BL版権物の二次創作ブログです。現在『メイド*はじめました』で活動中です。
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名前:うさこ
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好き:甘々、主人公総受け
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2008/01/31 (Thu)
「へぇー、ああ、そう、それじゃあ、裕太が嘘付いたり、隠し事したりしたのは、全部、俺のせいって、ことなんだ。あっそう、ふーん、なるほどねっ」
裕太に向かって突き刺されとばかりに吐き出した、俺の神経質な台詞に、裕太は敏感に反応した。
「ええっ!? ち、違うよ、そういうことじゃなくって! ただ……諒に、嫌な思いさせたくなかったって言うか……」
急降下した俺の機嫌を取り持とうと、裕太はぎゅっと手を握ってきた。
裕太は、すぐにこういうことをするからずるい。
別に変なつもりはないって判ってるけど……誤解しそうになる。
「……裕太に隠し事されてるほうが、ずっと、嫌なんだけど」
ちょっと裕太に触られたぐらいで、途端に気持ちが上向く自分の現金さが恥ずかしくて、俺はわざと唇を尖らせて、不機嫌を装った。
「……ごめん、諒……」
そんな俺の打算になど、まったく気が付かないのだろう裕太は、俯いて手を握ったまま、やっぱりまた謝った。
「だから、謝ってなんか欲しくないの、理由を教えてって言ってるんだよ」
何をそこまで隠してるのか、隠さなきゃいけないのか。
単純な裕太らしくない、あまりにもかたくなな態度に、俺の気持ちは苛立ちから、次第に不安へと塗り変わっていった。
裕太に向かって突き刺されとばかりに吐き出した、俺の神経質な台詞に、裕太は敏感に反応した。
「ええっ!? ち、違うよ、そういうことじゃなくって! ただ……諒に、嫌な思いさせたくなかったって言うか……」
急降下した俺の機嫌を取り持とうと、裕太はぎゅっと手を握ってきた。
裕太は、すぐにこういうことをするからずるい。
別に変なつもりはないって判ってるけど……誤解しそうになる。
「……裕太に隠し事されてるほうが、ずっと、嫌なんだけど」
ちょっと裕太に触られたぐらいで、途端に気持ちが上向く自分の現金さが恥ずかしくて、俺はわざと唇を尖らせて、不機嫌を装った。
「……ごめん、諒……」
そんな俺の打算になど、まったく気が付かないのだろう裕太は、俯いて手を握ったまま、やっぱりまた謝った。
「だから、謝ってなんか欲しくないの、理由を教えてって言ってるんだよ」
何をそこまで隠してるのか、隠さなきゃいけないのか。
単純な裕太らしくない、あまりにもかたくなな態度に、俺の気持ちは苛立ちから、次第に不安へと塗り変わっていった。
「…………」
いつまでも返事をしない裕太にじれて、今度は俺がその手を強く握り返した。
「またアイツに変なことでも言われたのか? 俺には――黙ってろって命令されたとか?」
それよりももっと……もっと、おかしなことを強要されているのかと、本当は言いたかった。
言いたかったのに、俺の口はそれ以上動かなかった。
裕太に、いやらしいヤツだと思われたらどうしようかとか、自分の妄想をアイツに投影してるだけなんじゃないかとか、そんな色んなことが一瞬のうちに脳内を駆け巡って、俺の舌にブレーキをかけた。
「違うよ、諒……兄ちゃんはそんなこと言わないよ」
そんな俺の言葉の何がおかしかったのか、裕太はふっと表情を和らげた。
そして、その気安さに流されるまま「ただ……」と言葉を続けてから、はっと慌てて口を押さえた。
「ただ?」
当然、そんなに分りやすい態度を、俺が見逃すはずなかった。
「――黙ってろとは言われてないけど、隠しておけとは言われたとか? ……何アイツ、警察にでも追われてるの」
悪感情をたっぷりこめて皮肉を言った俺に、裕太は少し悲しげな顔をした。
「諒……そんなんじゃないってば、本当に……ただ…………ここには、誰も上げるなって、兄ちゃんが言ったのは、それだけだよ」
想像していたよりも、ずっと穏当だった隠し事の理由に、俺はちょっと拍子抜けした。
「なんだ、そういうこと……ああ、だから、さっき俺を部屋に入れるの、あんなに嫌がったんだ」
なら最初からそう言えばいいのにと、俺は裕太の無駄な気の使い方に苦笑した。
「ここ、兄ちゃんのマンションだし……俺、勝手なこと出来ないし……だから……ごめん……」
それは確かに、「部屋には上げない」なんて言われたら、いい気分はしないけど、俺は誰よりもアイツの異常さを良く分かってるんだから、理由を聞けばちゃんと納得したのに……と、思いかけて、いや、やっぱり納得しないな、と思い直した。
もし俺が先にそれを聞いていたら、アイツの勝手な言い分に従うことなんてないと、詰め寄っただろうし、大人しく言いなりになっている裕太に対しても、腹を立てたと思う。
ひょっとしたら、裕太にアイツの部屋なんか出て、俺の家に来いと、また家出を誘ったかもしれない……そうすると、悔しいけれど、裕太の判断は的確だったのだろう。
だって裕太はそういう揉め事が、何よりも一番……大嫌いなのだから……。
「……いいよ、分った……裕太が謝る必要ない……」
裕太の気持ちを汲んだ以上、俺はそう言わざるを得なかった。
「諒……」
俺の容認を得たと思ったのだろう、裕太はほっと、安心したように笑った。
いつまでも返事をしない裕太にじれて、今度は俺がその手を強く握り返した。
「またアイツに変なことでも言われたのか? 俺には――黙ってろって命令されたとか?」
それよりももっと……もっと、おかしなことを強要されているのかと、本当は言いたかった。
言いたかったのに、俺の口はそれ以上動かなかった。
裕太に、いやらしいヤツだと思われたらどうしようかとか、自分の妄想をアイツに投影してるだけなんじゃないかとか、そんな色んなことが一瞬のうちに脳内を駆け巡って、俺の舌にブレーキをかけた。
「違うよ、諒……兄ちゃんはそんなこと言わないよ」
そんな俺の言葉の何がおかしかったのか、裕太はふっと表情を和らげた。
そして、その気安さに流されるまま「ただ……」と言葉を続けてから、はっと慌てて口を押さえた。
「ただ?」
当然、そんなに分りやすい態度を、俺が見逃すはずなかった。
「――黙ってろとは言われてないけど、隠しておけとは言われたとか? ……何アイツ、警察にでも追われてるの」
悪感情をたっぷりこめて皮肉を言った俺に、裕太は少し悲しげな顔をした。
「諒……そんなんじゃないってば、本当に……ただ…………ここには、誰も上げるなって、兄ちゃんが言ったのは、それだけだよ」
想像していたよりも、ずっと穏当だった隠し事の理由に、俺はちょっと拍子抜けした。
「なんだ、そういうこと……ああ、だから、さっき俺を部屋に入れるの、あんなに嫌がったんだ」
なら最初からそう言えばいいのにと、俺は裕太の無駄な気の使い方に苦笑した。
「ここ、兄ちゃんのマンションだし……俺、勝手なこと出来ないし……だから……ごめん……」
それは確かに、「部屋には上げない」なんて言われたら、いい気分はしないけど、俺は誰よりもアイツの異常さを良く分かってるんだから、理由を聞けばちゃんと納得したのに……と、思いかけて、いや、やっぱり納得しないな、と思い直した。
もし俺が先にそれを聞いていたら、アイツの勝手な言い分に従うことなんてないと、詰め寄っただろうし、大人しく言いなりになっている裕太に対しても、腹を立てたと思う。
ひょっとしたら、裕太にアイツの部屋なんか出て、俺の家に来いと、また家出を誘ったかもしれない……そうすると、悔しいけれど、裕太の判断は的確だったのだろう。
だって裕太はそういう揉め事が、何よりも一番……大嫌いなのだから……。
「……いいよ、分った……裕太が謝る必要ない……」
裕太の気持ちを汲んだ以上、俺はそう言わざるを得なかった。
「諒……」
俺の容認を得たと思ったのだろう、裕太はほっと、安心したように笑った。
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