BL版権物の二次創作ブログです。現在『メイド*はじめました』で活動中です。
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名前:うさこ
萌属性:血縁、年の差、アホ子受、ワンコ攻
好き:甘々、主人公総受け
嫌い:イタい子
イチオシ:安元洋貴ボイズ
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2007/12/18 (Tue)
裕太はマンションから一歩出たところで、一つ大きく深呼吸した。
出先に周平から送られた、熱烈なキスの余韻が、まだ裕太頬を赤く染めていた。
「ああー、もう、しっかりしろ、俺!」
突然大声を張り上げた裕太に、通勤途中のサラリーマンが数人、チラリと視線をよこしたが、おそらく係わり合いにならないほうが良いと判断したのだろう、そのまま何もなかったかのような顔をして通り過ぎていった。
裕太は表情を隠すように下を向くと、フラッシュバックのように甦ってくる、周平の手や、舌の動きを追い出そうと、強く頭を振った。
そうして、ほとんど駆け足の速さになって、駅へ向かった。
出先に周平から送られた、熱烈なキスの余韻が、まだ裕太頬を赤く染めていた。
「ああー、もう、しっかりしろ、俺!」
突然大声を張り上げた裕太に、通勤途中のサラリーマンが数人、チラリと視線をよこしたが、おそらく係わり合いにならないほうが良いと判断したのだろう、そのまま何もなかったかのような顔をして通り過ぎていった。
裕太は表情を隠すように下を向くと、フラッシュバックのように甦ってくる、周平の手や、舌の動きを追い出そうと、強く頭を振った。
そうして、ほとんど駆け足の速さになって、駅へ向かった。
「凄く慣れている」
周平の振る舞いに、裕太はいつもそう感じずに入られなかった。
裕太は周平以外を知らなかったから、他とは比べようがなかったが、それでも、誰もがこんな風に自然に体に触れたり、唇を合わせたり出来るのだとは思えなかった。
例えばキス一つにしても、周平には色々なやり方があった。
さっきみたいに、不意打で、深い口付けを仕掛けてくるときもあれば、視線があった合図に、子供のいたずらのようなキスを、頬に送ってくることもある。
ときには噛み付くように、ときには舐めるように、何度も何度も違うキスをして、周平は裕太を翻弄した。
裕太も、いいかげんキスぐらいで動揺するのは止めようと思うのだが、そんな決意も周平の手管の前に、いつも脆く崩れ去ってしまうのだった。
*
「はよ、藍川」
机に座ってぼんやりとそんな事を考えていた裕太は、突然背後からかけられた声に、飛び上がって驚いた。
「わあ! た、滝沢!」
慌てふためいて、目を白黒させている裕太を、どこか面白がるような目で見下ろした滝沢は、ニヤリとたちの悪い笑みをその口元に浮かべた。
「んだよ、朝っぱらから、やらしいことでも考えてたのか?」
裕太は、滝沢が自分をからかっているのだとわかっていたが、それでも図星を指された衝撃に、顔が勝手に赤くなるのを止められなかった。
「な、な、な……なん、なんで、そんな、違う……」
視線を中に彷徨わせて、しどろもどろになった裕太を見て、滝沢はふんと鼻で笑った。
「おいおい、マジかよ、お前みてえなガキ、相手にする女いるの? ……ああ……つーか、あれか……ひょっとして、年増女にでも食われたか?」
滝沢の声は裕太を馬鹿にするような調子だったが、何故か目だけは、そんな態度と裏腹に酷く真剣だった。
「はえ? な、なに……豊島? 食われた……って?」
頬を赤く染めたまま、不思議そうな顔で首を傾げた裕太を、滝沢は探るような視線でじっと見つめた。
「た、滝沢……? あの……だから、違うから。そんな、女の子とか、関係ないから……」
翠色の瞳でじっと顔を覗き込まれた裕太は、なんだか落ち着かない気分になって、もじもじと、さらに言い訳を重ねた。
「……ふーん……ま、そうだろうな」
滝沢はそんな裕太に何を感じ取ったのか、顎を突き出すようにして、一つ小さくうなずいた。
なんだか一人で納得してしまった様子の滝沢に、裕太はとりあえず、ピンチは切り抜けられたようだと、ほっと肩の力を抜いた。
「う、うん、そう……だよ……」
ところが、裕太が安心したのもつかの間、どうやら滝沢は追及を止めるつもりはないらしかった。
「へー、なら、何を考えてたわけ?」
再び例のニヤニヤ笑いを浮かべながらそう尋ねてきた滝沢に、裕太はまた慌てて言い訳を探さなければならなかった。
「え?! えーっと、その、つまり……あ! そうだ! ねえ、滝沢、滝沢はさ、女の子に触られても、照れたりしないの?」
「……はあ? なんだそりゃ……」
滝沢は裕太から飛び出した予想外の質問に、面食らった顔で口をあけた。
「だ、だから、滝沢はいつも、周りにいる女の子達と腕組んだり……腰に手を回したりしてるだろ? そういうとき、ドキドキしたり、緊張したりするだろ?」
滝沢はようやく裕太の質問の意図を飲み込んだのか、あきれたとでも言うように、大げさに肩をすくめた。
「……お前、そんなくだらないこと考えてたわけ?」
「く、くだらなくないよ、重要な問題だろ?」
必死になって抗弁する裕太に、滝沢は馬鹿馬鹿しいと言わんばかりの態度で首を振った。
「緊張なんかする訳ねえだろ……あのなあ、お前だって、その机に触ったり、椅子に座ったりすんのに、いちいち緊張したり、胸ときめかせたりしてんのかよ、んな訳ねえだろ?」
まるで当然のことのようにそう言い放った滝沢に、裕太は困惑した。
「そ、そんな……机と、女の子は違うよ……」
「同じだよ、取り巻きの女なんか、その程度で十分だろ。だいたい、この俺が今更、女相手にドキドキもくそもあるかよ、そういうのには慣れすぎて、もう飽き飽してるつーの」
間髪いれずにそう返してきた滝沢の物言いは、あまりにも自信たっぷりで、裕太はますます混乱した。
「でも、でも――」
何とか反論しようと、裕太が言葉を捜していると、それを遮るように始業のベルがなった。
「おっと、しょうがねえな……じゃ、次はもっと、ましな質問しろよ」
滝沢は裕太の頭をくしゃっと少し乱暴に撫でると、あーあと、大きくあくびをしながら、自分の席へと向かった。
(女の子を何とも思ってないからドキドキしない……慣れて、飽き飽きして……)
裕太は、机にうつ伏せになって居眠りを始めた滝沢の背中を見ながら、言い様のないもやもやが胸を覆うのを感じた。
周平の振る舞いに、裕太はいつもそう感じずに入られなかった。
裕太は周平以外を知らなかったから、他とは比べようがなかったが、それでも、誰もがこんな風に自然に体に触れたり、唇を合わせたり出来るのだとは思えなかった。
例えばキス一つにしても、周平には色々なやり方があった。
さっきみたいに、不意打で、深い口付けを仕掛けてくるときもあれば、視線があった合図に、子供のいたずらのようなキスを、頬に送ってくることもある。
ときには噛み付くように、ときには舐めるように、何度も何度も違うキスをして、周平は裕太を翻弄した。
裕太も、いいかげんキスぐらいで動揺するのは止めようと思うのだが、そんな決意も周平の手管の前に、いつも脆く崩れ去ってしまうのだった。
*
「はよ、藍川」
机に座ってぼんやりとそんな事を考えていた裕太は、突然背後からかけられた声に、飛び上がって驚いた。
「わあ! た、滝沢!」
慌てふためいて、目を白黒させている裕太を、どこか面白がるような目で見下ろした滝沢は、ニヤリとたちの悪い笑みをその口元に浮かべた。
「んだよ、朝っぱらから、やらしいことでも考えてたのか?」
裕太は、滝沢が自分をからかっているのだとわかっていたが、それでも図星を指された衝撃に、顔が勝手に赤くなるのを止められなかった。
「な、な、な……なん、なんで、そんな、違う……」
視線を中に彷徨わせて、しどろもどろになった裕太を見て、滝沢はふんと鼻で笑った。
「おいおい、マジかよ、お前みてえなガキ、相手にする女いるの? ……ああ……つーか、あれか……ひょっとして、年増女にでも食われたか?」
滝沢の声は裕太を馬鹿にするような調子だったが、何故か目だけは、そんな態度と裏腹に酷く真剣だった。
「はえ? な、なに……豊島? 食われた……って?」
頬を赤く染めたまま、不思議そうな顔で首を傾げた裕太を、滝沢は探るような視線でじっと見つめた。
「た、滝沢……? あの……だから、違うから。そんな、女の子とか、関係ないから……」
翠色の瞳でじっと顔を覗き込まれた裕太は、なんだか落ち着かない気分になって、もじもじと、さらに言い訳を重ねた。
「……ふーん……ま、そうだろうな」
滝沢はそんな裕太に何を感じ取ったのか、顎を突き出すようにして、一つ小さくうなずいた。
なんだか一人で納得してしまった様子の滝沢に、裕太はとりあえず、ピンチは切り抜けられたようだと、ほっと肩の力を抜いた。
「う、うん、そう……だよ……」
ところが、裕太が安心したのもつかの間、どうやら滝沢は追及を止めるつもりはないらしかった。
「へー、なら、何を考えてたわけ?」
再び例のニヤニヤ笑いを浮かべながらそう尋ねてきた滝沢に、裕太はまた慌てて言い訳を探さなければならなかった。
「え?! えーっと、その、つまり……あ! そうだ! ねえ、滝沢、滝沢はさ、女の子に触られても、照れたりしないの?」
「……はあ? なんだそりゃ……」
滝沢は裕太から飛び出した予想外の質問に、面食らった顔で口をあけた。
「だ、だから、滝沢はいつも、周りにいる女の子達と腕組んだり……腰に手を回したりしてるだろ? そういうとき、ドキドキしたり、緊張したりするだろ?」
滝沢はようやく裕太の質問の意図を飲み込んだのか、あきれたとでも言うように、大げさに肩をすくめた。
「……お前、そんなくだらないこと考えてたわけ?」
「く、くだらなくないよ、重要な問題だろ?」
必死になって抗弁する裕太に、滝沢は馬鹿馬鹿しいと言わんばかりの態度で首を振った。
「緊張なんかする訳ねえだろ……あのなあ、お前だって、その机に触ったり、椅子に座ったりすんのに、いちいち緊張したり、胸ときめかせたりしてんのかよ、んな訳ねえだろ?」
まるで当然のことのようにそう言い放った滝沢に、裕太は困惑した。
「そ、そんな……机と、女の子は違うよ……」
「同じだよ、取り巻きの女なんか、その程度で十分だろ。だいたい、この俺が今更、女相手にドキドキもくそもあるかよ、そういうのには慣れすぎて、もう飽き飽してるつーの」
間髪いれずにそう返してきた滝沢の物言いは、あまりにも自信たっぷりで、裕太はますます混乱した。
「でも、でも――」
何とか反論しようと、裕太が言葉を捜していると、それを遮るように始業のベルがなった。
「おっと、しょうがねえな……じゃ、次はもっと、ましな質問しろよ」
滝沢は裕太の頭をくしゃっと少し乱暴に撫でると、あーあと、大きくあくびをしながら、自分の席へと向かった。
(女の子を何とも思ってないからドキドキしない……慣れて、飽き飽きして……)
裕太は、机にうつ伏せになって居眠りを始めた滝沢の背中を見ながら、言い様のないもやもやが胸を覆うのを感じた。
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