BL版権物の二次創作ブログです。現在『メイド*はじめました』で活動中です。
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名前:うさこ
萌属性:血縁、年の差、アホ子受、ワンコ攻
好き:甘々、主人公総受け
嫌い:イタい子
イチオシ:安元洋貴ボイズ
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2007/10/28 (Sun)
「ああ? 藍川が失踪だと、何の冗談だそりゃ」
オレがその話を聞いたのは、久しぶりに登校した木曜の昼の事だった。
「えー、蓮ってば知らないのー? ホントだよー、ねえー?」
オレを取り囲んだ女共が、「そうだそうだ」と声を揃える。
「蓮のところには電話無かったのお? 藍川クンのお兄ちゃんからあ」
「電話? そういや、スタジオ入たときに携帯の電源切ったままだったわ」
「凄かったんだよー、昨日の夜。『どんな小さな心当たりでもいいから教えてくれ』って、知んないって言ってんのに、しつこくってさー」
「そうそう、だいたい藍川クンってあんまし女子と付き合い無かったじゃんねえ。知るわけ無いってえのお」
「キャハハ、そうだよねー。だってあの子、ホモだしー」
「きゃあ、やあだあ」
オレがその話を聞いたのは、久しぶりに登校した木曜の昼の事だった。
「えー、蓮ってば知らないのー? ホントだよー、ねえー?」
オレを取り囲んだ女共が、「そうだそうだ」と声を揃える。
「蓮のところには電話無かったのお? 藍川クンのお兄ちゃんからあ」
「電話? そういや、スタジオ入たときに携帯の電源切ったままだったわ」
「凄かったんだよー、昨日の夜。『どんな小さな心当たりでもいいから教えてくれ』って、知んないって言ってんのに、しつこくってさー」
「そうそう、だいたい藍川クンってあんまし女子と付き合い無かったじゃんねえ。知るわけ無いってえのお」
「キャハハ、そうだよねー。だってあの子、ホモだしー」
「きゃあ、やあだあ」
「お前らなあ、くだんないネタで盛り上がってんじゃねえよ」
ホモ話できゃあきゃあと騒ぎ始めた女共を制して、オレは藍川の話しを促した。
「それより失踪って何だよ、あの甘ったれが、ンな事出来るタマかよ」
「えー、だからワタシ等だって良く分かんないってばー。藍川クン火曜に熱で早退したでしょー? そんで水曜欠席して、その日の夜中突然あのお兄ちゃんから『知らないか』って電話だもん。全然訳分かんないよー」
「そうそう、なんかあ、櫻井クン家に泊ってたんだけどお、櫻井クンが学校から帰ったらあ、もう居なかった? みたいな話らしいよお」
「櫻井の家に泊ってただと? 藍川は廣瀬の家に世話になってたんじゃないのか」
寝耳に水の話に、オレは周囲の女共をグルリと見回した。
何時の間にあの藍川と櫻井がそれほど近くなったんだろうか。
「えーっとー、だからー、痴話喧嘩とかー?」
また話をそっちに持って行きそうになる女共に、オレはうんざりとため息をついた。
「お前らホントにホモ好きだな、いい加減にしろよったく」
「やーん、蓮。怒んないでよー。だって昨日の藍川クンの欠席だって『前の日熱が出たから大事を取って休ませます』って櫻井クンがセンセに連絡してたんだよー?」
「だよねえ、火曜に熱で倒れた時だって、櫻井クンが姫抱っこで保健室まで運んだんだよお、うふふ。櫻井クンちょっといけてたよねえ」
この取り巻きの女共をはじめ、学校の連中はみんな櫻井の「無口な優等生」ヅラを信じてるようだが、オレにはそうは思えない。
少なくとも、あのぼんやりした藍川の手に負えるような相手じゃないことは間違いない。
「今までだったらあ、そういう藍川クンの世話みたいのってえ、廣瀬クンがやってたでしょお? だから急に櫻井クンがなんてえ、なんか怪しくない?」
「ふーん、櫻井が、ね……」
自慢じゃないが、オレはガキの頃から海千山千の業界人を相手に仕事してきた。
だから同年代のやつらよりは、ずっと人を見る目はあるつもりだ。
その直感が、ヤツは危ないと告げている。
「それは……怪しいな」
櫻井には近付き過ぎるなと、藍川に忠告しておくべきだったろうか。
「でしょー、怪しいよー、浮気だよー、三角関係のモツレだよー、きゃああ」
「絶対そうだよお、今朝凄かったもん。廣瀬クンが櫻井クンに『なんで、どうしてって』詰め寄ってさあ、手なんかブルブル震えちゃっててえ、喧嘩になるんじゃないかって感じでえ」
「喧嘩? あの二人が殴りあいでもしたのか?」
「うーん? どうだろー、すぐに二人で教室出て行っちゃったから、良く分かんないけどー、とにかく廣瀬クンはすっごい動揺してたー。櫻井クンは変わんなかったけどー」
「まあ、あの世話焼きの旦那なら、そりゃ動揺もするだろうな。藍川が居なくなったなんて聞いちゃ……」
そのときふと、頭の中に「四方に張り巡らされた蜘蛛の巣に、ヒラヒラと近付く蝶」というイメージが浮かんで、オレはハッとした。
「だからあ、きっとお、藍川クンはあ、廣瀬クンと櫻井クンで二股しててえ、泥沼になっちゃってえ、居辛くなったからあ、家出しちゃったんだよお」
「きゃー、それおもしろーい。絶対そうだよー、そうしちゃおうよー」
また勝手に盛り上がり始めた女共の能天気ぶりにキレて、オレはギロリと睨み付けた。
「お前ら、無責任な事言って、変な噂広めるんじゃねえぞ」
「やあん、蓮がキレたあ、怖あい」
「ごめーん、蓮。冗談だよー、怒んないでー」
*
蜘蛛の巣を張り巡らせたのは櫻井だ、そして無防備にその罠に掛かったのは藍川。
それは無根拠で突拍子も無いイメージだったが、オレは自分が真実を得たのだと直感した。
普段から自分の感性だけを頼りに生きているオレだ、自分を納得させるのに根拠も理屈も必要ない。
「自分がそう感じた」という事実だけがあれば十分だ。
オレは自分の中に生まれた確信に身震いした。
ホモ話できゃあきゃあと騒ぎ始めた女共を制して、オレは藍川の話しを促した。
「それより失踪って何だよ、あの甘ったれが、ンな事出来るタマかよ」
「えー、だからワタシ等だって良く分かんないってばー。藍川クン火曜に熱で早退したでしょー? そんで水曜欠席して、その日の夜中突然あのお兄ちゃんから『知らないか』って電話だもん。全然訳分かんないよー」
「そうそう、なんかあ、櫻井クン家に泊ってたんだけどお、櫻井クンが学校から帰ったらあ、もう居なかった? みたいな話らしいよお」
「櫻井の家に泊ってただと? 藍川は廣瀬の家に世話になってたんじゃないのか」
寝耳に水の話に、オレは周囲の女共をグルリと見回した。
何時の間にあの藍川と櫻井がそれほど近くなったんだろうか。
「えーっとー、だからー、痴話喧嘩とかー?」
また話をそっちに持って行きそうになる女共に、オレはうんざりとため息をついた。
「お前らホントにホモ好きだな、いい加減にしろよったく」
「やーん、蓮。怒んないでよー。だって昨日の藍川クンの欠席だって『前の日熱が出たから大事を取って休ませます』って櫻井クンがセンセに連絡してたんだよー?」
「だよねえ、火曜に熱で倒れた時だって、櫻井クンが姫抱っこで保健室まで運んだんだよお、うふふ。櫻井クンちょっといけてたよねえ」
この取り巻きの女共をはじめ、学校の連中はみんな櫻井の「無口な優等生」ヅラを信じてるようだが、オレにはそうは思えない。
少なくとも、あのぼんやりした藍川の手に負えるような相手じゃないことは間違いない。
「今までだったらあ、そういう藍川クンの世話みたいのってえ、廣瀬クンがやってたでしょお? だから急に櫻井クンがなんてえ、なんか怪しくない?」
「ふーん、櫻井が、ね……」
自慢じゃないが、オレはガキの頃から海千山千の業界人を相手に仕事してきた。
だから同年代のやつらよりは、ずっと人を見る目はあるつもりだ。
その直感が、ヤツは危ないと告げている。
「それは……怪しいな」
櫻井には近付き過ぎるなと、藍川に忠告しておくべきだったろうか。
「でしょー、怪しいよー、浮気だよー、三角関係のモツレだよー、きゃああ」
「絶対そうだよお、今朝凄かったもん。廣瀬クンが櫻井クンに『なんで、どうしてって』詰め寄ってさあ、手なんかブルブル震えちゃっててえ、喧嘩になるんじゃないかって感じでえ」
「喧嘩? あの二人が殴りあいでもしたのか?」
「うーん? どうだろー、すぐに二人で教室出て行っちゃったから、良く分かんないけどー、とにかく廣瀬クンはすっごい動揺してたー。櫻井クンは変わんなかったけどー」
「まあ、あの世話焼きの旦那なら、そりゃ動揺もするだろうな。藍川が居なくなったなんて聞いちゃ……」
そのときふと、頭の中に「四方に張り巡らされた蜘蛛の巣に、ヒラヒラと近付く蝶」というイメージが浮かんで、オレはハッとした。
「だからあ、きっとお、藍川クンはあ、廣瀬クンと櫻井クンで二股しててえ、泥沼になっちゃってえ、居辛くなったからあ、家出しちゃったんだよお」
「きゃー、それおもしろーい。絶対そうだよー、そうしちゃおうよー」
また勝手に盛り上がり始めた女共の能天気ぶりにキレて、オレはギロリと睨み付けた。
「お前ら、無責任な事言って、変な噂広めるんじゃねえぞ」
「やあん、蓮がキレたあ、怖あい」
「ごめーん、蓮。冗談だよー、怒んないでー」
*
蜘蛛の巣を張り巡らせたのは櫻井だ、そして無防備にその罠に掛かったのは藍川。
それは無根拠で突拍子も無いイメージだったが、オレは自分が真実を得たのだと直感した。
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「自分がそう感じた」という事実だけがあれば十分だ。
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