅｲ…
おっと、だけどベストエンド「眼鏡の奥に」では、ちゃんと櫻井は「純粋で無垢」「従順で無抵抗」な兎ではなく、一人の対等な人間として裕太を愛することを学習しますのでご安心をｗ


芳賀伊吹

---

脳味噌筋肉の空手馬鹿一代、熱血青春野郎こと芳賀伊吹君です。
純朴で素直で、難しいことは分らないけど曲がったことは大嫌いという、まあ世間一般で言うところの、高校生らしい……下半身の欲求に素直なところも含めて、実に高校生らしい、真っ直ぐないい子なんでしょう、彼は。
そう、いい子なんでしょうが……趣味じゃあないんだなこれがｗ
いやあ、かわいいなあ、かわいいなあとは思うんですよ、ゲームをプレーしてて何度もそう思いましたが、いかんせん馬鹿すぎるですよｗ
*
声のヘルシー太郎（伊藤健太郎）さんは、実に上手くこの芳賀伊吹の役を演じてらっしゃいました。
まさに、はまり役といってもいいぐらいぴったりでした。
芳賀の熱い爽やかさ、例えるなら「汗の匂いのする爽やかさ」とでも言えば良いでしょうか、それと「青い春の戸惑い」ともいうべき、思春期の青年の持つ微妙な情感を、実に自然に演じてらして、上手いなあと本当に感心しました。
*
しかしあれですね、夕日をバックに自転車二人乗りって……もちろん制作側はギャグで作ってるのはわかってるんですが……私はもう笑うというより「（￣□￣；）!!｣って気分でしたよｗ
いやいや、それだけじゃなくて、裕太に女装させてラブホ行くとか、オナニー止まらないから手を縛って寝るとか、すっかり「脳味噌筋肉」から「脳味噌下半身」に変身ですよ、まったくこの芳賀君は馬鹿すぎます。
こういう馬鹿さ（若さ？）をかわいいなあと思えなくはないし、初々しいエロにモエなくもないんですが……どうもやっぱり「趣味じゃない」っていう感じですね。
*
この芳賀君は、きっと十年……いや二十年したら、すごくいい男になってると思います。
もっと人生経験をつんで、人間としての重さと厚みを持た彼を見てみたいです。
そう言えば、彼は三人兄弟の真ん中なんですよね、で、彼等はみんな人目で兄弟とわかるぐらいそっくりということなんで、ひょっとしたらお兄ちゃんのほうが男として美味しい感じかも知れません……(*ﾟ∀ﾟ)=3ｱﾆ…ﾊｧﾊｧ