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BL版権物の二次創作ブログです。現在『メイド*はじめました』で活動中です。
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自己紹介

  名前:うさこ
  萌属性:血縁、年の差、アホ子受、ワンコ攻
  好き:甘々、主人公総受け
  嫌い:イタい子
  イチオシ:安元洋貴ボイズ

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芳賀社長から待ちに待った連絡が来た。
裕太を助け出すために、俺がこの計画を練り上げてから、既に二週間が過ぎてきた。
「はい、明日の夜10時、赤坂の料亭嘉楼ですね。分かりました」
自分の声が興奮で震えるのが分かる。
「いえ、大丈夫です。芳賀さんは、時間通りに指定された場所へ行ってください。細かい計画の内容はご存じないほうが良いかと」
いまここで、全てを明かすには、芳賀社長は和泉澤組と関係が深すぎる。
その深い繋がりがあったからそこ、この計画が成立したのだが、万が一失敗した場合、逆にそれが仇となる。
裏切られたと知った暴力団が、芳賀社長を放って置くわけがない。
「芳賀さんには絶対に迷惑がかからないようにしてあります。ですから、もし何かあっても、知らぬ存ぜぬで通してください……実際何もご存じないのですから」
土建屋の親父として叩き上げた芳賀社長のことだ、暴力団の脅しに屈して口を割るなどという心配はしていない。
ただ、根が正直な人だから、やつらに問い詰められたとき、うまく嘘をついてその場を誤魔化すなんて器用なことはできないだろう。
「どうかご心配なく。はい、ありがとうございます。それでは明日。どうぞよろしく、お願いします――」
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弟のクラスメイトだった滝沢君からその電話が来たのは、裕太が行方不明になって二ヶ月が過ぎた頃だった。
『あ、どうも。俺、滝沢なんですけど、分かりますか?』
学生ながらモデルとしても活躍しているという彼を、俺は裕太の友人として相応しくない人物と判断していた。
派手な世界で生きる彼と付き合って、俺のかわいい裕太がおかしな遊びを覚えては困ると思ったからだ。
「もちろん分かるよ。裕太のお友達だったね。以前一度学校で会ったことがある」
無論、良識ある社会人である俺は、そんな感情はおくびにも出しはしないが。
「僕が思っていた以上に、世の中には変態が多いみたいだね。まったく、ソドムとゴモラが再び神の怒りに触れる日もそう遠くないね」
それが、この依頼を聞いたときの、僕の率直な感想だった。
「そど……もご?」
聞きなれない言葉に目をしばたたかせたこの組員は、いかつい鬼瓦みたいな風貌に似合わず、根は真面目だし、忠誠心も高い。
汚い仕事も嫌がらずにやるから、中々使い勝手の良い男なんだけど、僕の話し相手になるには少々頭が足りない。
「なんでもないよ、こっちの話」
僕に投げ掛けられた疑問の視線は、その一言でばっさりと切り捨てた。
鬼瓦相手に、ここで旧約聖書の解説を始めるほど僕は酔狂ではない。
そして僕のこういった物言いに、ウチの組員たちは皆慣れている。
この鬼瓦男も「はあ、そうですか」と別段気に留める事も無く、それで納得したようだ。
まあ、これぐらい単純な頭でないと、ヤクザの組員なんてとても勤まらないだろうが。
「それで、あの、坊ちゃん。どうでしょうか、この話」
タタミに正座して、ソファに座る僕を不安げに見上げてくる鬼瓦面を僕はチラリと横目で見た。
僕の機嫌を損ねないようにと思って、こうして下手に出ているのだろう。
けれど、こういう卑屈な態度をとられると、余計に僕の中の悪い虫が刺激される。
まあ、別にこんな鬼瓦を虐めてもつまらないから、無視するが。
僕がそんな事を考えているとは思いもよらないだろう組員は、その沈黙をどう捕らえたのか、今度は両手を突いて頭を下げた。
「お願いします。なんとか考えて頂けませんか」
この鬼瓦に何と答えるべきか、僕は正直迷っていた。
当然こんなむさ苦しい男の哀願に、心動かされたわけではない。
僕の逡巡はもっと現実的な問題だった。
「うーん、そうだねえ。本来一考の余地無く断る所なんだけど、他ならぬ芳賀社長直々のお願いかあ……困るなあ」
「ああ、啓寿来たの。思ったより早かったね。ほらこれ見てよ、最高に面白いだろう?」
伯父との夕食を早々に切り上げ、藍川を連れに戻った俺に大貴が見せたモノ。
その余りの醜悪さに、俺は食べてきたばかりの物をその場で戻しそうになった。
「啓寿、どうしたの。呆けてないで、感想ぐらい言ってよ」
大貴はそう言うと、汚物に塗れて死んだように横たわっているソレの頭を鷲掴みにして、ぐいと俺のほうへ向けた。
「ほら、藍川君だって啓寿に見てもらえて嬉しいってさ」
ああ!
だから嫌だったんだ、藍川を大貴の家に一人置いて行くのは。
あいつはおかしいから近付くなと、何度も警告したのに。
人を疑うことを知らない、無垢で、愚かな藍川は、俺の忠告を聞かなかった。
なんということだろう。
俺があれほど待ち望み、策を弄し、罠を張り、ようやく手に入れた藍川は、いなくなってしまった。
壊れてしまった。
『廣瀬か夜分遅くにすまない、藍川はそっちに居るか?』
櫻井から裕太の所在を確認する電話が入ったのは、俺がそろそろ床に付こうかと、読みかけの本に栞を挟んだときだった。
「え、裕太? いや、家には来てないけど、どうしたの何かあったの」
『さっきまで外で食事してて、今家に帰った所なんだが、藍川が居ないんだ。そっちに帰ったのかと思って電話してみたんだが』
「裕太が居ない」という言葉を聴いただけで、自分が酷く動揺してしまうのがわかった。
「――来て、ない。裕太は来てないよ」
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