BL版権物の二次創作ブログです。現在『メイド*はじめました』で活動中です。
自己紹介
名前:うさこ
萌属性:血縁、年の差、アホ子受、ワンコ攻
好き:甘々、主人公総受け
嫌い:イタい子
イチオシ:安元洋貴ボイズ
サイトバナー:リンクフリーです
↓ご自由にお使いください
↑姉妹サイトです(全年齢)
メールフォーム
[PR]Samurai Sounds
最古記事
(10/25)
(10/26)
(10/27)
(10/28)
(10/29)
最新記事
(09/27)
(09/21)
(09/16)
(09/14)
(09/07)
最新コメント
[04/05 khh]
[11/08 スガイ]
[02/05 晶 旭]
[01/02 佐倉。]
[12/28 これから買います]
2008/08/04 (Mon)
肌を合わせている間の親密感も、ことが終わってしまえば単に煩わしいだけのこと。
しかし、まさか女に向かって、早く離れろなどと言えるはずもなく、周平は無言のまま一人、寝台から身を起こした。
「周平さん?」
余韻の残る、甘ったるい声で女が呼んだ。
体の興奮が収まった今、乱れた髪と崩れた化粧の女に、周平は何の興味も持てなかった。
「君は朝までいればいいよ」
周平は振り返らずに言った。
「え……どういうこと……」
「俺は明日早いから」
「早いって……明日から休みなんでしょ?」
「そうだけど」
さっさと身支度を整える周平に、女は困惑した様子でシーツを引き寄せた。
「あの……だから、私が街を案内してあげる。周平さん、まだこっちに慣れてないでしょ?」
「ありがたいけど、明日は無理だな」
「何か予定あるの……?」
「一度、向こうに帰ろうと思ってね」
鏡を見ながらネクタイを締め直す周平の背中を、女はぼんやりと見詰めた。
「向こうって……東京……?」
「ああ、弟に帰るって約束したんだ」
「弟……」
手櫛でさっと髪を整えた周平は、大股で部屋を横切り、クローゼットから上着を取り出した。
「チェックは済ませてあるから」
ほとんど無表情にそう言うと、オヤスミもサヨウナラもなく、周平はそのままあっさりと部屋を出て行った。
しかし、まさか女に向かって、早く離れろなどと言えるはずもなく、周平は無言のまま一人、寝台から身を起こした。
「周平さん?」
余韻の残る、甘ったるい声で女が呼んだ。
体の興奮が収まった今、乱れた髪と崩れた化粧の女に、周平は何の興味も持てなかった。
「君は朝までいればいいよ」
周平は振り返らずに言った。
「え……どういうこと……」
「俺は明日早いから」
「早いって……明日から休みなんでしょ?」
「そうだけど」
さっさと身支度を整える周平に、女は困惑した様子でシーツを引き寄せた。
「あの……だから、私が街を案内してあげる。周平さん、まだこっちに慣れてないでしょ?」
「ありがたいけど、明日は無理だな」
「何か予定あるの……?」
「一度、向こうに帰ろうと思ってね」
鏡を見ながらネクタイを締め直す周平の背中を、女はぼんやりと見詰めた。
「向こうって……東京……?」
「ああ、弟に帰るって約束したんだ」
「弟……」
手櫛でさっと髪を整えた周平は、大股で部屋を横切り、クローゼットから上着を取り出した。
「チェックは済ませてあるから」
ほとんど無表情にそう言うと、オヤスミもサヨウナラもなく、周平はそのままあっさりと部屋を出て行った。
「諒ん家行って来るね!」
裕太はそう言うと、朝食の席から元気よく立ち上がった。
今にも部屋を飛び出して行きそうな裕太の勢いに、母親は急いで洗い物の手を止めた。
「裕太、裕太ちょっと待って、これお隣に持って行って」
「なに、これ?」
冷蔵庫の中から取り出された白い紙箱に、裕太は首をかしげた。
ひっくり返して裏を見ようとする小さな手を、母親が慌てて押さえる。
「ダメよっ、裕太! ちゃんと真っ直ぐ持って。チーズケーキだから」
「チーズケーキ?!」
「そう、昨日焼いておいたの。いつもお世話になってるお礼よ、諒くんのお母さんに渡してちょうだい」
「あげちゃうの? なんでー、オレも食べたいのに」
ぷっと頬を膨らませた裕太の額を、母親が人差し指でツンと突いた。
「何言ってるの、どうせおやつの時間に、一緒にご馳走になるんでしょ」
「えー、だけど今日は――――」
裕太はそこでふいに言葉を止めた。
天井を睨んで、何ごとか考え込んでいる。
「今日は? どうしたの裕太」
「うん、いいよ、わかった。おばさんに渡せばいいんでしょ」
急に大人びた顔で頷いた裕太に、母親は首をかしげた。
「そう……? ちゃんとご挨拶できる?」
「できるよ」
「ホントかしら、ちょっと、ここで一回言ってみて?」
「“ハハからです”って言えばいいんでしょ」
「それと、“いつもありがとうございます”よ、お家に上がるときは“お邪魔します”ってちゃんと言ってね、親しき仲にも礼儀ありって……」
「もー、わかってるってば!」
裕太は苛立ったように叫ぶと、母親からケーキの箱をひったくった。
7号サイズの……裕太にとってはまだすこし大きめな箱を、胸の位置で強く抱える。
「いってきます!」
「あっ! こら、裕太っ、走っちゃダメよ、転んだら――」
くるりと踵を返し駆け出した裕太に、母親は思わず手を伸ばしたが、全ての小言を言い終える前に、その背中はリビングの向こう側に消えた。
裕太はそう言うと、朝食の席から元気よく立ち上がった。
今にも部屋を飛び出して行きそうな裕太の勢いに、母親は急いで洗い物の手を止めた。
「裕太、裕太ちょっと待って、これお隣に持って行って」
「なに、これ?」
冷蔵庫の中から取り出された白い紙箱に、裕太は首をかしげた。
ひっくり返して裏を見ようとする小さな手を、母親が慌てて押さえる。
「ダメよっ、裕太! ちゃんと真っ直ぐ持って。チーズケーキだから」
「チーズケーキ?!」
「そう、昨日焼いておいたの。いつもお世話になってるお礼よ、諒くんのお母さんに渡してちょうだい」
「あげちゃうの? なんでー、オレも食べたいのに」
ぷっと頬を膨らませた裕太の額を、母親が人差し指でツンと突いた。
「何言ってるの、どうせおやつの時間に、一緒にご馳走になるんでしょ」
「えー、だけど今日は――――」
裕太はそこでふいに言葉を止めた。
天井を睨んで、何ごとか考え込んでいる。
「今日は? どうしたの裕太」
「うん、いいよ、わかった。おばさんに渡せばいいんでしょ」
急に大人びた顔で頷いた裕太に、母親は首をかしげた。
「そう……? ちゃんとご挨拶できる?」
「できるよ」
「ホントかしら、ちょっと、ここで一回言ってみて?」
「“ハハからです”って言えばいいんでしょ」
「それと、“いつもありがとうございます”よ、お家に上がるときは“お邪魔します”ってちゃんと言ってね、親しき仲にも礼儀ありって……」
「もー、わかってるってば!」
裕太は苛立ったように叫ぶと、母親からケーキの箱をひったくった。
7号サイズの……裕太にとってはまだすこし大きめな箱を、胸の位置で強く抱える。
「いってきます!」
「あっ! こら、裕太っ、走っちゃダメよ、転んだら――」
くるりと踵を返し駆け出した裕太に、母親は思わず手を伸ばしたが、全ての小言を言い終える前に、その背中はリビングの向こう側に消えた。
PR
この記事にコメントする
ブログ内検索
注意事項
必ず最初にお読みください
成人を対象とした作品の二次創作物を含みます。
作中登場する組織名、人物名等は創作であり、実在のものとはいっさい関係ありません。
オンラインのみで活動中です。オフラインで活動する予定はありません。
作中登場する組織名、人物名等は創作であり、実在のものとはいっさい関係ありません。
オンラインのみで活動中です。オフラインで活動する予定はありません。
商品紹介
コイビト遊戯・しおり-短編・他-
コイビト遊戯・しおり-長編-
長編
一人墜落[大貴×裕太]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
蛇の林檎[周平×裕太]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
クリスマスの箱舟[周平×裕太]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
深呼吸[周平×裕太]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
ピーピング・トム[周平×裕太+諒]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
日々是好日[周平×裕太]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
災いの黒幕[周平×裕太]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
ワガママ[周平×裕太]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
プロメテウスの[周平×裕太]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
携帯と夏休み[周平×裕太]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
依存症[周平×裕太]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
一人墜落[大貴×裕太]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
蛇の林檎[周平×裕太]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
クリスマスの箱舟[周平×裕太]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
深呼吸[周平×裕太]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
ピーピング・トム[周平×裕太+諒]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
日々是好日[周平×裕太]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
災いの黒幕[周平×裕太]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
ワガママ[周平×裕太]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
プロメテウスの[周平×裕太]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
携帯と夏休み[周平×裕太]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)
依存症[周平×裕太]0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(完)