BL版権物の二次創作ブログです。現在『メイド*はじめました』で活動中です。
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名前:うさこ
萌属性:血縁、年の差、アホ子受、ワンコ攻
好き:甘々、主人公総受け
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イチオシ:安元洋貴ボイズ
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2007/12/05 (Wed)
「……兄ちゃん。俺、変じゃなかった?」
風呂上りの裕太の髪を乾かしていた周平は、その不安げな声の調子に、おや、と手を止めた。
裕太は額に当たるドライヤーの風に目を瞑ったまま、周平にもう一度尋ねた。
「ねえ、ちゃんと普通に見えたかな?」
周平はドライヤーを切ると、手櫛で軽く裕太の髪を整え、最後の仕上げに、つむじへと唇を落とした。
「裕太は、何がそんなに心配なんだ?」
直接頭に吹き込むように、低く囁かれた言葉に、裕太は首をすくめた。
「あ、だって……こんなの、ホントはいけないこと、でしょ……?」
おびえた様子の裕太とは対照的に、周平は至って上機嫌だった。
「そうか、いけないのか」
おかしそうに笑った周平の唇が、つむじから、首筋へ、首筋から、耳の裏へと移動してゆくのを感じて、裕太は動揺した。
「だ、だって、そうでしょ……もし、こんなこと、母さんに知られたら……」
裕太のそんな動揺までも楽しみながら、周平は口付けを続けた。
「知られたら?」
周平の吐息が唇に届きそうになった瞬間、それまで大人しくされるがままになっていた裕太が、はっと体をひねって腕から逃れた。
風呂上りの裕太の髪を乾かしていた周平は、その不安げな声の調子に、おや、と手を止めた。
裕太は額に当たるドライヤーの風に目を瞑ったまま、周平にもう一度尋ねた。
「ねえ、ちゃんと普通に見えたかな?」
周平はドライヤーを切ると、手櫛で軽く裕太の髪を整え、最後の仕上げに、つむじへと唇を落とした。
「裕太は、何がそんなに心配なんだ?」
直接頭に吹き込むように、低く囁かれた言葉に、裕太は首をすくめた。
「あ、だって……こんなの、ホントはいけないこと、でしょ……?」
おびえた様子の裕太とは対照的に、周平は至って上機嫌だった。
「そうか、いけないのか」
おかしそうに笑った周平の唇が、つむじから、首筋へ、首筋から、耳の裏へと移動してゆくのを感じて、裕太は動揺した。
「だ、だって、そうでしょ……もし、こんなこと、母さんに知られたら……」
裕太のそんな動揺までも楽しみながら、周平は口付けを続けた。
「知られたら?」
周平の吐息が唇に届きそうになった瞬間、それまで大人しくされるがままになっていた裕太が、はっと体をひねって腕から逃れた。
「きっと、許してもらえないよ……」
青白い顔をして俯いてしまった裕太を見て、周平は少しからかい過ぎたと反省した。
突然やってきた母親に、今日は裕太を取られてしまうだろうと覚悟していた周平だったが、その心配が杞憂に終わり、だいぶ浮かれていたのだ。
「大丈夫、何もしない」
周平は裕太を落ち着かせるために、そっと温もりを伝えるだけの抱擁をした。
とっさに体を硬くした裕太も、周平がそれ以上触れてこないと分ると、緊張を解いて、その胸にもたれかかった。
「兄ちゃんは……怖くないの……?」
禁忌の扉を開いてしまう事を恐れながらも、裕太はそれを聞かずにおられなかった。
ひどく深刻な表情で見上げてくる裕太を、周平は、凪いだ厳冬の海のような、深く、静かで、そして底知れない闇を秘めた瞳で、じっと見つめ返した。
「俺の箱舟は、お前だから……何も、怖くないんだよ」
*
「はこ、ぶね……?」
突然の聞きなれない言葉に、裕太は首をかしげた。
「そう、ノアの箱舟。裕太、絵本持ってただろう?」
周平は裕太の質問に答えながら、その手を引いてベッドに入らせた。
「えっと……日曜学校のクリスマスプレゼントでもらったやつ?」
裕太が、幼稚園の間だけ通わされていた教会のことで思い出せるのは、そのプレゼントと、神父の立派なひげぐらいしかなかった。
「ああ、覚えてるか?」
部屋の明かりを消すと、周平はベッドサイドの足下灯を点し、裕太の隣に横になった。
「えっと、たしか……ノアって人が、船を作って大洪水から逃げる話だよね……俺、真白な鳩がオリーブの枝を咥えてる絵が大好きで、兄ちゃんにそこだけ読んでって、何度もせがんで……」
そう言えばあのときも、よくこうして周平に寝かしつけてもらったっけと、裕太はこそばゆいような気持ちになった。
「そうか……覚えてたか」
懐かしそうに思い出を語る裕太を見て、周平はその秀麗な面に透明なガラスのような微笑みを浮かべた。
「うん……でも、その船が俺だって言うのは……どういう、意味なの……?」
重くなるまぶたをしきりに瞬かせながら、裕太はあくびをかみ殺した。
「難しい意味なんてない、そのままだよ」
周平はまるで幼児をあやすように、優しいリズムで裕太の肩をたたいた。
「で……も……」
次第に襲ってくる眠気と戦いながら、裕太はなおも周平に食い下がろうとした。
「さあ、もう眠いんだろう」
周平はその頑なな様子に苦笑すると、今度は眠りを強制するように、裕太の閉じかけたまぶたに、手を置いた。
「……神が俺の行為に怒り、滅ぼそうとしても、お前がいれば、俺は救われる……そういうことだよ」
もう、裕太からの返事はなかった。
「誰が許さなくてもいい、お前さえいればいいんだ……」
裕太を手に入れてから、肌を合わせずに眠るのは今日が初めてだった。
(まあいい、神が生まれた神聖な夜だ、そういうことがあってもいいさ)
周平は多少の皮肉を込めて、そう考えることにした。
自分たちを決して許さないだろう、狭量な神の為に祈る殊勝さは持ち合わせていなかったが、その代わり、裕太のために一生、十字架を背負って生きる覚悟が、周平にはあった。
「裕太……お前が俺の箱舟なんだ……だから、何も怖くない……」
周平は、静かな寝息を立てる柔らかい唇に、そっと触れるだけのキスをした。
「おやすみ」
フットライトの琥珀色の光に照らされた裕太の寝顔は、とても幸せそうに見えた。
青白い顔をして俯いてしまった裕太を見て、周平は少しからかい過ぎたと反省した。
突然やってきた母親に、今日は裕太を取られてしまうだろうと覚悟していた周平だったが、その心配が杞憂に終わり、だいぶ浮かれていたのだ。
「大丈夫、何もしない」
周平は裕太を落ち着かせるために、そっと温もりを伝えるだけの抱擁をした。
とっさに体を硬くした裕太も、周平がそれ以上触れてこないと分ると、緊張を解いて、その胸にもたれかかった。
「兄ちゃんは……怖くないの……?」
禁忌の扉を開いてしまう事を恐れながらも、裕太はそれを聞かずにおられなかった。
ひどく深刻な表情で見上げてくる裕太を、周平は、凪いだ厳冬の海のような、深く、静かで、そして底知れない闇を秘めた瞳で、じっと見つめ返した。
「俺の箱舟は、お前だから……何も、怖くないんだよ」
*
「はこ、ぶね……?」
突然の聞きなれない言葉に、裕太は首をかしげた。
「そう、ノアの箱舟。裕太、絵本持ってただろう?」
周平は裕太の質問に答えながら、その手を引いてベッドに入らせた。
「えっと……日曜学校のクリスマスプレゼントでもらったやつ?」
裕太が、幼稚園の間だけ通わされていた教会のことで思い出せるのは、そのプレゼントと、神父の立派なひげぐらいしかなかった。
「ああ、覚えてるか?」
部屋の明かりを消すと、周平はベッドサイドの足下灯を点し、裕太の隣に横になった。
「えっと、たしか……ノアって人が、船を作って大洪水から逃げる話だよね……俺、真白な鳩がオリーブの枝を咥えてる絵が大好きで、兄ちゃんにそこだけ読んでって、何度もせがんで……」
そう言えばあのときも、よくこうして周平に寝かしつけてもらったっけと、裕太はこそばゆいような気持ちになった。
「そうか……覚えてたか」
懐かしそうに思い出を語る裕太を見て、周平はその秀麗な面に透明なガラスのような微笑みを浮かべた。
「うん……でも、その船が俺だって言うのは……どういう、意味なの……?」
重くなるまぶたをしきりに瞬かせながら、裕太はあくびをかみ殺した。
「難しい意味なんてない、そのままだよ」
周平はまるで幼児をあやすように、優しいリズムで裕太の肩をたたいた。
「で……も……」
次第に襲ってくる眠気と戦いながら、裕太はなおも周平に食い下がろうとした。
「さあ、もう眠いんだろう」
周平はその頑なな様子に苦笑すると、今度は眠りを強制するように、裕太の閉じかけたまぶたに、手を置いた。
「……神が俺の行為に怒り、滅ぼそうとしても、お前がいれば、俺は救われる……そういうことだよ」
もう、裕太からの返事はなかった。
「誰が許さなくてもいい、お前さえいればいいんだ……」
裕太を手に入れてから、肌を合わせずに眠るのは今日が初めてだった。
(まあいい、神が生まれた神聖な夜だ、そういうことがあってもいいさ)
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「裕太……お前が俺の箱舟なんだ……だから、何も怖くない……」
周平は、静かな寝息を立てる柔らかい唇に、そっと触れるだけのキスをした。
「おやすみ」
フットライトの琥珀色の光に照らされた裕太の寝顔は、とても幸せそうに見えた。
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