BL版権物の二次創作ブログです。現在『メイド*はじめました』で活動中です。
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好き:甘々、主人公総受け
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2008/03/04 (Tue)
「裕太は馬鹿なんかじゃないよ、普通の高校生なんてそんなもんだよ。企業だとか、株だとか、そういうものに詳しいほうが変なんだよ」
むうっと黙り込んでしまった裕太を、諒が慰めた。
「ほら、滝沢はかなり「特殊」な家庭環境みたいだからさ、そういう下世話なことに詳しいのさ」
言いながら、諒はちらりと、滝沢にあてこするような視線を送った。
「でも、でも……諒だって知ってるんだろ……?」
裕太は、心細いような気持ちで諒を見上げた。
「それは……ほら、俺の家もかなり「特殊」だからさ。お弟子さん達は、名家の子女が多いしね、自然とそういう話になるんだ……だから耳学問だよ、聞きかじり」
「でも……」
一生懸命フォローしてくれようという諒の気持ちは嬉しかった。
しかし、それでも裕太の心は晴れなかった。
日ごろから、自分があまり頭のいいほうではないということは良く分かっていたが、それでもこんな風に目の前に突きつけられると、さすがに悲しかった。
むうっと黙り込んでしまった裕太を、諒が慰めた。
「ほら、滝沢はかなり「特殊」な家庭環境みたいだからさ、そういう下世話なことに詳しいのさ」
言いながら、諒はちらりと、滝沢にあてこするような視線を送った。
「でも、でも……諒だって知ってるんだろ……?」
裕太は、心細いような気持ちで諒を見上げた。
「それは……ほら、俺の家もかなり「特殊」だからさ。お弟子さん達は、名家の子女が多いしね、自然とそういう話になるんだ……だから耳学問だよ、聞きかじり」
「でも……」
一生懸命フォローしてくれようという諒の気持ちは嬉しかった。
しかし、それでも裕太の心は晴れなかった。
日ごろから、自分があまり頭のいいほうではないということは良く分かっていたが、それでもこんな風に目の前に突きつけられると、さすがに悲しかった。
「滝沢の言うことなんて気にすることないって。こいつはだた、裕太の家が、自分よりも金持ちだったのが気に入らないだけなんだから」
諒は、ぐっと顎を上げて、自分よりも少し背の高い滝沢を見下ろした。
「裕太には判らないだろうけど、いるんだよ、お金とか、家柄とか、そういう下衆な基準でしか人間を判断できないやつって。そんなくだらない価値で、あっちが上だとか、こっちのほうが偉いとかって、いちいち上下関係付けないと、気がすまないんだ」
滝沢をこき下ろして見せた諒の解説も、やはり裕太には理解不能だった。
「上下関係……?」
「そう、だから、今まで自分よりも下だと思ってた裕太が、ずっと上だって知って、腹を立ててるだけなんだよ」
裕太はますます混乱した。
友人を、何かの基準で選別するという思考そのものが、裕太にはわからなかった。
*
「残念だったな、裕太が金持ちで」
諒が勝ち誇ったように言った。
「裕太はお前なんかが好きに出来る人間じゃないんだ。わかったら、もう二度と、裕太に近付くな」
その言葉に、滝沢がくっと目を開いた。
尾を踏まれた猫が、衝動的に牙を剥いたかに見えた。
「はぁ? ……マジでムカつくな、じゃあお前は何様なんだよ、茶道の大将が、どんだけ偉いってんだよ」
「俺は、裕太の幼馴染なんだよ、今でも家族ぐるみの付き合いがあるんだ」
汚らわしいものから遠ざけようというかのように、諒が裕太を引き寄せた。
「わ……りょ、諒……なに……」
剣呑な空気に、裕太はオロオロと二人を見比べた。
かばい合うように肩を寄せた諒と裕太を、滝沢はぎらりと睨んだ。
「……くそっ、カマトトぶりやがって、お前みたいのにだって、いずれ黙ってたって、本社の取締役とか、子会社の社長とか、そういうポストが転がり込んでくるんだろ」
滝沢が裕太の頬をぐいっと横に引っ張った。
「いたっ、痛いよっ! 滝沢っ!」
放せよ、と裕太が言うよりも早く、ばしっと派手な音を立てて、その手が払い除けられた。
「裕太に触るな」
諒が激怒していることは、その声だけではっきりと分った。
「諒、落ち着いて。俺、全然平気だから」
裕太は諒を安心させようと、滝沢から一歩下がった。
滝沢に頬をつねられたことよりも、諒が手荒な手段に出たことのほうが驚きだった。
「飯も満足に食えねえなんて、どんだけ貧乏なんだと思ってたけど……くそっ、騙された。楽才に来るぐらいなんだから、貧乏なわけねえのに」
ギリギリと歯噛みしながら鋭い視線を向けてくる滝沢に理不尽な怒りをぶつけられて、裕太はただ……ただ、困惑した。
諒は、ぐっと顎を上げて、自分よりも少し背の高い滝沢を見下ろした。
「裕太には判らないだろうけど、いるんだよ、お金とか、家柄とか、そういう下衆な基準でしか人間を判断できないやつって。そんなくだらない価値で、あっちが上だとか、こっちのほうが偉いとかって、いちいち上下関係付けないと、気がすまないんだ」
滝沢をこき下ろして見せた諒の解説も、やはり裕太には理解不能だった。
「上下関係……?」
「そう、だから、今まで自分よりも下だと思ってた裕太が、ずっと上だって知って、腹を立ててるだけなんだよ」
裕太はますます混乱した。
友人を、何かの基準で選別するという思考そのものが、裕太にはわからなかった。
*
「残念だったな、裕太が金持ちで」
諒が勝ち誇ったように言った。
「裕太はお前なんかが好きに出来る人間じゃないんだ。わかったら、もう二度と、裕太に近付くな」
その言葉に、滝沢がくっと目を開いた。
尾を踏まれた猫が、衝動的に牙を剥いたかに見えた。
「はぁ? ……マジでムカつくな、じゃあお前は何様なんだよ、茶道の大将が、どんだけ偉いってんだよ」
「俺は、裕太の幼馴染なんだよ、今でも家族ぐるみの付き合いがあるんだ」
汚らわしいものから遠ざけようというかのように、諒が裕太を引き寄せた。
「わ……りょ、諒……なに……」
剣呑な空気に、裕太はオロオロと二人を見比べた。
かばい合うように肩を寄せた諒と裕太を、滝沢はぎらりと睨んだ。
「……くそっ、カマトトぶりやがって、お前みたいのにだって、いずれ黙ってたって、本社の取締役とか、子会社の社長とか、そういうポストが転がり込んでくるんだろ」
滝沢が裕太の頬をぐいっと横に引っ張った。
「いたっ、痛いよっ! 滝沢っ!」
放せよ、と裕太が言うよりも早く、ばしっと派手な音を立てて、その手が払い除けられた。
「裕太に触るな」
諒が激怒していることは、その声だけではっきりと分った。
「諒、落ち着いて。俺、全然平気だから」
裕太は諒を安心させようと、滝沢から一歩下がった。
滝沢に頬をつねられたことよりも、諒が手荒な手段に出たことのほうが驚きだった。
「飯も満足に食えねえなんて、どんだけ貧乏なんだと思ってたけど……くそっ、騙された。楽才に来るぐらいなんだから、貧乏なわけねえのに」
ギリギリと歯噛みしながら鋭い視線を向けてくる滝沢に理不尽な怒りをぶつけられて、裕太はただ……ただ、困惑した。
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