BL版権物の二次創作ブログです。現在『メイド*はじめました』で活動中です。
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名前:うさこ
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好き:甘々、主人公総受け
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2007/11/05 (Mon)
――ゆうた……裕太……。
――夢だよ、全部夢だよ。
――悪い夢を見ただけなんだ。
――だからもう帰っておいで。
――全部忘れて、もう一度目を覚まして……。
――ゆうた……裕太……。
誰かが、呼んでる。
もうそろそろ起きなきゃいけないんだ。
だって、名前を呼ばれてるもの。
きっともう朝なんだ。早く起きて学校に行かなきゃいけない。
早く目を覚まさなきゃ……。
――夢だよ、全部夢だよ。
――悪い夢を見ただけなんだ。
――だからもう帰っておいで。
――全部忘れて、もう一度目を覚まして……。
――ゆうた……裕太……。
誰かが、呼んでる。
もうそろそろ起きなきゃいけないんだ。
だって、名前を呼ばれてるもの。
きっともう朝なんだ。早く起きて学校に行かなきゃいけない。
早く目を覚まさなきゃ……。
「裕太、おはよう。もう朝だよ」
俺が目を覚ましたとき、そばにいてくれたのはやっぱり兄ちゃんだった。
俺はその声に「おはよう、兄ちゃん」と返事をすると、体を起こして「うーん」と伸びをした。
「あー、なんか腹減ったー」
俺は両手を上げたまま、ゆらゆらと体を左右に動かした。
なんだか、ずいぶんと長い間眠っていたような気がする。
「ゆ、うた……」
俺の脇に立つ兄ちゃんを見上げると、何故か凄く驚いたような顔をしている。
「もう、大丈夫……なのか?」
何かを確かめるように、兄ちゃんがじっと俺の顔を覗き込んでくる。
俺の頭に乗せた手が、少し震えている。
「ど、どうしたの、兄ちゃん。大丈夫って……何かあったの?」
俺は兄ちゃんの様子に、逆にそう聞き返してしまった。
「あ、いや……よく、眠っていたなと思って……その、おはよう、裕太」
兄ちゃんはもう一度そう言うと、滲むような笑顔を見せた。
俺はそんな兄ちゃんの笑顔を過去に何度か見たような気がする。
えっと、あれはいつのことだったっけ……。
記憶の底を探ろうとして首をひねったとき、俺は自分が知らない場所にいることに気が付いた。
「あれ?」
俺はぐるりと辺りを見回した。
アースカラーで統一された八畳ほどの洋室。
俺はそのフローリングの床の中央に置かれた、セミダブルのベッドの上にいた。
「ここ……どこ?」
俺は自分の置かれた状況を把握できずにぽかんとした。
こんな部屋見覚えがない。
俺のアパートじゃないし、実家でもないし、諒の家とも違うし……どこかのマンションみたいだけど……。
「俺の部屋だよ」
兄ちゃんはベッドの脇に腰掛けると、少し困ったような顔で俺を見下ろした。
「ええ? 兄ちゃんの部屋?」
俺は意味が良く分からずに、そんな兄ちゃんの顔を見返す。
「でも、俺たち一緒にアパートに住んでたんじゃあ……?」
俺は必死に記憶をたどろうとするが、寝起きだからだろうか、頭がぼんやりして、よく思い出せない。
「裕太。裕太、そんなに考え込むな」
目を閉じて「うーん」とうなり出した俺をなだめるように、兄ちゃんの手がそっと肩にかかる。
「でも、えっと、あれ……俺は諒の家に行って……それで火事……?」
兄ちゃんは混乱する俺の頭をギュッと自分の胸に抱きしめて、ぐりぐりと掻き回した。
「大丈夫だよ。なんでもない、今からここがお前の家。それだけのことなんだから、考えることなんかない」
俺の頭をぐりぐりするのは兄ちゃんの癖みたいなものだけど、今日は何だかいつも以上に力が強い。
「ちょ、もう、兄ちゃんってば、痛いよ」
俺は兄ちゃんの腕を押しのけて、ぐしゃぐしゃになった髪を手で整える。
「ごめん、ごめん、ちょっと力入りすぎちゃったかな」
悪びれない顔で謝る兄ちゃんに、俺はぷうっとふくれて見せた。
「もー! 兄ちゃん、わかっててやってるだろ!」
俺は怒って見せたけど、兄ちゃんにはちっとも効いてないみたいだ。
あははと明るく笑うと、今度は優しく俺の頭を撫でた。
「だからごめんってば、裕太。お腹空いたんだろう? 朝ごはん何がいい? お詫びにお前の好きなもの、何でも作ってやるぞ」
兄ちゃんがそういうと、俺のお腹が「ぐー」っと返事をした。
俺たちは顔を見合わせて、一緒に噴き出した。
俺が目を覚ましたとき、そばにいてくれたのはやっぱり兄ちゃんだった。
俺はその声に「おはよう、兄ちゃん」と返事をすると、体を起こして「うーん」と伸びをした。
「あー、なんか腹減ったー」
俺は両手を上げたまま、ゆらゆらと体を左右に動かした。
なんだか、ずいぶんと長い間眠っていたような気がする。
「ゆ、うた……」
俺の脇に立つ兄ちゃんを見上げると、何故か凄く驚いたような顔をしている。
「もう、大丈夫……なのか?」
何かを確かめるように、兄ちゃんがじっと俺の顔を覗き込んでくる。
俺の頭に乗せた手が、少し震えている。
「ど、どうしたの、兄ちゃん。大丈夫って……何かあったの?」
俺は兄ちゃんの様子に、逆にそう聞き返してしまった。
「あ、いや……よく、眠っていたなと思って……その、おはよう、裕太」
兄ちゃんはもう一度そう言うと、滲むような笑顔を見せた。
俺はそんな兄ちゃんの笑顔を過去に何度か見たような気がする。
えっと、あれはいつのことだったっけ……。
記憶の底を探ろうとして首をひねったとき、俺は自分が知らない場所にいることに気が付いた。
「あれ?」
俺はぐるりと辺りを見回した。
アースカラーで統一された八畳ほどの洋室。
俺はそのフローリングの床の中央に置かれた、セミダブルのベッドの上にいた。
「ここ……どこ?」
俺は自分の置かれた状況を把握できずにぽかんとした。
こんな部屋見覚えがない。
俺のアパートじゃないし、実家でもないし、諒の家とも違うし……どこかのマンションみたいだけど……。
「俺の部屋だよ」
兄ちゃんはベッドの脇に腰掛けると、少し困ったような顔で俺を見下ろした。
「ええ? 兄ちゃんの部屋?」
俺は意味が良く分からずに、そんな兄ちゃんの顔を見返す。
「でも、俺たち一緒にアパートに住んでたんじゃあ……?」
俺は必死に記憶をたどろうとするが、寝起きだからだろうか、頭がぼんやりして、よく思い出せない。
「裕太。裕太、そんなに考え込むな」
目を閉じて「うーん」とうなり出した俺をなだめるように、兄ちゃんの手がそっと肩にかかる。
「でも、えっと、あれ……俺は諒の家に行って……それで火事……?」
兄ちゃんは混乱する俺の頭をギュッと自分の胸に抱きしめて、ぐりぐりと掻き回した。
「大丈夫だよ。なんでもない、今からここがお前の家。それだけのことなんだから、考えることなんかない」
俺の頭をぐりぐりするのは兄ちゃんの癖みたいなものだけど、今日は何だかいつも以上に力が強い。
「ちょ、もう、兄ちゃんってば、痛いよ」
俺は兄ちゃんの腕を押しのけて、ぐしゃぐしゃになった髪を手で整える。
「ごめん、ごめん、ちょっと力入りすぎちゃったかな」
悪びれない顔で謝る兄ちゃんに、俺はぷうっとふくれて見せた。
「もー! 兄ちゃん、わかっててやってるだろ!」
俺は怒って見せたけど、兄ちゃんにはちっとも効いてないみたいだ。
あははと明るく笑うと、今度は優しく俺の頭を撫でた。
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兄ちゃんがそういうと、俺のお腹が「ぐー」っと返事をした。
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